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概要

『日本で一番悪い奴ら』は、北海道警察で巻き起こった警察最大の不祥事である「稲葉事件」をモチーフにしており、実際に主犯格の稲葉圭昭による手記『恥さらし ―北海道警 悪徳刑事の告白―』を原作として、現役警察官による覚せい剤取引や拳銃売買、そして背景にある警察の組織的な裏金作りや不祥事、それに翻弄され没落していく道警刑事を描いている。

主演は、綾野剛。監督は、白石和彌が務めた。

1970年代札幌市を舞台としているが、現在の札幌では昭和の雰囲気が出しづらいためにロケの大半は三重県四日市市桑名市で行われ、現地ロケはすすきのなどの一部で行われたのみである。そのため北海道にはあまり使われない瓦屋根が映らないように配慮して撮影している。

バイオレンスなシーンやエロティクなシーンも多いため、当然R-15指定。

主題歌は、東京スカパラダイスオーケストラの『道なき道、反骨の。』

登場人物

稲葉圭昭をモデルにした主人公。北海道警察の刑事で、機動捜査隊、マル暴、銃器対策課を歴任。裏社会に「S」(Spy、つまり情報提供者)を作れという先輩の教えに従って暴力団員と付き合い、情報提供を依頼することで「道警のエース」と称される敏腕刑事と評価されるようになる。やがて銃器を自らロシアから密輸して点数を稼ぐという摘発の水増し手法を編み出すが、情報料や密輸費用を自らの借金で賄っていたため経済的に逼迫し、麻薬密売に手を染めるようになる。

本業はDJだが、ロシア語が話せることから麻薬の運び屋として黒岩に使われていた。捜査に協力する「S」となったことをきっかけに諸星に心酔し、「オヤジ」と呼んで慕うようになる。

小樽市で中古車販売業に従事するパキスタン人で、実態は盗難車のバイヤー。捜査に協力する「S」として、密入国外国人の手配などを取り仕切る。

すすきのの高級ホステス。若手刑事時代から諸星と親しい関係となるが、まともに恋人としては見てもらえず、金づるとして利用される。

北海道警の婦警。諸星を将来の道警エースと見込んで惹かれていたが、転落につれて興味をなくしてゆく。

北海道警銃器対策課長。諸星の功績を利用して出世してゆく。北海道警裏金事件に関与していたとおぼしき言動を見せる。

北海道警銃器対策課刑事。諸星の上司。諸星の手法を黙認する。

北海道警銃器対策課の新人刑事。後に、諸星のバディとなる。

北海道警銃器対策課次長。諸星の手法に当初は疑問を持っていたが、次第に染まってゆく。

北海道税関の職員。岸谷と同期。銃器対策課と合同の泳がせ捜査に協力する。

山辺と結婚するが、離婚してシングルマザーとなる。

由貴の先輩ホステスで、村井の情婦。

金髪のチンピラ。すすきので名刺を配り歩いていた諸星に麻薬使用者の旭真会構成員(小林且弥)を内通した、最初の「S」。

栗林健司:青木崇高

若手時代の諸星の指導担当であった先輩刑事。諸星の成長後はライバル関係になる。

加賀谷力:木下隆行(TKO)

関東の大物暴力団員。

国吉博和:音尾琢真

警視庁銃器対策室刑事。

村井定夫:ピエール瀧

北海道警刑事。道警きっての敏腕刑事として知られ、裏社会に「S」を作ることを諸星に教えた。暴力団員に女を要求する悪癖があり、黒岩にハメられて淫行で逮捕される。

黒岩勝典:中村獅童

札幌の弱小暴力団・旭真会の幹部。内地から進出してくる暴力団への対抗心から、旭真会を抜けて諸星の最有力の「S」となる。

余談

  • 出演者の1人である音尾氏の父親は稲葉の元同僚であり、彼が俳優として活躍し今作に出演することを知った際には、稲葉は驚いていたという。
  • 矢吹と綾野のベッドシーンに関しては、当初台本には記載されていなかったが、綾野が「俺、したいッス」と提案したため、急遽矢吹本人や矢吹の事務所側と交渉し承諾を貰ったことで実現した。公開当時はそこまで問題視されていなかったものの、2022年頃から性加害報道が頻発したことでメディアに目をつけられ、「監督と主演俳優の一存で女優が蔑ろにされるのか。」といった批判の声が相次ぎ炎上する事態に発展。白石氏が報道を否定しつつも謝罪する事態となった。

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