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会社の定期健康診断ではAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの3項目は必須となっている。

AST(GOT)

肝臓などの細胞に含まれている酵素。細胞が破壊されると血液中に漏れ出す。

これの数値が高いほど、肝臓などの細胞が沢山破壊されているということになる。ただしASTはALTやγ-GTPと異なり肝臓以外にも多く含まれるため、肝臓病以外の病気を調べることもできる。

詳細はAST・ALTを参照。

ALT(GPT)

特に肝臓に多く含まれる酵素。肝臓以外にはほとんど含まれない。

ASTと同様に、肝臓の細胞が破壊されると血液中に漏れ出す。この数値が高いほど、肝臓のダメージが大きいと判断できる。

詳細はAST・ALTを参照。

γ-GTP(ガンマGTP)

たんぱく質毒素などを分解する際に必要な酵素。

肝臓病の他、お酒の飲み過ぎでも数値が上昇する。

ビリルビン(T-BIL)

血液中のビリルビン(BIL)の濃度を調べる。濃度が高い場合は黄疸の原因になる。

通常、BILは肝臓で処理された後、胆汁として体外に排泄されるが、重い肝臓病胆石があるとBILが排出されにくくなってしまう。

総蛋白

判定総蛋白(TP)
正常6.5〜7.9g/dL
軽度異常8.0〜8.3g/dL
要経過観察6.2〜6.4g/dL
要精密検査
  • 6.1g/dL以下
  • または、8.4g/dL以上
疑われる病気

血液中のタンパク質(蛋白質)の総量を調べる。通称TP(total protein)。

肝臓では蛋白質が作られるが、肝硬変肝臓癌になるとこの機能が異常となるためTPが低下する。またネフローゼ症候群のように腎臓の機能が低下すると蛋白質が尿中に漏れ出してしまうため、こちらの場合もTPが低下する。

血小板数(PLT)

血液中の血小板の個数を調べる。

進行した慢性肝炎や肝硬変では肝臓への血流が減り、逆に脾臓(血小板などを壊す臓器)への血流が増えるため、PLTを調べるのは結構重要。

肝炎ウイルス検査

肝炎を引き起こすウイルス感染していないかどうかを調べる。

特にB型肝炎C型肝炎は放置すると肝硬変肝臓癌などの重大な病気を招く危険性が高いので重要。

項目としては以下のものがある。

  • HBs抗原

B型肝炎ウイルス(HBV)の外側のたんぱく質のこと。

これを調べることでHBVに感染しているかどうかが分かる。

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染した際に体内で作られる抗体のこと。

これを調べることでHBVに感染しているかどうかや、B型肝炎ワクチンを接種したかどうかが分かる。

  • HCV抗体

C型肝炎ウイルス(HCV)に感染した際に体内で作られる抗体のこと。

これを調べることでHCVに感染しているかどうかが分かる。

画像検査

腹部エコー(超音波)やCTスキャンMRIなどを使って肝臓などの病気を調べる。

肝生検

腹部を刺して肝臓の細胞の一部を採取する。

身体への負荷が非常に大きいため入院が必要。

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  • 血液検査(生化学検査)の用語集【肝機能検査、肝炎ウイルス検査】

    【肝機能検査】 ・AST(GOT) 肝臓や心臓、筋肉、赤血球などに多く含まれる酵素。細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は30以下。31以上は要注意。 これが51以上になると肝臓や心臓、筋肉、血液の病気にかかっている可能性が高いので精密検査が必要。 「ALTは正常範囲内だがASTが高い」という場合は肝臓以外の病気が考えられる。ちなみに筋トレのしすぎでも稀に高数値になり得る。 脂肪肝や慢性肝炎が悪化して肝硬変になるとALTだけでなくASTも上昇し、AST>ALTになる。 500以上は重い急性肝炎、1000以上は劇症肝炎の可能性が非常に高いので入院治療が必要。 ・ALT(GPT) 主に肝臓に多く含まれる酵素。肝臓などの細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は30以下。31以上は要注意。 これが51以上になると脂肪肝の可能性が、100以上になると肝炎の可能性が高い。 基本的に肝硬変になる前の慢性肝炎ではALT>ASTになる。(ただし例外的にアルコール性肝炎はAST>ALT。) 500以上は重い急性肝炎、1000以上は劇症肝炎の可能性が非常に高いので入院治療が必要。 ・ガンマGTP(γ-GTP) タンパク質や毒素を分解する役割を持つ酵素。肝臓などの細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は50以下。 51以上は脂肪肝、100以上は重い肝臓病の可能性が高い。 ちなみにアルコールをよく飲む人は健康でも100以上になりやすいので適切な量を守りましょう。 ・ビリルビン(BIL) 赤血球に含まれている黄色い色素。 寿命が来た赤血球が破壊される際に放出され、肝臓に運ばれて胆汁として排出される。 ・間接ビリルビン(I-BIL) 肝臓で処理される前のBILのこと。 ・直接ビリルビン(D-BIL) 肝臓で適切に処理された後のBILのこと。 後に胆汁として排出される。 基準範囲は0.4以下。 ・総ビリルビン(T-BIL) 血液中の全てのビリルビンの濃度のこと。I-BILとD-BILの合計値。 肝臓病や胆石などがあるとBILが排泄されなくなるため、数値が上昇する。 単位はmg/dL。正常範囲は0.2〜1.2。 1.21以上は要注意。2.0以上になると黄疸が生じるため、精密検査が必要になる。 ・血小板 血液中に存在する細胞成分の一つ。体内で出血が起こった際に血管の穴を塞いで傷を治し、出血を止める。 これが少なくなると出血が止まらなくなってしまう危険性がある。 進行した慢性肝炎や肝硬変では肝臓への血流が少なくなり、代わりに脾臓(血小板や)への血流が増えるため、血小板が減少しやすくなる(脾臓では赤血球や白血球、血小板などの破壊が行われるため)。 逆に多過ぎる場合も脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気を起こしやすくなる。 ・血小板数(PLT) 血液中の血小板の個数。単位は万個/μL。 正常範囲は15万~35万個/μL。 少なすぎる場合(10万個/μL未満)と多すぎる場合(40万個/μL以上)は精密検査が必要。 ----- 【肝炎ウイルス検査】 ・B型肝炎ウイルス(HBV) 急性肝炎または慢性肝炎を引き起こすウイルス。主に性行為や血液から感染する。 稀に重症化して劇症肝炎という非常に危険な病気を引き起こすことがある。 予防のためのワクチンがある。 ・HBs抗原 HBVの外側にあるタンパク質のこと。 血液検査ではこれを調べることで、HBVに感染していないかどうかを確認することができる。 陰性の場合はセーフ。陽性だった場合は精密検査が必要。 ・C型肝炎ウイルス(HCV) 慢性肝炎を引き起こすウイルス。主に性行為や血液から感染する。 治療せずに放置すると肝硬変や肝臓癌に進行する可能性がある、危険なウイルス。 ・HCV抗体 HCVに感染した際に体内に作られる抗体。 血液検査ではこれを調べることで、HCVに感染していないかどうかを確認することができる。 陰性の場合はセーフ。陽性だった場合は精密検査が必要。

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