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文阿

あやあ

文阿(あやあ)とは、東方Projectに登場する射命丸文と稗田阿求、または文と「御阿礼の子」による二次創作カップリングである。
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概要

東方Projectに登場する射命丸文稗田阿求の二名を主としたのカップリング。
文は『東方花映塚』、阿求は『幺樂団の歴史』に初登場した。

阿求はその著作である「幻想郷縁起」(『東方求聞史紀』)において文についても記しており、一方の文は阿求誕生の折に自身の発刊する新聞である「文々。新聞」において記事を執筆している。
二人はそれぞれの形で、第三者に向けて記した記述において互いの事を文字にしている。

東方鈴奈庵』では文と阿求が対面し言葉を交わすなど、二人個別の様子もまた語られている。

「御阿礼の子」と「文阿」

本カップリングは主に文と阿求の二名によるものが多いが、一方で阿求側については「阿求」の個人に限定されるものではない。

阿求は「御阿礼の子」として転生を重ねてきた人物であり、歴代の「御阿礼の子」はその名前に「」の名前をもつ。例えば「 初代御阿礼の子 」(文々。新聞、『求聞史紀』)である「稗田阿一」をはじめ、阿求の一つ前の代である「稗田阿弥」などである。
即ち「文阿」はそのカップリングメンバーとして阿求だけでなく歴代の「御阿礼の子」との関係性もその想定に含んでいるのである。

「御阿礼の子」は得てして短命であり転生に際しても100年単位で時間をおく宿命にあるが、一方の文は妖怪(天狗)として長い時間を生きる長命な存在である。御阿礼の子は転生に際してその記憶の多くを失い、御阿礼の子に限らず「記憶」もまた一定周期で一巡するという例えも示されている(『花映塚』他)ものの、文は『東方三月精』や『東方儚月抄』での複数のシーンをはじめ古い記憶もその心にとどめている他自身も新聞執筆を通して記録を著すものでもあるため、その記憶性については一般的なものとは個別した文ならではの要素をもっている。

「文阿」とは、長命な個人としての「文」と、今日では幻想郷で転生を重ねて文と再びめぐり合う「阿」(御阿礼の子)という二名の結びつきを想像するものであり、そのカップリング名にすでに「御阿礼の子」の歴史と文との出会いという奥深い歴史が表現されているのである。

執筆者として

文と阿求(あるいは御阿礼の子)は共に世界に関する何かを書き記し、誰かに伝えるという役目を備えている。文においては自身が取材し、執筆、発刊する新聞である「文々。新聞」であり、阿求においては御阿礼の子の使命でもあった「幻想郷縁起」である。

いずれも今日では幻想郷に住まう存在やそこでの出来事を、それぞれの言葉と方法とを通して多数の誰かに伝えるために生み出される。
ただし文と阿求の種族的観点や取材スタイル、あるいは互いの刊行物のコンセプトなどの違いからその内容には個別の個性があり、個々のリアルを(出来る限り)迅速に伝える文々。新聞と、図鑑・事典的な幻想郷縁起では発行されるスピードも異なる様である。

この他メタ的な視点に立つとき、文と阿求の執筆物(及びその取材過程などを含めた周辺記録)はいずれも東方Projectの書籍作品の一つの作品そのものともなっている。
文については『東方文花帖』であり、阿求においては『求聞史紀』及び『東方求聞口授』中の対談記録や個別人物記事をはじめとした「幻想郷縁起」の機能を持った部分である。

「幻想郷縁起」の記述

阿求は「幻想郷縁起」にて、文についてその姿をはじめ見かける際の様子、行動の志向性、所持品まで細やかに記録している。例えば「 人間と大差ない 」外見特徴やその一方で飛行時やシャッタースピードにみる素早さ、あるいは所持品を通しては天狗としての特徴の団扇や、他方、所持品の「文花帖」にみる「 天狗らしからぬ 」という「 意外と可愛い文字 」などその隠れたパーソナリティも読者に伝えている。

文は取材に際して情報価値を見出せば人間妖怪問わず取材を敢行している様子であり、阿求は文についてその情報の伝播力もあってか情報という視点において敵対すれば恐ろしいが味方であれば「 力強いことこの上ない 」としている。
阿求は文について天狗としての強さに加えて文々。新聞を通した日常的な場面を含めた情報戦における強さも特筆しているのである。
「幻想郷縁起」における人間向けの重要な機能の一つである「妖怪の対策」という視点に立つとき、阿求が文について推奨する対策は、「敵対せず、味方につける事」である。

なお、阿求は『求聞口授』での対談において天狗の歴史と今日の幻想郷における天狗、引いては天狗を通した幻想郷の姿を書記の立場から記録している。

昔の妖怪は人間の想像に影響されて姿を変え、今の妖怪は独自に進化した、という事か?
霧雨魔理沙、『求聞口授』)

「幻想郷縁起」では文々。新聞についても阿求の視点から見た評が語られており、曰く「 主に幻想郷の女の子たちが起こす不思議な事件を記事にする 」新聞である。人間も「 購読 」が可能であるが、発行の不定期さや記事量の少なさから阿求は「 情報収集には余り役に立たない 」としている。また、「購読」でなくとも「 号外 」については「 山の様に 」ばらまかれるらしく、阿求の元にも号外が溜まっている様子。

一方でこの新聞の楽しみ方について触れており、それによれば「文々。新聞」は世の中の様々な出来事を知り、理解するための中核的な情報ソースとしてよりも、のんびりとした「 アンニュイな午後 」のための潤滑役として重宝するようである。
新聞が手に取られる場所としても「 カフェー 」などのシーンが紹介されている。

「文々。新聞」の記述

第百九季 文月の一刷の文々。新聞にて文が「新たな阿礼乙女誕生」として阿求について執筆している。
同紙面では「御阿礼の子」についてその歴史と特有する能力等について記しており、「幻想郷縁起」にも触れている。当然のことながらここで文が想定した「幻想郷縁起」は、阿求が今の幻想郷の風土を体験し、その想いのもとで今日的なアレンジを加える前の従来の「幻想郷縁起」である。
一方で阿求によるもの以前から「幻想郷縁起」が「 只の面白い妖怪読み物 」と次第に変化してきた経緯についても記述し、文は今代の「御阿礼の子」である阿求の「幻想郷縁起」を楽しみにする旨も綴っている。

同紙は阿求自身も「幻想郷縁起」に資料として記念に付録している。
ただし阿求によれば例によってその記述には誤りもある様子。

それでも同紙面は互いの執筆者としての側面を通して互いの存在性に触れるものでもあり、共に書を通して他者に何かを伝え、記録する者たちならではの交流ともいえるだろう。

「文々春新報」の記述

先の文々。新聞とはまた別に、文は雑誌の制作にも挑戦する。
それは「文々春新報」として結実するが、その創刊号はさまざまな理由から発行見合わせとなっている(『東方文果真報』)。
見合わせとはなったものの見本誌までは出来上がっており、それによれば同誌面では「 稗田寺子屋 」が広告を出しており、この広告に上白沢慧音とともに阿求がその姿を見せている。
文章によるメディアを展開してきた文の渾身の雑誌創刊号に、「 幻想郷の書記 」でもある阿求もまた参加するという構図も見られている。

また本作中では文と阿求はもう一つのつながり方をみている。
それは創刊号発刊中止に至る文の述懐を記した「顛末」の部分にみられるもので、ここで文は阿求をフルネームを呼びかけているが、同時に阿求のもう一つの活動にも言及しており、これは幻想郷住民にとっては一種のネタバレのような事態ともなり得るものである。少なくとも『鈴奈庵』の時点では大きな秘密である。
「文々春新報」創刊号は「顛末」の部分含め公開されることはなかったが、もし公開されていたならば、この阿求にまつわる一文を通して人間の里に驚きを与えていたことだろう。
阿求にとってもまたもう一つの活動として顔を分ける意味があるものなので、阿求もまた困惑することとなっていたかもしれない。

直接の交流

先述の「文々春新報」以後の時間である『鈴奈庵』のエピソードでは人間の里で取材する変装姿の文と阿求が直接対面している。これは二人が作中で対面した初めての明確な描写である。

当時は阿求の友人である本居小鈴が行方知れずとなっていた。
阿求は小鈴の性格もあって失踪前から小鈴の様子を心配しており、折に触れて注意したり警告したりなどもしていた。一方の文もまた小鈴とは個人的な縁もあり、文々。新聞の「 人間の里版 」の発行を鈴奈庵に発注するなど仕事での縁もまたあったため、小鈴について自身の足で情報を集めたり文々。新聞人間の里版でも情報提供を呼びかけたりしていた。

そんな折に文と阿求は人間の里の中で対面し、そしてこの場面で文が小鈴失踪の件の取材を阿求に願い出る。阿求は語ることができることはないとしつつも、文がもつ情報を期待し、「 意見交換 」という形で文を稗田邸に招いた。
この際の阿求からの提案に文はいつもの口八丁な様子で返しており、その露骨な社交辞令ともとれる様に阿求は渋い顔をしつつ文について「 まさに口から生まれたような天狗ね 」と評している。

二人は小鈴について情報交換しつつも時には人間と妖怪という立場の違いもまた垣間見えるやりとりもしており、先述のような文と阿求という、スタイルこそ違えどもそれぞれが情報を取り扱う者同士の会話もまた各々の視点から見る世界も通しつつ垣間見られている。

小鈴の行方について互いに効果的な情報を見出すことはできなかったが、ここで阿求は同日夜に開催される博麗神社の花見について文に語る。阿求が「 名指し 」かつ博麗神社側からのたっての希望で招待されている特殊な事態であることを語り、文は当初こそこの意図の不明な提案を呑み込めないでいたが、阿求が同伴者としてあえて文を指名していることを受け、これを了承した。

私は 貴方が今夜の花見を見る必要があると思っているのです
  (阿求、文に対して。『鈴奈庵』)

幻想郷最速の私が 責任をもって貴方を神社に運びましょう
  (文、阿求に対して。『鈴奈庵』)

そして阿求と文はその花見で共に意外な場面に遭遇することとなる。

この一連の『鈴奈庵』での際の呼びかけ方は互いに「 貴方 」を主に、この他では阿求からは「 天狗の新聞記者 」(「新聞記者」の部分には「 ブンや 」のルビ)や単に「 天狗 」などの呼びかけ方が見られ、文からは「 幻想郷の書記である貴方 」や作中の初対面時などは「 稗田の 」などの呼びかけ方などが見られている。

また二人とも互いの姿を見てすぐに相手が誰であるかを認識しており、先述のような各作品の行間部分に見るこれ以前の二人の接触なりの様子も見て取れるものとなっている。
さらに文が阿求の身体について言及する場面もあり、阿求が変装してもなお文を認識し、加えて文の記者や天狗としての各々の側面も知っているのと同様に、対面した場面でも互いについての理解をベースとした会話も展開されている。

その他の関連

活動範囲・人間関係

阿求の住まう人間の里は今日では多様な妖怪が顔を出す場所ともなっており、阿求も「幻想郷縁起」の妖怪個別の記事において、複数の妖怪たちの人間の里での様子を実際に触れ合った人々からの取材を通して記録している。
文本人については先述の通り『鈴奈庵』において変装した姿ながら人間の里の中へと取材のために訪れており、阿求の友人である小鈴とも特別な接触を持った。以後も新聞の仕事も絡んだ小鈴との縁は続いている。さらに小鈴が妖怪の何たるかを問うようになった際には阿求は注意も込めつつ人間側の視点から幻想郷のシステムを小鈴に語り、文は天狗を通した妖怪の在り方というものを小鈴に語ったり身をもって示したりしている。小鈴もまた文と阿求の共通の友人・知人である。

人里以外の接点としては、『儚月抄』において紅魔館でパーティが開かれた際に文と阿求の両名ともここに参加している。

賣太神社

文と阿求の両者の起源(あるいは元ネタといえるもの)の両者に関連するものとして、実際の奈良県にある賣太神社(めたじんじゃ)がある。

賣太神社は稗田阿礼を主祭神とし、天鈿女命(アメノウズメ)、猿田彦命(サルタヒコ)を副祭神として祀っている。同神社は今日でも稗田氏の氏神でもある。

天狗はその存在性の造形に猿田彦との関連を持つ流れもあり、東方Projectにおける天狗においてもその存在が天狗と同一視されたことで天狗らがこれを「 真似 」している(『求聞口授』)。
一方の阿礼について、東方Projectにおける稗田阿礼は阿求を含む御阿礼の子の魂の転生の原点である。
同神社には阿求と文に連なる両者がその神格として祀られているのである。

猿田彦とともに祀られている天鈿女命(アメノウズメ)は天孫降臨の際には猿田彦に相対するなど共にエピソードに関連し、説によっては両者は後に婚姻を結んだともされる。
この二人は「稗田氏」の祖(氏族の一つである「猿女君」に繋がる)ともされている。
加えて猿田彦、天鈿女命の両者とも稗田阿礼が編纂に携わった古事記にその登場がある。

稗田阿礼は日本の至る過去を神話性を含めつつ未来につなげた人物の一人であり、猿田彦は神話において次の時代を繋ぐ神格を当該の地まで導いた。
文と阿求は今日では文章を通して他者を新たな見地に導く者たちであるが、互いの背景にも誰かを導くという要素を備えているのである。

文については自身のスペルカードにおいて<岐符「サルタクロス」>や<突風「猿田彦の先導」>をはじめ猿田彦に関わる<塞符「天孫降臨」>や<竜巻「天孫降臨の道しるべ」>といった要素を通しても天狗と猿田彦との関連を表現している。

二次創作では

二次創作では、先述のように「文阿」のカップリングメンバーが複数であることから、創作のアプローチも多様である。例えば文と阿求の二人に焦点を当てるものもあれば、文と阿求以外の御阿礼の子を考察するもの、あるいは文と阿求を含めたすべての御阿礼の子との交流を想像するものなどがある。

「御阿礼の子」との出会いと別れを経た文という視点では、例えば先述の第百九季 文月の一刷の文々。新聞を文がどのような想いで執筆したのか、というシーンなどが「御阿礼の子」と「阿求」を共に抱く「文阿」のあり方の一つとして象徴的に描かれる事もある。
先述のように御阿礼の子は短命であり、転生があるとはいえ先の記憶の大部分を失うとあって、文と「御阿礼の子」との出会いには多数のすれちがいが生まれ得るのである。

この他コミカルなものとしては「文々。新聞」と「幻想郷縁起」でのドタバタ的な情報戦を繰り広げる「文阿」や日常場面として互いに取材という枠にとらわれないゆったりとした時間を共に過ごす「文阿」など、二人または文と御阿礼の子全てにまつわる様々なストーリーが想像されている。

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取材



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