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播磨(RSBC)

はりま

播磨は、仮想戦記小説『レッドサン ブラッククロス』などに登場する架空の戦艦。
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ハリマです。〈七号艦〉です。日本人め、あれを完成させていたんだ。


データ編集

所属大日本帝国海軍
全長380m
全幅67m
基準排水量217,000t
公試排水量232,900t
機関ディーゼル電気推進/ガスタービン複合推進(CODLAG)システム、4軸推進
機関出力720,000hp
最大速力34.6kt
主砲55口径56cm3連装砲塔×4
防御火器12.7cm連装両用砲、高角砲、対空噴進砲など×50弱
装甲厚司令塔1,800mm、主砲前盾1,500mm、甲板680mm(最大)、舷側1,000mm(最大)
乗員7,000名

※データは『RSBC』小説版のもの。


概要編集

仮想戦記小説レッドサン ブラッククロス』(RSBC)をはじめとする佐藤大輔氏の諸作品に登場する架空の戦艦播磨級戦艦の1番艦。


「播磨」という戦艦が初めて登場したのは、小説版の原作となったボードゲーム版『RSBC』で、その後小説『目標、砲戦距離四万!』での登場を経て小説版『RSBC』に至る。

登場作品ごとに各種の設定は変更されているが、超大和級戦艦に続いて日本海軍が建造した最大にして最後の巨大戦艦、という大まかな立ち位置は各作品で共通している。規模は小説版『RSBC』のものが一番大きい。

なお、他に小説『信長伝』にも「播磨」という名前の軍艦が2隻登場するが、こちらは「超々々弩級戦艦たる播磨」とは性格が異なる。


本項目では、もっとも知名度が高いであろう小説版『RSBC』に登場する「播磨」について主に説明する。


※メイン画像は、オリジナル艦娘として「播磨」を擬人化した二次創作作品。戦艦としての「播磨」そのものを描いたイラストは、2022年9月現在Pixiv上に存在しない。


設定解説編集

日英米枢軸とナチス・ドイツを盟主とする連合国が第三次世界大戦を戦う1950年代初頭において、日露戦争時に大陸利権の獲得に失敗したことに起因する海洋貿易路線の推進、その帰結としての1930年代からの日本の急激な経済成長と、英米からの技術導入によって存在することが可能になった超々々弩級戦艦(ウルトラ・ドレッドノート)。

副砲塔を持たず、後甲板に第4主砲塔を有するなどの差異はあるものの、基本的な設計は大和級戦艦のそれを踏襲している。サイズは大和級の約3倍にまで拡張され、基準排水量は20万tを超える。

その巨体にふさわしく、乗員の数が7,000名に達する大所帯のため、艦長には少将が任命されることになっている(通常の戦艦などでは大佐)。


最大速度が27ノットに止まったために他艦への随伴が困難となるなど、性能の不足が目立った紀伊級(超大和級)の反省を生かして設計されている(『RSBC』世界の第三次大戦時の日本海軍の新造主力艦は、大和級が34ノットの高速戦艦として完成するなどほとんどが30ノットオーバーの速度を確保している)。

34.6ノットという最大速力を発揮するため、主機には紀伊級建造の時点では実用化前だったため採用できなかった艦艇用のガスタービン機関を採用。最大出力72万馬力のディーゼル電気推進/ガスタービン複合推進(CODLAG)システムを備える。そのため、煙突の形状や機関音などには他艦とは違う特徴が生じている。


主砲は55口径56cm砲という、『RSBC』世界において実戦化された艦載砲の中では最大の巨砲である。これを3連装4基計12門、艦橋構造物の前後に砲塔を2基づつ配置する。

主砲の最大射程は5万m以上。また、半自動装填システムが採用されているため、装填時間は23秒と大和級より短縮されている。

このほか、新型の12.7cm連装両用砲や高角砲、対空噴進砲などの防御火器も船体各所に備え、その総数は50基近くに及ぶ。

装甲面では、自身の主砲と同等の56cm砲に加えて、近い将来に実戦配備されることが予測された対艦誘導弾にも耐えうることが想定されており、最も分厚い艦橋付け根の司令塔部の装甲厚は1,800mmに達している。


なお、ドイツの諜報機関に対しては主砲51cm砲3連装3基、速力27ノットという欺瞞情報が流されており、実際に「播磨」と接触・交戦したニューヨーク沖海戦の時点まで、ドイツ側はこの情報を信じていた。


艦歴編集

第二次世界大戦における対独宣戦布告が目前に迫る中、対独戦を睨んで1939年に開始された艦隊拡張計画「九九九艦隊計画」において計画された9隻の新造戦艦のうち、最終クラス3隻の1番艦として建造が決定された。仮称艦名は「七号艦」。

なお、予算の一部は九九九艦隊計画における旧式戦艦の改装用と偽装して取得されている。


1942年には基礎設計が完成し、基本性能が決定された。その後も設計作業は継続され、検討された設計案は最終的には約200種類に上っている。

建造は新設された九州・大神海軍工廠の30万tドックにて行われたが、同ドックは1943年の時点で未完成だったため、建造開始はそれより後となる。

1947年10月の時点では完成まで1年以内というところまで作業が進んでいたが、1948年12月の時点ではまだ就役には至っていない。なお、この間の1948年5月に第三次大戦が勃発している。


なお、この時期に播磨級の存在を察知したドイツ側は、これに対抗すべく49口径53cm砲連装4基8門を備えたH45級戦艦の建造計画を開始している。主砲口径などが播磨級よりも劣るのは、前述した欺瞞情報の効果と思われる。


就役後は「日本海軍最強の戦艦戦隊」である第一戦隊に配属され、1950年12月からはグアンタナモを母港としつつ、日英米枢軸軍の航空基地があるアイスランドへの物資輸送を担うレイキャヴィク護送船団(SY船団)の間接護衛隊の一翼を担っていた。その任務は、艦載機を用いて船団にエアカバーを提供する空母機動部隊の護衛である。

この時点での艦長は寺内少将。


同年12月26日、グアンタナモからレイキャヴィクへ向かうSY-3B船団の針路上に暴風雨が生じることを察知したドイツ海軍は、枢軸側の空母艦載機が運用不能になると判断し、第三次大戦の緒戦でドイツに占領されたノーフォークを母港とする北米艦隊の水上艦による船団襲撃を決行する。

この襲撃には、旗艦を務めるH45級の1番艦「フォン・ヒンデンブルグ」をはじめとして、改正Z計画で新造された戦艦3隻、巡洋戦艦1隻が参加。一方の枢軸軍は、北米艦隊の戦艦群を迎え撃てるのは直接護衛隊として船団に随伴していた旧式戦艦「長門」と「プリンス・オブ・ウェールズ」の2隻のみ、という状況に陥った。

これを受け、第一戦隊の「播磨」と僚艦の紀伊級「紀伊」「尾張」は、重巡以下の他艦を伴い機動部隊の護衛から一時離れ、予測されるバミューダ諸島西南の戦闘海域へと急行しつつあった。後に「ニューヨーク沖海戦」と名付けられる戦いの開幕である。


12月27日の払暁、船団を逃がすべく15分ほど先に戦端を開いていた直接護衛隊の戦艦2隻はすでに満身創痍、紀伊級2隻などは速力差によって遅れを取ったため、戦闘海域に到着した「播磨」は一時単艦で北米艦隊の戦艦群と殴り合うこととなった。

15分ほど続いた「播磨」と北米艦隊との砲戦の中で「播磨」は16発の命中弾を受け、艦首甲板、煙突、右舷防御火器群などが破壊される損害を被るも、敵旗艦「ヒンデンブルグ」に対して11発の命中弾を与え、第1、第2砲塔を破壊するとともに大量の浸水を発生させている。

直後に、追いついてきた後続の「紀伊」「尾張」などが戦闘に加入したことで戦局は枢軸側有利に傾き、他の残存艦をノーフォークへ撤退させるべく、砲戦能力を失いながらも殿軍を務めた「ヒンデンブルグ」の轟沈をもって海戦は終結した。


翌1951年の3月7日には、史上最後の水上戦艦同士の戦闘となったベルファスト沖海戦が発生しているが、ニューヨーク沖海戦で機関周りなどに負った損傷を修復する必要があったためか「播磨」はこの海戦には参加していない。

その後はドイツ本土への艦砲射撃などに従事している。


1952年に「休戦」という形で第三次大戦が終結した後は、「播磨」は予備艦化と現役復帰を何度か繰り返すこととなった。1990年に勃発した日独間の第四次世界大戦にも、4度目の現役復帰を果たして参加している。

また、ニューヨーク沖海戦を描いた映画『戦艦〈ヒンデンブルグ〉を撃沈せよ』の撮影にも使用され、ニューヨーク沖海戦当時の姿を演じている。

第四次大戦後にはついに退役し、その後は記念艦として余生を送っている。


同型艦として「能登」と「美濃」が建造される予定だったが、空母や護衛艦艇へリソースを集中させるため、1945年2月7日に発令された九九九艦隊計画の変更に伴い2隻とも計画が中止されている。

また、50口径61cm砲装備の「試製T砲搭載艦」や50口径66cm砲装備の「試製S砲搭載艦」といった「超播磨級」と呼ばれる後継艦の計画も存在したが、これも九九九艦隊計画改定によって研究開発が中止され、主砲の試作品が製造されたのみに終わっている。


登場エピソード編集

七式中戦車などとともに『RSBC』を代表する架空兵器の一角を占めるにもかかわらず、本編では数回ほど存在が言及されるのみで、主役を張ったのはニューヨーク沖海戦を描いた外伝短編『戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期』のみ。

その他は同じく外伝の『新戦艦建造に関する往復書簡』や『九九九艦隊計画概論』で建造の顛末について触れられるなど、外伝や関連作品で断片的な設定が示される程度となっている。

これは、本編が「播磨」実戦参加の時点に達する前に続刊の刊行が止まってしまったため。播磨を主題に据えた長編『戦艦播磨の生涯』の執筆も予告されてはいたが、予告から17年経っても刊行されることのないまま、作者が死去してしまっている。


その他の佐藤大輔作品における「播磨」編集

ボードゲーム版『RSBC』編集

「播磨」という戦艦が登場した最初の作品。佐藤はシステムデザイナーとして参加している。

同作は1948年から1950年にかけてインド亜大陸付近を主戦場とした日英対独の第三次大戦を舞台としているが、「播磨」はこの大戦には間に合っていない(ユニットとしてのみ存在)。続編『リターン トゥ ヨーロッパ』にて描かれた、1954年に欧州で勃発した第四次世界大戦にてはじめて実戦参加し、ローマ砲撃などを行っている。

竣工当初は排水量10万t級、主砲56cm砲3連装2基6門というスペックだったが、第三次大戦終結後に砲戦力を強化すべく改装がなされ、延長された艦尾に56cm3連装砲塔を1基追加。これによって排水量は15万4,000tにまで増加している。改装後の速力は32.1ノット。

また、第三次大戦時には同型艦1隻(予定艦名は「土佐」あるいは「安芸」)が起工されたものの間もなく建造が中止されており、同型艦のための資材は「播磨」の改装に転用されている。


『目標、砲戦距離四万!』編集

同作に収録された短編『もしも超大和級戦艦が建造されていたら!?』に登場。

1938年の東京海軍軍縮条約によって戦艦以外の艦艇の隻数が制限された、という世界において、日英対独という構図になった第二次大戦の中で、ドイツが計画したH44級戦艦を仮想敵として計画が開始されたが、H44が実現可能性の低いペーパープランであることが判明したため作業はスローダウン。そのため第二次大戦には間に合わなかったが、怪我の功名として降伏したドイツからもたらされた新技術を盛り込むことが可能となった。

こちらも、大和級の船体を流用したが故の紀伊級の不満点を解消する形で設計されており、船体規模は全長340m、基準排水量11万5,000tに達している。ドイツ由来の技術を用いたディーゼル/ガスタービン機関も採用され、機関出力38万馬力、速力34ノットを発揮できる。主砲は50口径51cm砲3連装3基9門で、最大射程は4万8,000mに及ぶ。

初陣は1946年、フィリピン独立を巡り日英と米の間で勃発した南シナ海海戦に聯合艦隊旗艦として参加し、指揮下の戦艦7隻および英東洋艦隊とともに米太平洋艦隊を壊滅させている。その後も1968年の越南紛争、1991年の湾岸戦争などを戦い、1995年時点では予備艦として未だ健在である。

また、同型艦として「肥前」の建造が計画されていたが、こちらは中止されている。


『信長伝』編集

織田信長によって日本統一を果たした織田家をルーツとする「日本皇国」の水軍が建造・運用した艦艇。2代に渡って襲名されている。

初代「播磨」は19世紀初頭に建造された「カターナ」と呼ばれる大型高速の帆走戦艦であり、全長約80m、排水量4,500t強。総数140門に及ぶ砲と甲鉄で鎧われた船体、無数のマストが作り出す高速力を強みとし、当時としてはもっとも強力な軍艦と評されている。

皇国水軍大西洋艦隊旗艦として、第二次日英戦争などで活躍したという。

2代目「播磨」は1920年代に建造された巨砲戦艦だが、こちらの詳細は不明。

なお、『RSBC』の「播磨」に相当するような「超々々弩級戦艦」と呼べる存在としては、1930年代から1940年代にかけての大西洋戦争時に皇国水軍旗艦を務めた戦艦「上総」があり、こちらは常備排水量30万トン強、主砲50口径66cm砲3連装4基12門を備えた巨艦である。


余談編集

史実においては日本海軍の艦級は「○○型」とするのが一般的だが、『RSBC』を含む佐藤大輔作品では一貫して「○○級」という表記が用いられている(本項もそれに倣っている)。そのため「播磨」と表記するのは誤り。


その他の佐藤大輔作品における「超大和級(紀伊級)を越える最後の戦艦」としては、『侵攻作戦パシフィック・ストーム』に登場する近江級戦艦「近江」「駿河」がある。

こちらは日英と独の間で1946年まで戦われた第二次大戦中に建造が進められた艦で、日米間の太平洋戦争前夜の1953年の時点では「駿河」が聯合艦隊旗艦を務めている。

全長約300m、基準排水量15万t以上、最大速力約30ノット。主砲塔は50口径51cm砲4連装2基、同2連装2基の計12門を備える。なお、同作世界における大和級は史実とは完全に別物の高速戦艦として完成しており(外観は史実における設計案A-140A2やB2が比較的近い)、近江級の艦容もそれを踏襲していると思われる。


過去に「56cm砲戦艦たる播磨」の計画が実際に存在した、という情報がネットの海に流れ出したことがある。

素粒子物理学者の田中万博氏が自身のホームページに記した「あなたは戦艦「播磨」を知っていますか?」「戦艦「播磨」外伝」という文書がそれで、軍関係の技術者だった父が私的に保管していた「播磨」なる戦艦の設計資料を見た記憶がある、という内容のもの。

この「播磨」は全長約400m、基準排水量12万tで、3基の56cm3連装主砲塔をネルソン級戦艦のように前甲板に集中配置するとともに、巡洋戦艦的に装甲を控え目にして排水量を抑制することが図られていたという。

2番艦の計画も存在し、艦名は「三笠」となる予定だったとされる。

ただし、エビデンスとなる資料は田中氏の手元にも現存しないとされ、他に信頼できる情報源も存在しないことから信憑性は低いと見なされたようで、件のサイトも消滅した2022年現在では顧みられること自体が極めて稀である。

未確認生物ならぬ未確認戦艦と言ったところだろうか。

また、渓由葵夫氏による書籍『奇想天外兵器2』でも「51cm砲を搭載した13万t戦艦」として「播磨」なる戦艦の計画の名が挙げられているが、こちらもソースは不明で信憑性に欠けると見なされている。


関連タグ編集

レッドサン_ブラッククロス 佐藤大輔

戦艦 大艦巨砲主義 男のロマン


ハリマ - ゲーム『鋼鉄の咆哮』シリーズに登場する架空の超巨大双胴戦艦。主砲口径こそ『RSBC』の「播磨」には劣るが砲数では勝り、大艦巨砲主義の権化のような存在である点は共通している。


氷室の天地 - 佐藤大輔作品などの仮想戦記ネタが時折盛り込まれており、1コマだけ「播磨」の姿が描かれたことがある。

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