東京ネオンスキャンダル
とうきょうねおんすきゃんだる
講談社が配信しているWEB漫画サイト「マガジンポケット」にて2021年08月15日から2023年6月11日まで連載されていた漫画作品。原作はMITA、作画はがしたに。コミックス全9巻。
とある週刊誌の編集部へ就職した青年とそのスキャンダル専門の専属カメラマンによる芸能人や政治家の裏の顔を暴くと言ったバディアクションもの。
漫画編集部で新たなヒーローを作ることを目指す新入社員の葉山ユウは自身の夢とは裏腹に写真週刊誌『スキャンダル』編集部に配属される。
しかしその週刊誌は芸能人の不倫や犯罪の裏側までを過激に掲載するあまりに一部の世間からは「マスゴミ的週刊誌」と蔑まれており、編集長からの命令で当編集部のエースカメラマンである黒羽根サユリとコンビを組み、新人記者として芸能人の黒い秘密や裏の顔、そして犯罪や政界の裏側など、様々な秘密を暴いていく。
主要人物
葉山ユウ(はやま ユウ)
主人公。NE出版の新入男性社員。幼い頃からヒーローに憧れ、漫画編集部で新しいヒーローを作ることが夢だったが、『週刊スキャンダル』編集部に配属される。配属早々、編集長からの命令で黒羽根とコンビを組み、スキャンダル記事を担当することになる。
本来は正義感の強い純情な性格で、当初は人の秘密を暴く『週刊スキャンダル』の仕事を快く思っていなかった。しかし黒羽根と行動していくうちに人の秘密を暴くことに快感を覚えるようになってしまい、思い悩む。
黒羽根サユリ(くろばね サユリ)
『週刊スキャンダル』編集部のエースカメラマンである黒髪ショートの巨乳美女。
容姿端麗だが、極めて陰湿かつ執念深いドSな性格で、「陽キャ」を非常に毛嫌いしている。目的のためには手段を選ばず、金に糸目もつけない。ターゲットとなる陽キャの人生を奪い、自分のSNSをバズらせることが生き甲斐で、相手を「撮り殺す」ことで性的快感を覚える異常者。
主要人物の関係者
本郷タダムネ(ほんごう タダムネ)
『週刊スキャンダル』編集長。「肉は熱いうちに喰え」がモットー。そのモットーの通り、ステーキをはじめとする肉料理が好物で、都内の焼肉店ほぼ全店の常連であるほど。
ダンディな男性だが、人の後ろめたい秘密を暴くことを愉しんでおり、新入社員の葉山の文才を見込んで黒羽根とコンビを組むよう命じる。
かつては自身も様々なスクープをあげてきた記者であり、幾多の修羅場をくぐり抜けた猛者。自らが出す案件は命懸けの取材とされており、中にはその案件で姿を消した記者も何人かいる模様。
尼辻ルリ(あまつじ ルリ)
人気アイドルグループ『丸の内28』選抜メンバーの一人。イメージカラーは紫。
合法ロリな酒豪で、林岡ヒデミチ(はやしおか ヒデミチ)や後述の大広間をはじめとするコアなファンから絶大な人気を集めている。
後述の柏坂アケミの事件をきっかけに葉山のネタ元として彼の協力者となる。
柴田ミツコ(しばた ミツコ)
スナック『漢梅(おとこうめ)』のママ。リーゼントヘアが特徴な筋肉質のオネエで、キレると強烈。
黒羽根のネタ元で、彼女の過去について何かしら知っているらしく、現役記者時代の編集長のことも知っている模様。
その他の関係者
『嗤う赤獅子(わらうあかじし)』
10年前に発生した芸能人連続誘拐事件の黒幕とされる謎の存在。
事件当時、背中に不気味な笑みを浮かべるライオンのロゴの入ったジャンパーを羽織っていたのが異名の由来になっているが、黒羽根とは何かしら深い因縁があるらしい。
『お兄ちゃん』
本名不明。右耳に三日月のピアスを身に着けた好青年で、よく筋トレに励んでいる。表向きでは週刊誌の大ファンを名乗り、偶然出会った葉山に対しても好意的に接してくれた。
しかしその裏では人身売買サークルの実行犯である狩宮姉弟と関わりを持ち、黒羽根のことも何かしら知っている模様。
各編の登場人物
トップアイドル編
柏坂アケミ(かしわざか アケミ)
『丸の内28』選抜メンバーの一人で、愛称「アケちゃん」。イメージカラーは赤。
グループの不動のセンターとして絶大な人気を集めていたが、ある日駅のホームで飛び込み自殺を図り死亡。
萩野ユカリ(はぎの ユカリ)
『丸の内28』選抜メンバーの一人。イメージカラーは黄色。
五味トラオ(ごみ トラオ)
『丸の内28』の男性マネージャー。マスコミや週刊誌記者などの類を毛嫌いしている。
人身売買サークル編
葉山ヒナ(はやま ヒナ)
葉山の妹で、女子大生。兄との兄妹仲は良好。
小嶋マリ(こじま マリ)
女子大生。葉山の高校時代の後輩で、ヒナの元同級生。
狩宮レイナ(かりみや レイナ)
売春斡旋グループ『人身売買(ジンバイ)サークル』の中心的存在で、ユータの姉。
冷静かつドライな性格で、髪の左半分を少し刈り上げたプリン頭と咥え煙草が特徴的なパンク風の女性。
狩宮ユータ(かりみや ユータ)
『人身売買サークル』の中心的存在で、レイナの弟。
東京クリーンの会編
上田ウツミ(うえだ ウツミ)
地下アイドルグループ『スパイダー8』のメンバー。「エナジー☆ウツミ」の芸名で人気を集めている。
東ヒトシ(あずま ヒトシ)
ウツミの婚約者である都議会議員。彼女からは「ヒー君」の愛称で呼ばれ、結婚も控えていたが、ある日自宅マンションから飛び降り自殺を図り死亡。
猿渡ユミカ(さるわたり ユミカ)
「美人都議会議員」として話題を集める女性議員。ある理由で葉山たちと協力関係を結ぶ。
宮ノ内マコト(みやのうち マコト)
議員秘書の眼鏡男子。自身が担当する候補者を100%当選させていることから、「当選請負人」の二つ名を持つ。
大広間ヒロキ(おおひろま ヒロキ)
「億り人(おくりびと)」の二つ名で各メディアから注目を集めている投資家。
表向きでは姿を見せないため謎に包まれた存在とされているが、その実態はタダのデブオタク。ルリの大ファンで、彼女や自分と同じルリのファンの前ではかっこいいデブとなる。
鬼頭ジン(きとう ジン)
『日帝新聞』の男性記者。五味同様、週刊誌の類やその関係者を毛嫌いしているが、本来は葉山にも一目置かれるほどの強い正義感の持ち主。
嗤う赤獅子編
鈴木ミヤビ(すずき ミヤビ)
大人気女優。本名は「三浦ミヤビ(みうら ミヤビ)」。
仕事帰りの途中、ミカドを中心とした犯人グループに誘拐されるが、葉山の活躍で解放された。
鈴木レイカ(すずき レイカ)
ミヤビの姉。妹と同じく女優。
妹思いで、ルリを通じて誘拐されたミヤビを助けてほしいと葉山に懇願する。
葉山の活躍でミヤビが解放された直後、妹を誘拐したグループとは別の犯人(嗤う赤獅子本人)によって誘拐されてしまう。
上郡マキ(かみごおり マキ)
女優兼大学生。ミヤビとは友人関係だが、彼女と比べると女優としての活躍はあまり聞かない方らしい。
明るく快活な性格だが、葉山にも呆れられるほどのアホの子且つ、かなりのお喋り。
自身の口の軽さのせいでミヤビが誘拐される原因を作ってしまうが、女装姿で女子大に潜入し、「大広間の恋人」と偽った葉山とは彼氏に関する話題で意気投合する形で犯人に関する有力な情報を話し、彼が犯人グループのアジトに潜伏するきっかけを作った。
犯人グループとその関係者
ミヤビを誘拐した犯人グループ。リーダー格のミカド及び以下3人は幼稚園の頃からの顔馴染みで、全員かなりの裕福生活者だが、周囲からは親の七光り扱いされるあまり、それぞれ父親に対して強い劣等感を抱いていた。しかし葉山の活躍でミヤビを取り逃がし、黒羽根の密告で父親達に事件の全容を知られて叱責された後、父親達に連れられる形で警察に出頭するが、実際は黒幕によって動かされた手駒に過ぎなかった。
草壁ミカド(くさかべ ミカド)
表向きは爽やかな青年だが、自分らが誘拐したミヤビの状況を動画で生配信したり、彼女の姉のレイカに1000万円の身代金を要求した上でゲーム感覚の受け渡し(動画で指定した場所に犯人と思わしい人物を探し、その人物に身代金を渡す)を指示するなど、かなりの愉快犯。
しかしその一方で誘拐した人質に手厚くコーヒーを振る舞ったり、無闇に危害を加えようとしない紳士的な一面を持ち合わせており、高級タワーマンションで暮らしていたり、父親が毎月口座に400万円を振り込んでくれるなど、かなりの裕福生活者だが、実はグループ内で最も父に対して強い劣等感を抱いていた。
リク
表向きはマキの彼氏で、彼女からは「りっくん」の愛称で呼ばれている。マキとはクラブで知り合った後に彼女から告白され、交際を始めた関係。
しかしその正体はミヤビを誘拐した犯人グループの一人であり、マキを誑かしてミヤビに関する情報を聞き出し、帰宅途中のミヤビを車で拉致した。
ムラセ
ミヤビを誘拐した犯人グループの一人。主に動画配信の役割を担う。
自分以上の金持ちであるミカドを羨んでいるが、自分の欲望に突っ走って人質に手を出そうとしては、人質には無闇に手を出さない主義のミカドによく止められている。
ヤマト
ミヤビを誘拐した犯人グループの一人。感情の起伏が薄いマイペースな性格で、口数も少ない寡黙な男。
一応ミカドらと同じく裕福生活者であるが、金にならない仕事には極力興味を持たない。