概要
短気を起こすと結局は自分が損する・害されることになるという戒めのことわざ。
類義語として、「癇癪持ちの事破り」・「走れば躓く」・「怒りは敵と思え」といったものがあり、中でも「怒りは敵と思え」はかの徳川家康が残した教えのひとつである(徳川光圀説もある)ため聞いたことのある人も多いだろう。
短気は本当に損だらけ
直情的な人物が多かった昭和の頃ならまだしも、現在では
という見方が強く、少なくともプラスなイメージでは見られない。これは1970年代のアメリカで発祥した「アンガーマネジメント」の概念が、今や日本でも一般常識レベルにまで広まっている事実からも言えることである。
そして短気な人は忍耐力や冷静な判断力の不足から必然的にキレやすい(=感情的になりやすい)わけで、一度そうなってしまうと後先考えずに言ってはならないことを口走ってしまったり、無用なケンカを吹っ掛けてしまったりして後の人間関係に禍根を残しやすい(その結果どうなるかはお察しの通り)。
そして健康の観点でも短気は大敵であり、まず頻繁な苛立ちは高血圧の原因になり、それがもとで心筋梗塞や脳梗塞につながる危険性がある。そして活性酸素もより多く発生することが知られており(平静に過ごしていても生産はされる)、これは適量を遥かに越えているので体に害を与える。老化が早まったり、ガンになりやすくなったりと結構シャレにならない。
そしてストレスも言うに及ばず、これを溜めすぎて心身に深刻な不調を来たし、うつ病、自律神経失調症、統合失調症といった精神疾患に陥るリスクもある。
このように短気でいることのメリットは皆無で、損どころか自身の内外に害を及ぼす「敵」となるのだ。
諫めの言葉
「堪忍こそが長く続くことの秘訣である」:寛容さこそ大事と説く「神君御文」の一節。