概要
1977年から1981年にかけて『マンガくん』、『少年ビッグコミック』(小学館)で連載された。
北海道・小倉・浦安を舞台に、主人公の野球少年・中西球道の活躍と成長を描く。
連載は球道が高校3年生の春で終了しており、高校3年の夏は『大甲子園』で描かれている。また、球道をはじめとした一部のキャラクターは『ドカベン プロ野球編』以降にも登場している。
主な登場人物
主人公。投手。右投左打。
幼くして実父を亡くし、中西大介・愛子夫妻に引き取られる。
物心ついた時から野球が大好きで、直情的な熱血漢であると同時に負けず嫌いで熱くなりやすい。
選手としては150㎞/hを超える豪速球を武器とする剛腕投手にして打撃も一流という典型的な「エースで四番」タイプ。
『ドカベン プロ野球編』で千葉ロッテマリーンズに入団し、『ドリームトーナメント編』で京都ウォーリアーズに移籍する。
中西大介
球道の養父。外野手。右投右打。
初登場時は社会人野球の選手で、球道を引き取った後、プロ野球選手となる。
義理堅く漢気のある人物だが大酒飲みが玉に瑕で、初登場時は酒の飲みすぎが原因で体調を崩して入院していた。
所属球団は小倉イーグルス(架空の球団)→日本ハムファイターズ。
山本一利
球道の実父。捕手。右投右打。
南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)所属のプロ野球選手だったが、酒好きと不摂生が祟って体を壊してしまう。
失踪した妻を探して訪れた北海道で倒れ、病院で息を引き取る。
中西愛子
球道の養母で、大介の妻。
大介と山本が入院していた病院に勤める看護師で、球道の世話をする内に愛着が沸き、山本の死後、球道を養子にすることを条件に大介と結婚する。
学生時代はソフトボールの選手だった。
中西球司郎
大介・愛子夫妻の実子で、球道の義弟。
野球はプレーするより見る方が好きだったが、後に体力づくりのために野球部に入る。
球道と違って勉強はよく出来る。
山本加奈
一利の妻で、球道の実母。
「球けがれなく道けわし」という意味を込めて息子に「球道」と名付けた。
球道の出産時、難産で鼓膜を破ってしまった後遺症で難聴になり、球道が1歳の時に失踪する。
大池英治
捕手。右投右打。
大きく丸い鼻が特徴で、愛称は「えーじ」。
球道とは北海道時代からの幼馴染で、中西一家が小倉に移ってからは疎遠になっていたが、紆余曲折を経て青田高校で再会する。
球道より1歳年上だが、留年しているため同学年。『ドリームトーナメント編』にも登場する。
才蔵旭
任侠映画に出てくるような風貌の大男。野球は素人だったが、持ち前の努力と根性で青田の主力選手の一人となる。
当初は球道を兄貴分と慕っていたが、『大甲子園』では対等な関係となっている。
『ドリームトーナメント編』にも登場する。
大下茂蔵
青田高校野球部の監督で、野球部のOB。
普段は妹と共に船宿を営んでおり、英治と才蔵を居候させている。
空草一平
三塁手→遊撃手。右投右打。
青田高校の野球部員で、球道とは同期。スキンヘッドがトレードマーク。
渡
捕手。右投右打。
千葉桜ヶ丘高校の4番打者。通称「桜獅子」。
春山清司
二塁手。右投右打。
球道の中学時代のチームメイトで、マンションの隣人でもある。
桜ヶ丘に進学し、一年の夏からレギュラーを掴む。
山中
投手。右投右打。
一年の夏から桜ヶ丘のエースとして活躍する。
大和田一男
捕手。右投右打。
球道が小学校時代にバッテリーを組んでいた捕手。兄弟が多い上に父親が体を壊して入院しているために実家を手伝わなければならず、最初は野球をしたくても出来ずにいた。
後に博多どんたく高校の選手として甲子園で対決する。
山本又一郎
右翼手。右投右打。
球道が通っていた玄界小学校の番長で、通称「悪童」。
野球センスはゼロだがパワーだけはある。後に博多どんたく高校の選手として再登場。
球道の実の両親と同じ山本姓だが、赤の他人である。
剣史郎
投手。左投左打。
球道の小倉時代のライバル。博多どんたく小学校のエースで、球威・制球ともに優れたサウスポー。
最初は球道より1学年上だったが、高校で同学年に変更された。
酒森圭一
投手。左投左打。
鬼弁小学校のエース。通称「サッシー」。
カッとなりやすい性格をしており、その性格が災いして非行に走りかけたこともある。
どんたく高校では中堅手となっている。
土井垣吉武
捕手。右投右打。
相棒のサッシーとは対照的に冷静な性格をしており、小学生とは思えないほど野球に詳しく、頭が切れる。
どんたく高校では三塁を守っている。
立川結花
熊本からの転校生で、球道に好意を寄せている。
どんたく高校では野球部のマネージャーを務める。
的場満
投手。右投左打。
熊本の名門・南火大付属のエース。
熊本選抜チームの一員として球道たち福岡選抜と対戦する。
冨島松五郎
プロ野球・小倉イーグルスの監督。
社会人野球の大会で活躍した大介に惚れ込み、ドラフトで大介を指名する。
代打や代走、ワンポイントリリーフなど試合中の選手交代がとにかく多く、一試合でベンチ入り選手全員を出場させることも珍しくない豪快な人物。
「MAJOR」との類似点
満田拓也の野球漫画『MAJOR』は、主人公である茂野吾郎の性格や生い立ち、選手としての特徴をはじめ、「小学校時代を福岡で過ごす」「幼い頃に後のライバルとなる捕手と出会う」「義理の弟が父や義兄と比べられて苦悩する」などなど本作に影響を受けたと思しき点が多い。
これについては作者である満田本人も認めており、週刊少年チャンピオン2007年34号での満田のコメントによると、少年時代に好きだった『球道くん』に思いがけず似てしまったとのこと。