作品情報
作者 | ゆうきまさみ |
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フォーマット | 青年漫画 |
ジャンル | 歴史漫画(室町時代~戦国時代) |
出版社 | 小学館 |
連載誌 | 月刊!スピリッツ、週刊ビッグコミックスピリッツ |
連載時期 | 2018年1月 - (現行誌では2020年1月 - ) |
単行本既刊 | 16巻 |
連載状況 | 連載中 |
概要
後世に「北条早雲」と呼ばれた、後北条家の祖・伊勢新九郎盛時を主人公とした時代劇漫画。
2018年1月27日、『月刊!スピリッツ』(小学館)で連載開始。2018年3月号から2019年12月号まで連載された。
2020年1月11日、『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)へ移籍。隔週連載中。
かつての通説とされた「一介の素浪人である謎の成り上がり・下剋上武将としての伝説上の早雲」では無く、「最新の研究を反映した、室町期の中央政界で活躍した名門士族・伊勢氏一門出身の幕府官僚・伊勢盛時」としての姿を描いており、応仁の乱前後の混乱した京都の街・政界の様子も詳しく描かれるのが特徴。
当時政所執事として活躍した伊勢貞親・伊勢貞宗父子が新九郎の伯父・従兄として登場する他、新九郎盛時の領地であった備中国荏原での領地経営の様子など、華々しい戦以上に幕政下での新九郎の暮らしぶりが濃く描かれている。
なお、新九郎の設定は戦後最新研究を基本にしているものの、作中の生母は「北条五代記」に沿った横井掃部助(執権北条家の伝承上の末裔)の娘・浅茅とされており(父・盛定の側室という設定)、更に盛定が実父として主流になる前の異説で父親説のあった伊勢貞藤(貞親の弟)が浅茅を後室として娶るなど、他説の一部も取り入れていたりもする。
2024年現在、新九郎盛時が歴史の表舞台に大きく姿を現したとされる今川館の戦い、そして前後して起きる室町幕府将軍家の10代目継承争い(延徳2年(1490年))までが描かれている。1話冒頭にて新九郎の堀越御所討ち入りシーンを描いているが、年代上はこのシーン(明応2年(1493年))に近づきつつある。
また関東情勢上杉顕定、上杉定正や太田道灌らの動向がオリジナルキャラクターでもある「狐」からの情報入手の形で度々描かれており、特に道灌とは直接会ってのやり取りやその最期までが描かれた。今後は両上杉氏らとの交わりも描かれると予想される。
あらすじ
(2024年7月雑誌連載分まで)
室町幕府の官僚・伊勢備前守盛定の子、千代丸は元服して伊勢新九郎盛時となる。同じ頃、関東地方では両上杉氏と古河公方家を中心とした内乱が発生していた。
名門・伊勢氏も文正の政変、応仁の乱と時代の波に翻弄され、兄の死と父の隠居を経て新九郎は伊勢備前守家の家督を相続し、所領の経営や幕府への出仕に奔走する。
そんな中、姉・伊都(北川殿)が嫁いだ駿河国守護大名の今川上総介義忠が戦死して家督争いが発生し、新九郎は姉と甥の龍王丸(今川氏親)のため今川家と関わっていく。その縁から関東方面との関わりも出来、伊豆の堀越公方・足利政知の知己を得る一方、やがて自身の運命を狂わせる政知の子・足利茶々丸とも邂逅する。
今川家の家督争いを収め、やっとのことで京都に戻るも、時の将軍足利義尚の急死に伴う後継者争いが勃発し、否応にも巻き込まれていくが――。