概要
『金田一少年の事件簿』File:7。北海道函館市の異人館ホテルを舞台に、ミステリーツアーに参加した劇団アフロディアを襲う殺人事件に金田一少年が挑む。
TVアニメでは1998年に70~73話と季節の都合上、漫画の第1期の他のエピソードより遅くに放映された。結末が部分的に変わっている。
ドラマ版では第2シーズンに放送。放送時期は夏。舞台も横浜市に、登場する怪人も冥界の道化師に変更された。『銀狼怪奇ファイル』とのクロスオーバーにもなっており、作中の「天神学園」新聞部の生徒が登場した。
なお、題に同じく「異人館」を含むFile:2『異人館村殺人事件』とは特に関係ない(刑事役の一人が俵田であるくらい)。
この事件はレギュラー及び準レギュラーキャラにも一定の被害が及ぶ事件の一つであるため、特に特定のキャラクターに愛着を持つ人は覚悟を決めて読むことをお勧めする。特に、原作とアニメ版で一部キャラの顛末に差が存在するため、その後のキャラクター登場におけるあれこれまで原作とアニメで異なる理由となっている。
スピンオフの「金田一少年の事件簿外伝犯人たちの事件簿」では、犯人である「赤髭のサンタクロース」が作中で殺害したその特定のキャラに、「アニメ版では生存するから」とまるで未来を行って見てきたようなメタ発言をした。読者にとっては複雑な心境である。
それから20年後、新たなる殺人が幕を開けることになる。
あらすじ
青森県警の俵田孝太郎から美味しい北海道のグルメに誘われるがまま、金田一一と七瀬美雪は函館・異人館ホテルのミステリーツアーに足を運んだ。開催予定のミステリーツアーに赤髭のサンタクロースを名乗る脅迫状が送られ、北海道警のイヤミな女警視の不破鳴美から散々愚弄された青森県警も護衛に向かうのだという。向かえた当日、衣装は破壊され、楽屋に猫の死体まで送られる中、ミステリーツアーの幕が開く。劇団アフロディアそのものをモチーフとした劇「ナルシスの魔鏡」と共に、赤髭のサンタクロースの殺人ショーは開始した…。
ゲスト
- 万代鈴代/「老女」:アフロディア座長。60歳。かつて戦後最大のスターと言われた天才女優であるが、性格はヒステリック。台本は1回読んだだけですべて把握できる。
- 虹川幸雄:44歳。今回の劇を書いた脚本家であり、男優でもある。バイセクシャルのスケベオヤジ。
- 文月花蓮/「メイド」:女優。27歳。かなり美人だが、副業を持っているという噂もある。
- 辺見魔子/「娘」:女優。『金田一少年の1泊2日小旅行』によれば20歳。顔に大きなアザがあるのに極度のコンプレックスを抱いている。実はガチレズ。
- 市川玉三郎/「人形遣い」:男優。いつも腹話術人形で話す不気味な人。
- 榎戸あきら/「ピエロ」:男優。小心者。
怪人「赤髭のサンタクロース」
10年前のクリスマスイブに異人館ホテルを訪れた謎の男。服は勿論、髪や髭まで真っ赤に染めており、1千万円入りのアタッシュケースをドンと置いて315号室を10年間ムリヤリ貸し切った。
異様なほどの赤色好きで、315号室を勝手に赤一色にコーディネートした挙句、そのことをホテル側に詰め寄られたら札束で黙らせた。極めて甘党で凝り性。1年ほど前に、ぱったり消息を絶ったはずだが……?
ドラマ版では放送時期の都合からか、ピエロのような赤い衣装に身を包んだ怪人物「冥界の道化師」となっている。