概要
帯同馬とは、海外遠征などで他の競走馬に帯同する競走馬のことである。
野生では群れで生活する馬は慣れない土地に行くと寂しがる習性を持っており、帯同馬と共に遠征することでそれを緩和させる効果がある。現地での調教相手になるという目的もある。
帯同馬に選ばれる馬は、遠征馬と同じ馬主の所有馬、同じ調教師の管理馬であることが多い。当然、馬自身の性格や馬同士の相性も考慮して決められる。
なお、帯同馬の必要性については個体差があり、自身は特に必要としない馬もいれば、国内遠征でも必要とする馬もいる。帯同馬を確保できず精神が不安定になった結果、苦肉の策で現地の馬を付けてもらう例や共に遠征した別陣営の馬が結果的に帯同馬と同様の役割を果たす例もある。
帯同馬もレースに出走する場合も多く、内外の国際招待競走では同時期に帯同馬用のレースも開催されることが多い。
活躍馬同士で仲がいい場合は互いが互いの帯同馬としてとして遠征する例もある。
帯同馬にまつわるあれこれ
シリウスシンボリの受難
海外遠征のノウハウが乏しかった当時、シンボリ牧場は早くから帯同馬の重要性を理解し、シンボリルドルフとシリウスシンボリによる海外遠征計画を立てた。シンボリルドルフが米国遠征の後にシリウスシンボリに合流し、共に欧州遠征を行う予定であったが、シンボリルドルフが米国で故障し現役引退となったため、シリウスシンボリは単独で欧州を行脚することとなった。
名裏方ドージマムテキ
キャリア末期は豊富な海外遠征経験を活かし、シーキングザパール、アグネスワールド、エアシャカールらの帯同馬として森厩舎の海外遠征を支えた。
こうした経歴や森厩舎での「ジイさん」という愛称から馬なり1ハロン劇場ではシーキングザパールの御目付け役の「ジィ」というキャラ付けが与えられている。