映画「征戦愛馬譜 暁に祈る」
1940年4月17日封切。製作は松竹大船撮影所。
軍馬に対する認識と関心を高めるために陸軍省馬政課が指導・後援し製作され、ロケは全て中国大陸で実施、エキストラとして実戦部隊を動員する熱の入れようだった。
後述の同名楽曲が主題歌で挿入歌として「愛馬花嫁の唄」があるが、劇中ではそれらの楽曲よりも「愛馬進軍歌」が多く使用されている。
スタッフ
製作担当:大辻梧郎
監督:佐々木康
脚本:斎藤良輔、八木沢武孝
撮影:野村昊
美術:五所福之助
音楽:万城目正
後援:内務省
キャスト
石川真吉:徳大寺伸
真吉の妻・千代:田中絹代
真吉の父・謙作:河村黎吉
冬木清一:夏川大二郎
松田部隊長:佐分利信
唄う兵隊:伊藤久男
千代の母・坂田しげ:葛城文子
しげの娘・志津:汀陽子
文三:坂本武
文三の妻・お時:飯田蝶子
孫作次:横山準
原口上等兵:笠智衆
主題歌「暁に祈る」
上記の映画「暁に祈る」の主題歌。
陸軍省肝いりの映画であったため、主題歌の作成も馬政課員の軍人達が大いに張り切り、作詞の野村俊夫は7回も作り直しを命じられた。その時野村が思わず漏らした「あ~あ」というため息から、この歌の印象的な歌い出しが生まれたという。
歌詞と曲には、故郷に思いを馳せる将兵の思いが描写され、これが大衆の心を打って、当初の目的であった「軍馬PR映画」の枠を超えてレコードは大ヒットを記録した。現在でも当時を知る人々を中心に愛唱されている。
レコードの合計売り上げは約150万枚。
A面 | 暁に祈る |
作詞 | 野村俊夫 |
作曲 | 古関裕而 |
歌唱 | 伊藤久男、コロムビア男声合唱団 |
B面 | 愛馬花嫁 |
作詞 | 西條八十 |
作曲 | 万城目正 |
歌唱 | 松原操、渡辺はま子、菊池章子、コロムビア女声合唱団 |
レコード番号 | 100021 |
発売 | 日本コロムビア |
発売日 | 1940年5月 |
「暁に祈る」を歌唱した伊藤久男も映画に「唄う兵隊」役でゲスト出演している。