ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

東方蒸気世界

とうほうじょうきせかい

「東方蒸気世界」とは、東方Projectとスチームパンク的世界観のコラボレーションの様子を描いた作品に用いられる二次創作タグである。
目次 [非表示]

概要編集

東方Projectスチームパンク的世界観の様々な方法によるコラボレーション。


スチームパンクとは一般に、その名称(スチーム、蒸気)にもある通り蒸気機関が普及した世界を想像するサイエンス・フィクションの一ジャンルであり、蒸気機関と共に発展を見た独自のテクノロジーを想像する試みである。その想像は世界観全体kから個々の人々の生活や営みの姿にも及び、例えば人々の日々の暮らしの中に、それぞれのスチームパンク的な世界観に基づくあらゆる要素を想像するものもある。

スチームパンクの詳細は「スチームパンク」記事も参照。


蒸気機関とスチームパンク編集

蒸気機関の着想自体は紀元前にまで遡るが、実際に稼働し得る機関として発明されたのは17世紀末以後である。さらに18世紀中ごろの改良品は実際に動力として使用に耐え得るものとなり、この安定的かつ強力な機関は人力・畜力(馬力)・風力・水力に代わる新たなエネルギーとして動力革命の基礎となる。そしてその後訪れる産業革命の基盤ともなった。

例えば18世紀末には紡績(綿工業)、19世紀初頭以後は鉄道や船舶の分野でも実用化され、蒸気機関は以後20世紀まで主要な機関となった(参考1、2)。

日本と蒸気機関との出会いとしては蒸気船の来訪(黒船来航)やロシアあるいはアメリカの、それぞれの使節団による模型の蒸気機関車の持ち込みが有名。


このように蒸気機関が具体的に発明されその後実用化されたのは18世紀以降であり、以後20世紀初頭まで影響力を維持し続けるわけであるが、創作としてのスチームパンクの世界観も19世紀から20世紀初頭ごろのイメージを盛り込んだレトロさも醸す雰囲気が特色で、その一方で独自の発展を見たオーバーテクノロジーやカルチャーを描くのがスチームパンクの醍醐味の一端である。

ファンタジーとしての要素も含むが、より科学ロマン的・SF的でもある。


今日ではスチームパンク自体がアートとしても発展しており、テクノロジーデザイン、スチームパンク的衣装・ファッションや多様なマテリアルなど様々な想像が展開されている。

pixivでもスチームパンクの世界観による様々な創作が発表されている。


東方Project × スチームパンク編集

スチームパンク的世界観では、そのエネルギーはその名の通り蒸気と蒸気を生み出すための火力(石炭)などを主としている。東方Project原作中で登場する大規模なエネルギーとしては水力(発電用ではなく水の力そのものを利用する。『東方茨歌仙』)や核融合(『東方非想天則』、『茨歌仙』等)などがあり、河童による農業工場などでは煙突と排気の様子も見られている(『鈴奈庵』)他、「 河童のアジト 」である玄武の沢には人工的な配管が張り巡らされている(『東方心綺楼』他)など、独自の工業化とも見ることのできる要素が見られている。


さらに、「 陸続き 」である「外の世界」からの「 電気エネルギー 」や「 化石燃料 」の流入もある(『東方求聞口授』)。例えば香霖堂所蔵のストーブも外の世界の燃料に依存している(『東方香霖堂』)。


そんな幻想郷事情にあって、八坂神奈子などは幻想郷だけで完結できるエネルギーの開発など、外の世界のエネルギー問題に影響されない幻想郷独自の産業革命も計画している。

先述のように実際の歴史における蒸気機関は産業革命と不可分の存在である。


幻想郷において蒸気での駆動を実現したものとして、河童らによる非想天則がある。

地下間欠泉から立ち上る蒸気を利用したもので、洩矢諏訪子なども河童らによるその設計に(あえて中身を込めないという点も含め)太鼓判を押している。ただし非想天則はそのコンセプトから、スチームパンクで想像されるような細かな部品による密度の高いメカニカルで飛躍的な技術によるものではなく、もっとシンプルな、いわば気球のようなものである。


またスチームパンクを象徴するものとして世界観にみる蒸気や煙の他に、身近なマテリアルとして「歯車」などがあり、ゲームとしての『非想天則』には歯車のモチーフが作品タイトルロゴをはじめインターミッション画面の上下レイアウト等様々な場面にちりばめられている。


東方Projectにおける「外の世界」は実際の歴史がたどったように蒸気ではなく電気エネルギーを主としたテクノロジーを採用した社会へと転換した様子であり、それは例えば神奈子の語る実際の様子(『東方求聞口授』)をはじめ森近霖之助が収集する物品(例えば『香霖堂』や『東方文果真報』)、あるいは今まさに外の世界に住まう宇佐見菫子の言葉や近代テクノロジーによる所持品(『東方深秘録』、『香霖堂』、『茨歌仙』等)などに見て取ることができる。


東方Projectと一般的なスチームパンクとのエネルギー関連のテクノロジーでの大きな違いは、霊力や妖力といったよりファンタジー的なエネルギー資源が実在する点だろう。

社会広域に影響するような大規模な基幹エネルギーではないものの、個々人の弾幕ごっこにも応用されるような魔法や妖術として実現している点も違いである。例えば先述の核融合の基礎となるものも、「八咫烏」(「 神の火 」。『東方地霊殿』)を応用した神々の力で、ストーブを入手する以前の霖之助は、暖をとるために「 魔法で温める火炉 」を使用していた。霖之助も改良に携わった霧雨魔理沙所有のミニ八卦炉もまたファンタジー的なエネルギーを具体化する装置としての一面も持つ。旅の道中、その内部ではミニ八卦炉も活躍した「 幻想郷のロケット 」なども、外の世界の科学知識と魔術などをはじめとした幻想郷的力と幻想郷的解釈・理解のハイブリッドである。


先の河童について、河城にとりなどはその原理は不明ながら消費型の「 水妖エネルギー 」(『心綺楼』他)などを通して弾幕を具体化したりもしており、他の河童と共に科学の力で「オカルト」を解釈し、さらには自らの手で具体化することでその力を得ようという近代的な功利主義的科学主義、科学的知識による迷信・通説からの脱却(あるいは利用)といった、人間の歴史に見られる思想やメンタリティの変化を体現するような一面も見られている(『深秘録』)。

サイエンスを用いてファンタジー解明・記述する、あるいは乗り越える、もしくは制圧までも行おうとする試みにも通じる。


一方月の都のように、すでに独自の、高度な文明化を得たことで人々の生活だけでなくメンタリティも独自のステージに移行している世界観もある(『東方儚月抄』、『求聞史紀』)など、社会それぞれが経てきた歴史ごとに多様な現在の姿もまたある。


世界観全体としては、スチームパンクはその一面として次世代のエネルギーに「蒸気」を選んだという歴史的世界線の「if」を想像するものでもあるが、東方Projectもまた妖怪や神などの実在と並存、交流の歴史と今現在まさにそれがあるという「if」を含むものであるなど、その世界観に歴史的考察と独自のアプローチを込める点などにも共感する。


この他、東方Projectにおいて「蒸気」の語をその名称に含んだものとして、楽曲である「悠久の蒸気機関」(『非想天則』)がある。先述のように『非想天則』はスチームパンクの世界観と共感する要素が特に様々に登場している。

また「明治十七年の上海アリス」にみる「明治十七年」は西暦では1884年にあたり、蒸気機関の歴史としては、同年に蒸気タービンが開発されている(パーソンズ卿による多段階反動式タービン、イギリス)。当時は蒸気機関が主流の時代であり、スチームパンクでも描かれる19世紀の雰囲気の実際のまさにその時でもある。

両者の共感を通しては、東洋的スチームパンクを東方Projectまたは広く上海アリス幻樂団作品の世界観も通しつつ、当時の上海の「 租界 」(「蓬莱人形」)にみるといった想像もできるだろう。


pixivでは編集

pixivにおける東方Projectとスチームパンクとのミックスでは、東方Project登場キャラクターたちのスチームパンク的衣装アレンジやその世界観ならではの建築物や機械・機器などと共に描かれる様子などをはじめ、東方Projectの随所に見られる東洋ファンタジー的な側面を通した、「東洋的世界観でスチームパンクが発展していたならば」というアプローチを東方Projectの世界観を通して想像する、という広範な多文化のミックスと捉えるものもあるなどその想像の幅は人間を含む多様な種族たちの生活・服飾・心理など個々にスポットを当てるものから幻想郷など世界観全体も含めた両者のミックスの想像まで幅広い。


先述のようなスチームパンク的マテリアルとしての蒸気や煙、「歯車」などについても、「東方蒸気世界」においてもマクロ的には蒸気が描かれたり、歯車のモチーフをはじめとしたスチームパンク的衣装デザインに袖を通したキャラクターが描かれるなど、スチームパンクのシンボルが東方Projectの世界観と多様にミックスされた様子を描いた作品が発表されている。


「東方蒸気世界」とも関連するものとして、pixivではユーザー企画として「東方蒸機関」がある。

こちらもまた東方Projectとスチームパンク的世界観の様々な方法によるコラボレーションを模索するものであるなど、「東方蒸気世界」の創作アプローチとも共感している。


またコンセプトを同じくするタグとして「東方蒸機世界」のタグが使用されている。

本タグとの違いは「蒸」となるか「蒸」となるかの点。

2017年7月現在では本記事と連動する「東方蒸気世界」のタグが多用されている。

両タグは個別に使用されているケースもあるので、両タグを併記したワードなどを用いるとさらに広く東方Project×スチームパンクの世界に触れることができる。


関連イラスト編集

  • スチームパンク的ファッションアレンジ

スチームパンクにとり

  • テクノロジー、世界観

紅魔館地下図書館兼動力炉かっぱ工場


関連タグ編集

東方Project スチームパンク

東方Project(二次創作)

東方Projectコラボタグ一覧

東方企画目録


外部リンク編集

関連記事

親記事

東方Project(二次創作) とうほうぷろじぇくとにじそうさく

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 355807

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました