概要
のラストシーン及びクライマックスシーンにて発言している。
以下、各映画のネタバレありのため注意。
アイアンマン
アイアンモンガーとの戦いを経て、スターク社の研究施設の爆発などを説明するために記者会見を開いたトニー。
当初は、アイアンマンの正体を隠した方が良いというローディからの助言に従って発言し、記者からの「アイアンマンの正体はあなたですか?」という質問にも、「私が?」とはぐらかそうとした。
しかし、ふと言いよどんでから、こう続けた。
「私がアイアンマンだ」
この瞬間、MCUにおけるスーパーヒーロー時代、そして混沌の時代が幕を開けたのだった。
アイアンマン3
アルドリッチ・キリアンとの戦いを経て、すべてのアイアンマン・アーマーを失ったトニー。
兼ねてよりスーツ依存症に悩まされ、ペッパー・ポッツからも戦いから離れるよう言われていたトニーは、もう二度とアーマーを作らないことを誓う。
だが、「アイアンマン」とは、アーマーのことを言うのではない。
アーマーを作り、装着するトニー自身がいなければ、アイアンマンは存在しない。
だから、彼はこう独白する。
「私がアイアンマンだ」
以下、エンドゲームのネタバレ注意。
アベンジャーズ/エンドゲーム
2023年、過去から持ってきたインフィニティ・ストーンにより消滅した人々を取り戻したアベンジャーズと、2014年の過去からタイムスリップしてきたサノス軍の戦いは佳境を迎えていた。
サノスは、未来(2018年)の自分による「宇宙全体の半分の命を消し去る」という行為が、生き残った者たちによる反逆を誘発したと考え、「宇宙そのものを消し去り、最初から作り直す」という手段を取ることに考えを変えた。
そしてそれを成すために、インフィニティ・ストーンがはまったナノ・ガントレットを奪おうとし、アベンジャーズはそれを阻止しようとする。
サノスは、ガントレットを持ったキャロル・ダンバース / キャプテン・マーベルからガントレットを奪い、右手にはめる。
いざ、指を鳴らそうとするサノスの右手をキャロルがつかみ、両者の力は拮抗──わずかに、キャロルの方が上であった。
腕からフォトンブラストを放とうとするキャロルに対し、サノスはガントレットから剥ぎ取ったパワー・ストーンにより、彼女を吹き飛ばす。
その光景を見ていたトニー・スターク / アイアンマンの脳裏に、一つの考えが浮かぶ。
そしてトニーは、スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジを見て――
ストレンジは、指を一本立てた。
──1400万605通りの未来を見てきた──
──それで、サノスに勝てる未来はいくつだ?──
──…1つだ──
パワー・ストーンをガントレットに戻し、再び指を鳴らそうとするサノスに、トニーが飛び掛かる。
それを振り払い、サノスは右手を掲げ、宣言する。
「私は絶対なのだ(I'm inevitable.)」
その指が、パチンと鳴らされた。
──だが、何も起こらない。
不思議に思ったサノスがガントレットの甲を見ると、そこにストーンは1つもなかった。
振り返るサノスの前で、しゃがみこんだトニーのアーマーの表面を、6つのストーンが移動し、その右手にはまった。
トニーのアーマーはナノテク製。ガントレットもまたトニーの制御下にあるナノテク製であり、トニーはサノスのガントレットを操作し、ストーンを奪ったのだ。
ストーンから流れるエネルギーに顔をしかめながら、トニーはサノスをにらみつけ、告げた。
「なら、私は──アイアンマンだ(And,I am…Ironman.)」
トニーが指を鳴らした瞬間、アベンジャーズを襲うサノス軍は塵になって消滅。
サノスもまた、自身の野望が潰えたことを受け入れ、瓦礫に座り、静かに目を閉じながら消えていった。
だが、強靭な肉体を持つサノスやブルース・バナー / ハルクでさえも腕が不随になるほどのインフィニティ・ストーンのパワーに、トニーの肉体は耐えきれなかった。
最愛の妻ペッパーや、長年の戦友ローディ / ウォーマシン、息子のように思っていたピーター・パーカー / スパイダーマン、そしてスティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ、ソーを含めた多くの仲間たちが見守る中、トニー・スタークはその生涯に幕を閉じた。
─────こうして、彼は自分を犠牲にして世界を救った。
だが、彼の意思が消えることはない。
彼の鉄の意思を継いだ後継者がいるのだから。
余談
この台詞は、MCU第1作『アイアンマン』の最後にトニーが言った「I am Ironman.」を踏まえたものである。
MCUの幕開けを担った言葉が、MCUの1つの幕を引いたということでもある。
監督であるルッソ兄弟により、「撮影当初あのシーンにセリフは無く、編集作業開始後に追加撮影されたシーンであり、エンドゲーム最後の撮影シーンでもある」と明かされている。
また全くの偶然ながら、このシーンを撮影したスタジオの隣は、アイアンマン第1作のオーディションが行われたスタジオであった。