「東方自然癒」とは
ASATO氏制作のフリーゲームであり、東方Project二次創作作品。
RPGツクールで制作されており、2013年11月現在、更新継続中。
主人公はオリジナルキャラクターの「瀬笈葉」(せおい は)。
あらすじ
雪が溶け、大地が目覚める。
そんな、いたって普通の春。
季節が巡っても、やはり博麗神社。
相変わらず参拝客は少なく、今日も平和な幻想郷に、巫女は退屈していた。
たまにやって来る魔法使いや妖怪と、他愛無い会話をして過ごす日々。
たまには掃除をしようかしら。
そう思って、ぶらりと現れた魔法使いと話をしながら掃除をする巫女。
今日もこうして終わるのだろう、そんなことを思っていた矢先・・・
清々しい香りを纏う、少女の姿をした妖怪が現れる。
コツン、ではなく、パサッという程度の賽銭を催促してしまい、その妖怪の悩みを聞くことに・・・。
(公式HPより抜粋)
閲覧いただくにあたり
以下の項目をご覧頂くにあたり、次の点にご注意ください。
「東方自然癒」は2013年10月現在、製作更新中のゲームです。
よって、以下の項目及びその内容は、更新に伴い変化する可能性があります。
またEXについては更新中ということもあり、本記事(2013年10月現在のもの)ではフォローしておりません。
その他解説に際し、ネタバレになるような箇所があります。
以上、ご覧頂く際にはご注意ください。
物語
幻想郷に起きた異変と「瀬笈葉」(プロローグ)
幻想郷の西で起き始めた、「植物が次々と元気を無くしていく」という現象。
植物の皆が理由もわからず枯れていくこの事態に、植物の声を聞くことのできるある植物の妖怪は
ひどく心を痛めていた。
「 ―――――助けたい。
みんなを、助けたい。 」
彼女の心の中には、そんな思いが募っていた。
植物を助けたいと強く想う彼女に、彼女が「お姉ちゃん」と慕う、彼女と同じ植物の妖怪「虹霓文花」は、
今起きている謎の異変を解決するための手段を探すため、旅立つことを提案するのだった。
「 この、植物たちが枯れる現象。
…きっと、これは幻想郷中に広まるわ
この場所だけの問題じゃなくなると思う
だからこの異変を解決する手段を探そ?
私は私で探すから。…君も、君で。 」
異変解決を生業とする幻想郷の素敵な巫女、博麗霊夢のいる神社である。
かくして、植物の妖怪は植物たちを救うため、
そしてともに異変を解決する手段を見つける約束をした「お姉ちゃん」のため、東へと旅立つ。
登場キャラクター
プレイヤーキャラクター
博麗霊夢、霧雨魔理沙、十六夜咲夜、鈴仙・U・イナバ、藤原妹紅 他
NPC
システム
戦闘形式
ATB(アクティブタイムバトル)式の戦闘を採用している。
速度はそれぞれのキャラクターの敏捷性に依存する。
本作の戦闘中では誰かの順番が回ってきた際には、時間の進行は停止(ウェイト)するが、
キーボードのCtrlキーを押し続けることで時間を進めることができる(アクティブ)。
また、順番が回っているキャラクターが複数いる場合、
キーボードのShiftキーを押すことで選択キャラクターを変更することができる。
スペルカード
「東方Project」おなじみの、個性あふれるスペルカードが本作でも登場する。
本作におけるスペルカードにはキャラクターそれぞれに、戦闘中に使用するもの、
ステータスや通常攻撃に影響するもの(常時スペルカード)があり、それぞれを任意にセットすることで使用可能となる。
セット可能数には上限があり、所持スペルが増えていくほどに、取捨選択が重要になる。
また本作独自のものとして、「植物スペルカード」、「スペルカード奪取」がある。
戦闘中に使用するもの
作中では攻撃タイプのスペルカード、回復タイプのスペルカード、連携符スペルカード、
それ以外の特殊なスペルカードがある。
さらに一部の攻撃スペルカードは「強化」することで、確率で「派生スペル」が発生するスペルカードへと変化する。
ほとんどは霊力を消費するものであるが、中には体力を消費するものもある。
また、追加効果が発生するものもある。
- 攻撃タイプのスペルカード
任意、またはランダム、あるいは全体のターゲットに対して攻撃を行うスペルカード。
例)封魔陣(任意・単体・追加効果:ロスト/霊夢)
ミスディレクション(ランダム・4Hit/咲夜)
(※ロスト:一定時間スペルが使用不能になる状態異常)
- 派生スペル
「強化」したスペルカードごとに上位のスペルが確率で発動するもので、
実際の場面では、通常のスペルが発生した後に追い打ちするように派生スペルが発生するので
ダメージの底上げにつながる。派生スペルは発生時に霊力を消費しないため、
派生前の必要消費霊力値と同じ消費量で、さらに強力なスペル攻撃が行えるのが魅力である。
その華麗な演出も見どころである。
「強化」は、3節におけるとあるイベント以降、ある人物によって
スペルカードごとに対応するアイテム及び「スペルカード強化切符」を消費することで可能になる。
なお、一度強化してもその人物のところで強化前のスペルカードに戻すこともできる。
その際、「強化」に使用したアイテム及び「スペルカード強化切符」は返却される。
例)魔理沙/ノンディレクショナルレーザーの派生
ノンディレクショナルレーザー → メテオニックシャワー
ただし、以下のようなデメリットが含まれる。
・消費霊力が、既定値の消費から全体比の割合分(%)の消費へと変化する。
よって、成長によって総合の霊力値が向上する後半ほど、割合による数値上の影響は大きくなる。
例)ノンディレクショナルレーザーの通常/強化後の消費霊力比較
(通常)消費霊力=35 → (強化後)消費霊力=15%
・多くのスペルカードで強化後にはもともとの威力が下がる。
派生スペルの発生は必ず起こるものではないため、派生が起こらない場合は
強化前より総合の威力は低下することとなる。
例)ノンディレクショナルレーザーの通常/強化後の基本威力比較
(通常)精神×1.5/1Hit → (強化後)精神×1.3/1Hit
・スペル発動までの準備時間が長くなる。
詠唱時間が長くなる、という感覚だろうか。
ATB式の戦闘である本作では、必要時間の延長は少なからず戦況に影響する。
例)ノンディレクショナルレーザーの通常/強化後の発動までの所要時間比較
(通常)50% → (強化後)75%
※ここで言う「%」とは、そのキャラクターが行動後に、
自分の順番が回ってくるまでにかかる時間を100%とした場合の割合である。
・派生したものが派生前のものと性質が異なる。
まれにあるケースである。
派生スペルが発動してしまうことで、思わぬリスクが発生する可能性がある。
操りドールはターゲットの物理反射無視の機能があるが、
派生後の殺人ドールは通常通り反射される。
ただし前述の通り、強化は指定された場所で何度でも解除/再強化できる。
各々の戦略に合わせていつでも調節することができるため、
実際に戦闘で試用しながら自分なりのスペルカードのあり方を探求することもできる。
- 回復タイプのスペルカード
任意、あるいは全体のターゲットの体力の回復または状態異常・戦闘不能の解除を行うスペル。
例)深緑の温もり(味方単体・回復/葉)、厄除け祈願(味方全体・回復/霊夢)、
フェニックスの尾(自分以外の味方・体力回復・状態異常解除/妹紅)
- 連携符スペルカード
2名のキャラクターによる、一種の合体攻撃のようなスペルカード。
- それ以外の特殊なスペルカード
上記以外にも、味方のステータスを上げるなどの補助機能を持つスペルや逆に相手のステータスを低下させたり状態異常を付与するもの、中には、戦闘中に発動しておくと戦闘不能になった時自動で戦闘不能が解除されるという変わったスペルもある。
これ以外にも特有のスペルカードが存在する。
ステータスや通常攻撃に影響するもの(常時スペルカード)
セットしておくと、ステータスや通常攻撃において効果を発揮するスペルカード。
これらは、「人里」で購入したりダンジョン内の宝箱から入手するなどの方法で取得するもの、
レベルアップに伴って各キャラクターが個別に得るAPを消費して取得するもの、
イベントで入手するものなどがある。
ここに含まれる一部のスペルカードには、セットしなくても取得した時点から効果を自動発揮するものもある。
例)=A=調整符:人里その1で販売されている。
属性技能[火]:AP100を消費して取得。通常攻撃に火属性がつく。
耐性技能[暗闇]:AP125を消費して取得。暗闇に対して耐性を得る。
※暗闇…通常攻撃や物理系スペルの命中率が低下する状態異常。
「植物スペルカード」
本作独自のスペルカードのシステムである。
第5節から随時使用可能になる。戦闘中のみ使用可能。
その戦闘中に限り、それぞれの植物スペルカードに設定された分のステータスを永続的に向上させる、
「強力な補助効果」を発揮する。
多くのステータス補助は戦闘不能になるなどで強制的に解除されるが、「植物スペルカード」による補助は戦闘不能になっても解除されない。
使用するとキャラクターの色がその戦闘中に限り変化するので、効果が発動しているかどうかが一目でわかる(戦闘後は通常の色に戻る)。
例)爽快血符/葉:全能力1.3倍、状態異常解除、体力回復
瀟洒な従者/咲夜:攻撃力・敏捷性1.5倍、状態異常解除、体力回復
ただし一度使用すると次の使用までには一定の戦闘数をこなさなければならず、
連続して使用することはできない。
また、仲間キャラクター全員が持つわけではない。
スペルカード奪取
シナリオの進行に伴って出現する隠れボスなどから、各一体につき一つのスペルカードを一回だけ奪取できる。その際、「スペルカード奪取切符」の所持が必要となる。
奪取したスペルカードは任意の味方キャラクターに使用することで、そのキャラクターに限り、
その際使用したスペルカードを永続的に使用できるようになる(一部のキャラクターには使用できない)。
ただし、先述の通り各一体につき奪取できるのは一回きりなので、慎重な選択が必要である。
(戦闘そのものは、本編中で目的のボス出現後なら何度でも行える)
「結界」
戦闘中、敵味方問わずスペルを一回使うごとに一つ結界ゲージ(ゲージの表示は戦闘画面の右下)がたまっていき、ゲージがいっぱいになると、最後にそのゲージを進行させたスペルの使用者ごとに設定された特殊効果が発動する。
例)深緑結界/葉:体力自動回復付与
博麗結界/霊夢:敵全能力低下
鈴仙結界/鈴仙:取得経験値2倍
また、敵側のスペルで一杯になった場合にも、「敵対結界」としてプレイヤー側のステータスが低下する結界が発動する。
ゲージの進行は敵味方共有であることから、戦闘中は、プレイヤー側のスペル使用のタイミングや
敵側のパターン把握などが戦略上重要になるのである。
ただし、先述の強化スペルカードから発動した派生スペルや奪取したスペルではゲージは蓄積しない。
一度ゲージが全てたまり結界が発動した後はゲージは0の状態に戻り、スペルを使用するごとに再びゲージが蓄積されていく。
なお一部の常時スペルカードによってこの結界のゲージ蓄積の速度を速めたり、戦闘開始時にゲージがある程度たまった状態にできる他、難易度(後述)においても蓄積のスピードや効果が変化する場合がある。
パーティ人数・戦闘参加可能人数
同時にパーティに参加できるのは10人までで、戦闘に参加できるのはその内5人までである。
戦闘中のメンバー入れ替えなどはできない。
戦闘中、戦闘参加メンバーが全員戦闘不能になると、たとえ戦闘に参加していないメンバーが健在でも、ゲームオーバーとなる。また、戦闘に参加しないメンバーには経験値は入らない。
フォーメーション
味方の陣形を変更できる。当初は1種類しか所持していないが、随時取得していく。
種類によっては配置ごとにステータスに効果を発揮するものもある。
陣力
レベルアップなどで個別に得られるGPをステータス値に振り分けることで、ステータスを向上させることができる。振り分け回数が増すに伴って、振り分けに必要なGPも上がる。
また、一度振り分けたものを戻して振り直すことも可能であり、
プレイヤーのスタイルに合わせてキャラクターのパラメータを自由に調整できる。
対応する項目は以下の通り。
豪力陣:体力・攻撃力に影響
霊力陣:霊力・精神力に影響
反力陣:守備力に影響
速力陣:敏捷性に影響
武器交換
「人里」で市販されている武器は、「人里」にある店舗で交換という形で強化することができる。
その際、基本となる武器とそれぞれに指定された「属性符」及び「武器交換切符」が必要である。
交換の際に用いる「属性符」には3つのパターンがあり、各々の強化方針と合わせ、以下のとおりである。
「風」:「風神符」が必要。攻撃が強化され、通常攻撃後に一定確率で追加攻撃が発生
「地」:「地霊符」が必要。守備力・精神力・敏捷性の各ステータスが向上。
「星」:「星蓮符」が必要。攻撃力は低下するが、ダブルヒット(通常1回の攻撃が2回)になる。
また、後々において武器以外のものを素材や資金などと交換できる場所が出現する。
その他のシステム
難易度変更
アイテム「弾幕のススメ」を使用することで難易度を変更できる。
それぞれの変化は以下の通り。
難易度 | 敵能力 | ドロップ率 | 備考 |
---|---|---|---|
易 | 体力/霊力を含め75% | 通常 | 敵対結界が発動しない |
普 | 通常 | 通常 | 特になし |
難 | 体力/霊力、攻撃力、精神力、守備力、敏捷性が125%(※) | 1.5倍 | 敵の結界展開が早まる上、通常より結界効果が高い |
戦闘状況・戦闘速度の変更
本作におけるATB式の戦闘において、進行スピードを変更する。
変化項目は以下の通り。
・戦闘状況
[三分咲き]:一番確実に戦闘を行える状況
[七分咲き]:誰かの行動中にも戦闘が進行する状況
[満 開]:あらゆる時でも戦闘が進行する状況
・戦闘速度
1~9 (数字が大きいほどゲージが早くたまり、戦闘速度が速くなる)
なお、デフォルトは戦闘状況[三分咲き]・戦闘速度4であり、この設定が推奨されている。
これ以外の設定では、ボス戦・イベント戦でにおいて不具合が報告されており、
設定変更した際は通常戦闘以外ではデフォルト設定に戻すことが勧められている。
ただ、マップ切り替え後に突然イベントに突入し、そのまま戦闘、ということも往々にしてあるので、
展開を理解している場合か、あるいはよほどのこだわりがないのならば変更しないほうがよいだろう。
エフェクトの設定
物語を開始した直後の初期設定、またはアイテム「エフェクト」を使用することで設定変更ができる。
会話時のアニメにおけるまばたきや戦闘開始時のエフェクト、戦闘中の詠唱エフェクトなどについてon/offを切り替えられる。
機器のスペックや挙動が重い時の調整に役立つ。
モード変更※取扱注意※
アイテム「モード変更」から、ゲームモードを変更できる。
「モード変更」はある程度ストーリーが進むと開かれるある店で購入できる。
項目は以下のとおりである。(鉤括弧部分は、作中における説明文。強調は筆者による)
がっつりモード:ボス戦において、上限レベル100までのレベル制限がかかる。
「終盤になるにつれてより厳しい戦闘を体験できる玄人向けモード」
さくさくモード:ボス戦において、上限レベル175までのレベル制限がかかる。
「爽快感を求める方にオススメ」
本編だけモード:レベル制限なし。
ただし、「EXに進めなくなる」
※一度でも「本編だけモード」を設定してしまうと、以後変更できなくなる仕様である※
「東方自然癒」は、本編後も「EX」として物語が継続する。
「本編だけモード」を選択するということは、「EX」に進まないという選択と同義である。
進行上の補助機能
- 緑のクリスタル
道中にある緑色のクリスタルでは、「休憩」と「転送」などができる。
「休憩」では選択することで体力と霊力が完全回復する。
「転送」は、同じダンジョンにごとに決められているそれぞれのマップに入ったことがあれば、
そのマップまでのショートカット(転送)を行うことができる。
ただし、場面や場所によっては「休憩」が出来なかったり、「記録」だけが可能なものもある。
(セーブ/ロードそのものはメニュー画面が開ける時ならばいつでも可能)
- キャラクターの特徴の確認
「能力を確認する」の各キャラクターの項目にある「特徴」から、そのキャラクターにおけるおおまかなステータスの傾向や成長の傾向、発動する結界の内容が確認できる。
パーティの編成方針やキャラクターの運用戦略に活用されたい。
- メモ機能
セーブ/ロード画面において、セーブ項目に「メモをつける」という機能がある。
8文字分ではあるが、カタカナに加え一部のひらがなや漢字、数字などが使えるため、
ゲームの進行状況などをゲーム画面上のセーブデータそのものに記録することができる。
メモは消すことも修正することもできるためプレイヤーそれぞれなりに使いやすいセーブ項目、セーブ画面を作ることもできる。
その他
メニュー画面のトップでは、パーティにいるキャラクターが戦闘中などで行う動きが一部表現されている。
ドットのかわいらしいアイコンが思い思いに細やかに動く様子は必見である。
最後に
冒頭で述べたように、本作は更新中の作品である(2013年11月現在)。
今後の進展が大いに期待されている。
ただ、言うまでもないことであるが焦がれるあまりに製作者様を責付くなどの迷惑行為をしてしまうことは、ユーザーという面に限らず、過ちであろう。
ユーザー諸氏はぜひこの作品に対する熱い思いを静かに胸の内に湛えつつ、
マナーを大切にする紳士淑女の姿勢で、製作者様の次なる発信を楽しみにされたい。
その時には作中に登場する健気な植物たちの在り方が、きっと我々の手本となってくれるだろう。
関連リンク
公式HP(ダウンロードもこちら)
・PV(ただし、いずれも「代理投稿」となっている)