概要
大場つぐみ氏が連載していた漫画「DEATHNOTE」のアニメ版最終回のサブタイトル。
デスノートにおけるネタ回として親しまれており、バカヤロイドや粉バナナもここから発祥した。
関連タグ
月「1人目の名前を書いてから...何秒ですか?」
魅上「35...
36...
37...
38...
39...!!!」
魅上「40!!!!」
真の概要
アニメ版「DEATH NOTE」の最終話であり、キラ事件に終止符を打つ重要なエピソードである。
Aパート
会合場所である「YB倉庫」で魅上照がデスノートに月以外のその場に居る全員の名前を執筆、そして月はニアに勝ちを宣言した。
…ところが、誰一人として心臓麻痺で死ぬことは無かった。
ニアは知ったかのようなそぶりを見せ、魅上や月は困惑する。
魅上は月に指示を受けようとするも、ニアがレスターとジェバンニに魅上の身柄を捕縛するよう命令する。
ニアは「ジェバンニがその際に落としたノートを回収し、ニアの手に渡る→ノートを開き、そこに書かれている文字をSPKキラ対策本部の全員に見せる」というプロセスで、名前がなく魅上からの口振りからも夜神月をKIRAと看破することに成功したのである。
だが、月はこれを認めようとはせず誤魔化すように叫び出す。
「罠だ...!!!これは罠だ!ニアが僕を陥れるために仕組んだ罠だ!!ノートに名前を書いても死なないというは、おかしいじゃないか!?それが罠である証拠!!!」
しかし、ニアは「月の発言からは考えられないような破綻した理論である」と論破。
遂には「そんな奴は知らない!」と魅上も見限るような言動を見せ、泣き出す始末。
相沢も月がKIRAだと断定し、こう言った。
「月君...もう遅い。ニアの勝ちだ。さっき君は...『僕の勝ちだ』と言った...あれは自白したのと同じだ。」
松田も膝から崩れ落ち、落胆する。
そして模木が手錠を取り出し、月を逮捕しようとするが…。
「や、やめろ!!」
それでも月は抵抗し、途中で転びながらも近くの壁まで逃げ込む。
その姿は神と名乗る人物とは到底思えない醜態であった。
そんな姿を見たニアは改めて月に敗北宣言をする。
「夜神月…。L、キラ…あなたがキラです」
そして、月は高笑いし遂に…。
「そうだ...僕がキラだ。」
DEATH NOTE
How to USE it
All humans will, without exception eventually die
人間は、いつか必ず死ぬ。
Bパート
DEATH NOTE
How to USE it
After they die, the place they go is MU
死んだ後にいくところは、無である。
月は自分が「キラ」だと自白し、松田らは唖然とした中で自らが神・正義だと信じて疑わなかった。
しかし、それでも世界は腐ったままで、ノートを手にした時から世の中の腐った人間達を殺すことは罪だとしてもそれでしか正せないことを悟り、使命だと伝えた。
「他の者に出来たか!?ここまでやれたか!?この先出来るか!?そうだ...新世界を作れるのは、僕しかいない。」
ニアは月の自己弁護と御託を全否定。彼を「殺人兵器(デスノート)を用い続けた結果、死神やノートの力に負け自らを神と勘違いした殺人犯」と断言した。
(言っても分らぬ馬鹿ばかり...)
月はニアの正論を全て無視し、自らが持つノートを本物かどうか確かめるため腕時計に仕込んだノートの切れ端を出し書こうとしたその瞬間...
松田が月の右手に向かって銃撃、右手の手首の機能を失わせた。
「馬鹿野郎!!松田!!誰を撃ってる!!!ふざけるなぁぁぁぁぁ!!!!!」
負傷した月は冷静沈着な面影を一切見せず、今までにないほど激昂する。
自己中心的な言動にさしもの松田も憤り、自らの局長であり父である夜神総一郎の労力は一体何なのかを問い詰める。
月は父親を見捨てており「ああいうクソ真面目で真っ直ぐな人間が損をするんだ!そんな世の中で良いのか!?」と答え、松田に他の仲間を撃つことを命令。
当然、松田の怒りはさらに高まり尊敬していた局長の死を冒涜されたことで涙しながら月に向けて銃口を向ける。
「父親を死に追いやって...馬鹿を見たで済ませるのか!?」
それでも月はノートの切れ端で書くことを諦めなかった。
その瞬間、松田は相沢の声が届かない程の判断力を見せ月に4発銃撃した。
松田は崩れ落ちた月に近づき…。
「殺す...こいつは殺さないと、駄目だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
伊出「松田!!」
至近距離で松田が月の脳天に向かって銃口を向け、月に止めを……
刺せなかった。
怒り心頭の松田は咄嗟の行動で冷静な判断を下していた相沢達によって抑えられ、月の脳天すぐ近くに穴が空いた。
「クソ...なんだ...これは...!」
それでも月は立ち上がる。キラを敵に回す相手を殺すまでは。
「…み、魅上!何してる!書け!こいつらを…殺せ!!」
松田が自らの命令に従わないことに痺れを切らし、魅上に皆殺しを懇願。
しかし、魅上はその場から一歩も動けず呆然と立ちすくんでいた。
こうして月は瀕死の状態でこの場から立ち上がれず泣き倒れていた。
レスター「ニア...終わりましたね」
ニア「はい」
同じキラの同志に助けを求めるも、海砂はデスノートの記憶を失っているし、高田は当の月が既に殺害している。
虚しく響いた声だけが残り、月はただ1人泣いた。
こうして、長きに渡るキラ事件は静かに幕を下ろした。
月「……だ、誰か…一体、どうすれば………」
魅上「うわあああああああああああああああああああああああ!!!!あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
しかしこの事件終了直後、突然魅上が持っていたペンを心臓に突き刺し、自殺したのである。
相沢達やSPKメンバーが魅上の自殺に気を取られているこの隙に月は倉庫から逃走。
怒りで我を忘れていた先程の錯乱状態から一転して半ば放心状態になっていた松田は魅上の自殺に一人無関心だったが、月が逃走する姿を目の当たりにすると正気を取り戻し月を呼び止めようとする。
松田「月君っ!」
相沢「…!月君、待て!」
松田たちは月をキラとしてではなく、キラ事件の一員として呼び止めようとするもニアに引き止められる。
ニア「ミスター相沢!ノートはもう隠し持ってはいないでしょうし、あの傷では、どうせ遠くには行けない…。放っておいてもいずれ動きが止まります」
しかしキラ事件に関わった人たちはニアの指図は受けないと反対し、ニアもそれを承諾。松田らは月を追いかけていったのであった。
エピローグ
苦痛の中、月はどこかへと向かっていた。
もしもあの時、キラになっていなければ?
もしもあの時、人を裁いてたりしなかったら?
もしもあの時、ノートを拾っていなければ?
デスノートを拾ったあの日から、月の人生は狂っていっていた。
彼は後悔の念を抱き、全てから逃げるために走り続けていた。
どんなに後悔したところで、過ぎ去った過去には戻れない。一度犯した罪は二度と消えない。
その時、一人どこかへ逃げゆく月はノートを拾う前の自分の幻影を見る。
そして建物の上から逃げゆく月の姿を眺めるリュークは…。
「お前の負けだ、ライト。最初に言ったよな?お前が死んだとき、俺がお前の名前を俺のノートに書くことになると。これは、ノートを人間界に持ち込んだ死神と、そのノートを最初に手にした人間との間に出来る掟だ。牢獄に入れられたんじゃいつ死ぬかわからない。待っているのも面倒だ。もうお前は終わりだ、...ここで死ね」
「結構長い間、互いの退屈しのぎになったじゃないか。色々...面白かったぜ」
リュークは自分のデスノートに「夜神月」と執筆し、月はそのまま心臓麻痺によって死ぬことになる。
その頃、黒いゴスロリドレスに身を包んだ海砂は誰もいない電車に乗り、一人どこかへ向かっていた。
デスノートに関する一切の記憶は失いながらも、月への愛情を失っていない彼女はどこかで月の死を悟ったのか、たどり着いたとあるビルの屋上で柵の向こう側に一人佇んでいた。
同じ頃、壮絶な最期を迎えた魅上は変わり果てた遺体となってその場に放置されていた。
とある廃工場へと到達した月は自分の命が尽きる直前にLの幻影を見届け、目をゆっくりと閉じ静かに眠りにつくように息を引き取る。
かくして、自らを神と偽った男の生涯はここに幕を閉じた。
彼の死後、その晩は青い夜空に綺麗な三日月が映えていた。
落ち果てた犯罪者だったのは事実だとしても、司法の限界や不完全さによって救われなかった者達にとっての救いと正義ーー彼らにとっては紛れもなく夜神月という存在は『新世界の神』ではあったと言外に示すかの様に。