概要
山に住む少数民族のこと。遊牧民は草原で暮らすのに対し、山岳民族は山で暮らす。
主に中国では山岳民族が多く、少数民族との共生が社会問題のひとつとなっている。
文化
ミャオ族のように呪術など、まじないを生業とする民族もいる。また独自の刺青があったり独自の文化が注目されることも多い。
山が生活の中心なので、収入が不安定という面がある。ネパールのシェルパ族のように登山家への支援で生計を立てるならまだしも、中国の高山地帯に住む山岳民族は生活苦に悩まされており、1年働いても僅かな賃金しか得られない家庭も少なくない。
ネパールに住む山岳民族はヤクなどの動物を家畜として飼育している。
また高地で過ごすため、低酸素の状態に体が慣れており、平地に暮らす人間より強靭な体を持つ傾向にある。
社会・民族問題
特に顕著なのがクルド人はトルコ、シリア、イラク、イランに跨る大きな国家がかつてはあり、激しい迫害の歴史がある。山岳地帯へは深く監視出来ないため、被差別民族が潜伏しやすい利点がある。
シリアではマロン派キリスト教徒、ドゥルーズ派イスラム教徒といった山岳民族が歴史を動かした例もある。
ベトナムでは山岳民族に対する弾圧を政府が行っており、国連が撤退する事態にまで陥っている。
主な山岳民族
中国 |
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チベット、苗族、イ族(四川省)、 |
東南アジア |
カレン族(ミャンマー)、カレン・パドゥン族(ミャンマー)、シェルパ(ネパール)、グルカ(ネパール)、モン族(ラオス・ベトナム等)、 |
インド |
ボンダ族 |
中東 |
マロン派(シリア)、ドゥルーズ派(シリア)、クルド人、山の民 |
ヨーロッパ |
ヴァルサー(ドイツ)、 |
南米 |
ケチュア(インカ帝国)、 |
関連タグ
表記揺れ
外部リンク
参考
- Wikipedia
- 世界史の窓
- ドキュメンタリー「天空家族の7年 ~中国・四川省 標高3000mの希望~」