概要
原作マンガにてリシドが切り札として使用した天使族の効果モンスター。「天使族」であり「聖獣」の肩書を持ち、そしてリシド曰く「聖なる領域の守護神」。しかし、そんな神秘的なイメージを微塵も感じさせない強烈な姿をしている。簡単に言えば巨大で悍ましい蠍のバケモノ。実際に(ソリッドビジョンと)対峙した城之内はドン引きであった。
ちなみにセルケトとはエジプトの女神であり、頭にサソリを乗せているか、下半身がサソリの姿で描かれることが多い。このモンスターが天使族なのも、サソリのような姿をしているのもそれが理由と思われる。それにしても衝撃的すぎる姿だが。
カードテキスト
(1):自分フィールドに「王家の神殿」が存在しない場合にこのカードは破壊される。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
このカードが戦闘で破壊したモンスターは除外される。
(3):このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合に発動する。
このカードの攻撃力は500アップする。
解説
上級モンスターとしては高い攻撃力を持つ上に戦闘でモンスターを破壊するほどパワーアップしていく。しかもこのモンスターに戦闘破壊されたモンスターは除外されてしまう。墓地に送られることで有用な効果を発揮するモンスターを実質的に封殺でき、また死者蘇生などでの蘇生や回収も難しいものとなる。一度暴れ出すと正面突破は非常に厳しい。
しかし、王家の神殿が自分のフィールド上に存在しないと自壊してしまうため、まず何より王家の神殿が無ければ戦闘はおろかまともに召喚することもできない。もし相対する事になった場合、大概は聖獣セルケトと直接対峙するより王家の神殿を狙った方が楽に攻略できるだろう。
ちなみに先述の除外効果の影響か、原作のソリッドビジョンでは戦闘破壊するモンスターを頭から貪り喰らい、遊戯王DMでは捕食の直接描写こそ避けるものの捕食したモンスターの特徴が聖獣セルケト本体に反映されてより醜悪な風貌と化していくというプレイヤーや視聴者の精神に常時ダイレクトアタックを仕掛けてくる仕様であった。その様子は使い手のリシドでさえも「身の毛もよだつ光景」と評している。
作中では王家の神殿に加え、「セルケトの紋章」「封魂の聖杯」という2枚の魔法カードも必要な特殊召喚モンスターであった。さらに特殊召喚したターンの攻撃ができない制約、戦闘破壊したモンスターの攻撃力の半分の数値分だけ自身の攻撃力アップ、生け贄にする場合は自身が戦闘破壊したモンスターの数と同じ数扱いという効果を持っていた。
一時期は王家の神殿が禁止カードに指定されていたため、このカードはスキルドレインなどで無理やりフィールド上に留めるようにするか、回りくどいコンボで御膳立てをしてやらなければ無事に召喚する事もままならない、別の意味で(使い手にとって)厄介極まりないモンスターだった。現在はエラッタされたことで王家の神殿が使用可能になり、このカードも本格的に活躍させることができるようになったが、王家の神殿はサーチの難しい永続魔法であり、このモンスターの召喚にも基本的にリリースが必須であるため、相変わらず使いこなすのは難しい。
なお、王家の神殿が禁止されていた時期にこのカードに似た昆虫族モンスター、ミレニアム・スコーピオンが登場した。イラストも然る事ながら、モンスターを破壊する度にパワーアップしていくのも同様、そして特定のカードに縛られず自由に動かせるが、やはり召喚にはリリースが必要、倒したモンスターを除外する事はできない、墓地に送らなければ攻撃力が上昇しない(トークンなどを破壊した場合は墓地に送られないために攻撃力が上がらない)、召喚時のステータスが聖獣セルケトより低く安定性が弱いなど、とてもではないが同じ感覚では使えないモンスターだった。