「愛は必ず勝つ!」
CV:サエキトモ
『おジャ魔女どれみナ・イ・ショ』の登場人物。登場は第10話。
通称・アンリマー。妹尾あいこの幼馴染にして自称・婚約者である。登場した、たった1話で(ある意味)伝説を作った漢。
※本項目は『おジャ魔女どれみナ・イ・ショ』第10話の盛大なネタバレを含んでいます
概要
あいこをして「とんでもないアホ」と言わしめる思い込みの激しさを持つ少年で、元々あいこの大阪・天下茶屋(小学一年生)時代の同級生だった。
親の事情で北九州へと引っ越す直前、母親に出て行かれたあいこをからかういじめっ子たちからあいこを守ろうとした。
あいこは自分を守ろうとしてくれた健一に対して礼を言うが、健一は女の子から初めてお礼を言われた事で思いっきり舞い上がり、なんとその場でプロポーズしてしまう。
慌てて断るあいこに対して「自分と勝負して自分が勝ったら結婚してくれ」と食い下がり、一旦あいこはソレを受けるも健一が指定した勝負方法が水泳だったため、カナヅチが周囲にバレるのを恐れたあいこは勝負抜き無条件で健一のプロポーズを受けてしまう(ちなみに健一は、あいこのカナヅチを知らない。ゆえに彼に策略や他意は無い)。
あいこ自身は「アンリマーはアホやからすぐ忘れる」と思っての返答であり、実際、健一は直後に引っ越すハメに陥ったため、この関係はそのまま自然消滅するとあいこは思っていた。
……自然消滅しませんでした。
なんと、この「とんでもないアホ」はこの幼い約束を四年間近く律儀に守り通してきた「究極のとんでもないアホ」だったのである。
小学五年で天下茶屋に戻ってきた健一は、そこにあいこがいないのを知り、さらにある事情も重なったために、なんと、着のみ着のままで天下茶屋から美空市まであいこに会うためにやってきやがったのである。
そして「授業乱入→学級崩壊→SOSトリオと意気投合(そしてトリオから師匠と敬われる)」という壮絶な暴走をやらかしてあいこをブチギレさせた。
そして慌てて健一を追い返そうとするあいこの策略を「(本人曰く)愛の力」で次々と突破していく。
さらにMAHO堂の前で待ち伏せし、あいこを見失ったと思ったらあいこパパのタクシーを捕まえて意気投合の後妹尾家に乱入。
のち、あいこパパと酌を酌み交わす姿は、もはや親子の貫録である。
最終的にあいこがプロポーズを受けた本当の理由を知り、改めて水泳勝負を仕切り直す。
この勝負の結果として潔く最初の婚約を破棄して大阪に帰る……のだが、実は帰り際にあいこと「阪神タイガースが優勝したら交際してくれ!」と申し入れていた事が発覚した(そして、この年の冬星野仙一がチーム監督に就任する事となり、あいこは自らの見習い衣装もかくやというレベルで青くなった)。
おジャ魔女たちと
あいこに頼まれて偽婚約者を演じた飛鳥ももこは、健一のあいこへの真剣さを真っ先に認めて自ら場を彼に譲り、あいこに対して「あのコ、ホントにあいちゃんのコトが好きなんだよ」と語り「気持ちは真剣」だと説いた。
健一自身は瀬川おんぷのファンであるが、肝心のおんぷに「あいことの事は諦めていい思い出にするように」と言われると、それを拒否する。
そして、よりにもよって日本中が熱狂する伝説のチャイドルに向かって「おんぷちゃんなんかあいこと比べたら月とスッポンや。もちろんおんぷちゃんがスッポンやで! 」と言い放つ(オヤジーデあたりが聞いていたら激怒していたに違いない…)。
そして肝心のあいこには「あいこは日本一、宇宙一の女」と言い切り「お前のすべてが好きや!」とまで言い放ち、あいこをゆでだこ状態にして絶句させる。
意外な事に春風どれみは彼に対して「アホだけどいいやつ」「婚約者としてはまあまあ」と、かなりの好評価を下しており、あいこに対して「つきあってみれば?」と交際する事を勧めている(他人事だからかもしれないが)。
その後
結局、2003年(あいこたちが中学1年の時。作品時系列的には『ドッカ〜ン!』最終話から1年も経過していない)に星野阪神がセ・リーグ優勝を果たした(『ナ・イ・ショ』は『も〜っと!』と同じ時系列であるため、作内時間は2001年である。これは前述の星野監督就任の表現によって確定している)ため、中学時代にあいこときちんと交際する事になる……が、自らのアホっぷりが災いしたがため結局『おジャ魔女どれみ16』に突入する前にあいこにフラれてしまう。
なお、あいこ自身は「ボケツッコミの関係がうまくいかなくなった」上で「自分たちの関係を学校中に言いふらした」ためにフッたのだと語っているが、これはあいこの証言によるものでしかなくその詳細や真実は本編上には記されていない。
ちなみに、この証言を聞いたはづきとどれみは「そんな事ぐらいで!?」と疑問の声を上げているが、それ以上の詮索はあいこが自らの言で(はづきの方に話題を移す形で)打ち切っているために成されていない。
結局『どれみ16』(第6期)シリーズにおいて、この話題はそのまま自然消滅するかに思われた……のだが。
第6期シリーズ最終巻『おジャ魔女どれみ19』第1章にてまさかの再登場を果たす。
しかもスポーツ推薦で早稲田大学スポーツ科学部に入学した、あいこと同じ大学の一般教養教科をとっている同期生として登場した。
そう。なんとアンリマーは早稲田大学の教育学部に入学しやがっていたのである。
あいこともう一度付き合い直すことを目標に。当然、あいこはその予想外に驚愕した。
あいこに呆れられたアホぶりは結局のところ治っておらずに、さらに拒絶されるハメに陥るのだが、それでも人生はまだ長い。
「愛の戦士アンリマーの戦いはこれからだ!」…今更感が否めないが。
中の人つながり
アンリマーの中の人であるサエキトモは、いわゆる「スマートでかっこいい(主役級・ライバル級の)少年役」に定評がある人物であり「どれみシリーズ」ニチアサ分でもどれみの最初のあこがれの人(にして小竹の師匠)である五十嵐先輩、また熱き特ヲタ天野こうた、工藤むつみの兄、さらに『♯』以降はFLAT4の暁くんを、『も〜っと!』以降においてはSOSトリオに対抗する(そして杉山の相方として、共に同レベルに寒いギャグを放つ)イケメンお笑い少年小倉けんじを兼役している。
うち2人(五十嵐先輩と暁)はどれみのあこがれの人としてのシリーズのサブレギュラーである(注:アンリマーが登場している『ナ・イ・ショ』においては彼らは登場していないため「兼役」と言うには少し実情が異なる)。
一方、サエキ本人はいわゆる「豪快な兄貴」である事を売りにしており(注:サエキトモは女性声優です)しかも某ラジオでは「御堂筋の武勇伝」(いわゆる酒乱伝)を嬉々として語る、時には下ネタをも辞さない久川綾レベルの人物で、おなじみあいこの中の人松岡由貴とは共演も多い大親友である(サエキトモ自身、松岡と同じく大阪出身者)。
そのため「どれみシリーズ」において、アンリマーは彼女が同シリーズで演じてきた様々なイケメン役を押しのけ、シリーズのファンおよび彼女のファン双方から「(性別は違うが)ご本人降臨」ないしは『サエキトモの真骨頂』と称される事がある。