滅びし平氏のうらみ、忘れたわけではあるまいな。
行け、そして頼朝をうて
入道相國の加護のあらんことを。 ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ……
解説
1986年に稼働開始したナムコのアーケード用アクションゲーム『源平討魔伝』の登場キャラクター。名前は「アンダーバー」をもじったもの。
この世とあの世を繋ぐ三途の川で渡し守を務める老婆であり、主人公平景清を地獄から蘇らせた。本作のナビゲーター役である。
魔界の力を借りて平氏を滅ぼした源頼朝が現世を闇で支配し、魔物のはびこる世界に変貌させたことを憂いた天帝からの命で、安駄婆は滅ぼされた平氏の亡者の中から頼朝を討つ力のある剛の者として景清を選抜し、仮の命を与えて蘇らせた。冒頭のセリフは、ゲーム開始時に表示されるもの。
景清を地獄から死没地壇ノ浦へ、さらに京都、そして頼朝の待ち受ける鎌倉へと導いていく。
ゲーム中、様々な場面で安駄婆のボイスが挿入される。
まずクレジット投入時には「ありがたや」とプレイヤーへの感謝を述べるが、これは「景清の復活には異次元のぷれいやなる者からのお布施が必要である」という設定によるもの。
ステージ進行中には、ステージ両端より先に進もうとすると「行き止まりじゃ」、ライフを示すロウソクが残り1本以下になると「風前の灯火」、同じステージに長く留まり続け、永久パターン防止用の敵が出現しそうになると「気をつけなされ」などのアドバイスをくれる。
京都到達時には「先は長い」、武蔵到達時には「あとわずか」と景清を鼓舞し、ステージ中で落下死して黄泉に落ちると「愚か者!」と叱責する。銭を消費して景清が黄泉からの復活に成功すると「じごくのさたも銭しだい」のテロップとともに「ありがたや」と述べる。
また、エンディングに到達できずゲームオーバーとなり、コンティニューをしなかった場合には「諸行無常よのう」とつぶやき、到達度合いによって評価(今一歩じゃったのう・見どころのある奴じゃ・お前の力はそんなものか・情けなや)を示してくれる。
客演
namco×CAPCOM
CV:木川絵里子
ナムコとカプコンの歴代作品がクロスオーバーするプレイステーション2用シミュレーションRPG。安駄婆はNPCとして登場する。三途の川の渡し守という職業柄、『妖怪道中記』の主人公たろすけや同作の閻魔大王とも顔なじみであり、本作でタッグを組む景清とたろすけを引き合わせた。
また、魔界貴族である『ヴァンパイア』シリーズのデミトリ・マキシモフやモリガン・アーンスランドとも面識がある。なお、わざとか天然かは不明だが、デミトリの名前を「ましきもふ」と言い間違い、デミトリに律儀に訂正されている。
ハイスコアガール
CV:八百屋杏
アーケードゲームを通じた恋愛模様を描く押切蓮介作の漫画・アニメ作品。主人公矢口ハルオの心中における葛藤の相談相手として、ガイルなどに次いでよく登場する。また『源平討魔伝』とのコラボが行われ、安駄婆のコスプレをしたヒロイン大野晶のグッズなども製作された。
(ちなみに、登場するゲーム作品の著作権に関する訴訟騒ぎがあったが、ナムコに関しては当初から正式な許諾が取れている。)