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AST・ALT

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えええすていえええるてい

健康診断の生化学検査(血液検査)でよく見かける項目。主に肝臓の病気を調べるために使われるが、ALTと異なりASTは心臓や筋肉の病気でも数値が上昇することがある。
健康診断の生化学検査(血液検査)でよく見かける項目。主に肝臓の病気を調べるために使われるが、ALTと異なりASTは心臓や筋肉の病気でも数値が上昇することがある。

健康診断生化学検査血液検査)でよく見かける項目。

というか会社の定期健康診断では肝機能検査のうちAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの3つは必須項目となっている。

基本的にASTとALTは同時に測定される。


主に肝臓病気肝臓病)を調べるために使われるが、ALTと異なりAST心臓筋肉血液の病気でも数値が上昇することがある。


概要

概要

そもそもASTとALTは共に肝臓などに存在する酵素のことである。


ASTの正式名称はアスパラギン酸アミノ基転移酵素。昔はGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)とも呼ばれていた。

ALTの正式名称はアラニンアミノ基転移酵素。昔はGPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)と呼ばれていた。


大きな違いとしてはASTは肝臓だけでなく心臓筋肉腎臓赤血球などにも豊富に含まれているが、ALTはほぼ肝臓にしか存在しないという点があげられる。

また、体内ではASTの方が含有量が多い。


ASTの半減期は約5〜20時間、ALTの半減期は40〜50時間であり、ALTの方が長い。


肝臓などの細胞が壊されると血液中に流れ出るため、検査では数値が大きいほど多くの細胞が破壊されていると推測することができる。


検査におけるASTとALT

検査におけるASTとALT

判定AST(GOT)ALT(GPT)
正常30以下30以下
軽度異常31〜3531〜40
要経過観察36〜5041〜50
要精密検査51〜9951〜99
至急、病院へ!100以上100以上
疑われる病気

AST、ALT共に単位はU/L。

正常範囲は30以下。31以上は要注意。(ただし、検査を実施している病院によってはAST:35以下、ALT:40以下でも正常と判断される場合がある)


51以上になると要精密検査となることが多い。

特に100以上の場合は明らかに治療が必要な状態と考えられるので、すぐに病院に行くべきである(目安としては100以上で進行した脂肪肝や慢性肝炎の疑い、500以上重い急性肝炎の疑い、1000以上劇症肝炎が疑われる。)。


疑われる病気

実はASTとALTの比率である程度病気を推測することができる。


例えば非アルコール性脂肪肝や慢性肝炎ではALTが上昇するが、ASTは上昇しにくい

ただしALTと共にASTも上昇傾向にある場合は肝炎が進行していたり既に肝硬変になっている危険性もある(肝硬変まで進行するともう治らないので注意)。


アルコール性脂肪肝や薬剤性肝障害(副作用で起こる肝障害)ではAST、ALT共に上昇する。さらにγ-GTPも上昇する


急性肝炎では急激に肝臓の細胞が壊されるため、AST、ALT共にかなり上昇する

また初期はASTの方が高いものの、回復期にはALTの方が高くなる。(ALTの方が半減期が長いため)


逆にALTは低いがASTだけが高い場合は心臓や筋肉、血液の病気が疑われる。


ただし血液検査の数値だけでは何が原因でASTやALTの数値が上がっているかまでは分からないので、精密検査では肝炎ウイルス検査や腹部超音波(エコー)なども行われる

例えばALTが高かったので脂肪肝だと思って食事療法運動に気を付けていたがそれでも数値は下がらず、実は脂肪肝より危険なB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染していた、なんてパターンもある。


注意点

  • ウイルス性肝炎だけでなく、他の感染症エボラ出血熱デング熱COVID-19など)でも肝臓が腫れることがあり、その場合はAST・ALTが上昇する。
  • 劇症肝炎では状態が改善しないにもかかわらずAST・ALTが急激に低下してくる場合があり、これは予後不良のサインである。
  • 慢性肝炎が悪化して肝硬変になると正常な肝臓の細胞が減るため、AST・ALTの数値はむしろ低下する。したがってAST・ALTの数値が下がったからと言って必ずしも安心できるわけではない。
  • 健康な人でも激しい運動筋トレによって筋肉や赤血球が壊れると、ASTの数値が上昇することがある。
  • ALTが正常範囲内であってもASTより高い場合は何らかの肝疾患が隠れている可能性がある。(全く病気が無い健康な人ではASTの数値の方が高いのが普通であるため)
    • 正常範囲内であってもALTが20以上の場合は脂肪肝などの予備軍である可能性がある。
  • AST・ALTが低いことを問題視するケースは少ないが、低過ぎる(10未満の)場合栄養失調を起こしている可能性もある。したがってAST・ALTが低値だからと言って問題が無いわけでは無い。
    • 例えばALTが極端に低い場合はビタミンB6(ピリドキシン)が不足している可能性がある。

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健康診断生化学検査血液検査)でよく見かける項目。

というか会社の定期健康診断では肝機能検査のうちAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの3つは必須項目となっている。

基本的にASTとALTは同時に測定される。


主に肝臓病気肝臓病)を調べるために使われるが、ALTと異なりAST心臓筋肉血液の病気でも数値が上昇することがある。


概要

概要

そもそもASTとALTは共に肝臓などに存在する酵素のことである。


ASTの正式名称はアスパラギン酸アミノ基転移酵素。昔はGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)とも呼ばれていた。

ALTの正式名称はアラニンアミノ基転移酵素。昔はGPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)と呼ばれていた。


大きな違いとしてはASTは肝臓だけでなく心臓筋肉腎臓赤血球などにも豊富に含まれているが、ALTはほぼ肝臓にしか存在しないという点があげられる。

また、体内ではASTの方が含有量が多い。


ASTの半減期は約5〜20時間、ALTの半減期は40〜50時間であり、ALTの方が長い。


肝臓などの細胞が壊されると血液中に流れ出るため、検査では数値が大きいほど多くの細胞が破壊されていると推測することができる。


検査におけるASTとALT

検査におけるASTとALT

判定AST(GOT)ALT(GPT)
正常30以下30以下
軽度異常31〜3531〜40
要経過観察36〜5041〜50
要精密検査51〜9951〜99
至急、病院へ!100以上100以上
疑われる病気

AST、ALT共に単位はU/L。

正常範囲は30以下。31以上は要注意。(ただし、検査を実施している病院によってはAST:35以下、ALT:40以下でも正常と判断される場合がある)


51以上になると要精密検査となることが多い。

特に100以上の場合は明らかに治療が必要な状態と考えられるので、すぐに病院に行くべきである(目安としては100以上で進行した脂肪肝や慢性肝炎の疑い、500以上重い急性肝炎の疑い、1000以上劇症肝炎が疑われる。)。


疑われる病気

実はASTとALTの比率である程度病気を推測することができる。


例えば非アルコール性脂肪肝や慢性肝炎ではALTが上昇するが、ASTは上昇しにくい

ただしALTと共にASTも上昇傾向にある場合は肝炎が進行していたり既に肝硬変になっている危険性もある(肝硬変まで進行するともう治らないので注意)。


アルコール性脂肪肝や薬剤性肝障害(副作用で起こる肝障害)ではAST、ALT共に上昇する。さらにγ-GTPも上昇する


急性肝炎では急激に肝臓の細胞が壊されるため、AST、ALT共にかなり上昇する

また初期はASTの方が高いものの、回復期にはALTの方が高くなる。(ALTの方が半減期が長いため)


逆にALTは低いがASTだけが高い場合は心臓や筋肉、血液の病気が疑われる。


ただし血液検査の数値だけでは何が原因でASTやALTの数値が上がっているかまでは分からないので、精密検査では肝炎ウイルス検査や腹部超音波(エコー)なども行われる

例えばALTが高かったので脂肪肝だと思って食事療法運動に気を付けていたがそれでも数値は下がらず、実は脂肪肝より危険なB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染していた、なんてパターンもある。


注意点

  • ウイルス性肝炎だけでなく、他の感染症エボラ出血熱デング熱COVID-19など)でも肝臓が腫れることがあり、その場合はAST・ALTが上昇する。
  • 劇症肝炎では状態が改善しないにもかかわらずAST・ALTが急激に低下してくる場合があり、これは予後不良のサインである。
  • 慢性肝炎が悪化して肝硬変になると正常な肝臓の細胞が減るため、AST・ALTの数値はむしろ低下する。したがってAST・ALTの数値が下がったからと言って必ずしも安心できるわけではない。
  • 健康な人でも激しい運動筋トレによって筋肉や赤血球が壊れると、ASTの数値が上昇することがある。
  • ALTが正常範囲内であってもASTより高い場合は何らかの肝疾患が隠れている可能性がある。(全く病気が無い健康な人ではASTの数値の方が高いのが普通であるため)
    • 正常範囲内であってもALTが20以上の場合は脂肪肝などの予備軍である可能性がある。
  • AST・ALTが低いことを問題視するケースは少ないが、低過ぎる(10未満の)場合栄養失調を起こしている可能性もある。したがってAST・ALTが低値だからと言って問題が無いわけでは無い。
    • 例えばALTが極端に低い場合はビタミンB6(ピリドキシン)が不足している可能性がある。

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  • 血液検査(生化学検査)の用語集【肝機能検査、肝炎ウイルス検査】

    【肝機能検査】 ・AST(GOT) 肝臓や心臓、筋肉、赤血球などに多く含まれる酵素。細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は30以下。31以上は要注意。 これが51以上になると肝臓や心臓、筋肉、血液の病気にかかっている可能性が高いので精密検査が必要。 「ALTは正常範囲内だがASTが高い」という場合は肝臓以外の病気が考えられる。ちなみに筋トレのしすぎでも稀に高数値になり得る。 脂肪肝や慢性肝炎が悪化して肝硬変になるとALTだけでなくASTも上昇し、AST>ALTになる。 500以上は重い急性肝炎、1000以上は劇症肝炎の可能性が非常に高いので入院治療が必要。 ・ALT(GPT) 主に肝臓に多く含まれる酵素。肝臓などの細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は30以下。31以上は要注意。 これが51以上になると脂肪肝の可能性が、100以上になると肝炎の可能性が高い。 基本的に肝硬変になる前の慢性肝炎ではALT>ASTになる。(ただし例外的にアルコール性肝炎はAST>ALT。) 500以上は重い急性肝炎、1000以上は劇症肝炎の可能性が非常に高いので入院治療が必要。 ・ガンマGTP(γ-GTP) タンパク質や毒素を分解する役割を持つ酵素。肝臓などの細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は50以下。 51以上は脂肪肝、100以上は重い肝臓病の可能性が高い。 ちなみにアルコールをよく飲む人は健康でも100以上になりやすいので適切な量を守りましょう。 ・ビリルビン(BIL) 赤血球に含まれている黄色い色素。 寿命が来た赤血球が破壊される際に放出され、肝臓に運ばれて胆汁として排出される。 ・間接ビリルビン(I-BIL) 肝臓で処理される前のBILのこと。 ・直接ビリルビン(D-BIL) 肝臓で適切に処理された後のBILのこと。 後に胆汁として排出される。 基準範囲は0.4以下。 ・総ビリルビン(T-BIL) 血液中の全てのビリルビンの濃度のこと。I-BILとD-BILの合計値。 肝臓病や胆石などがあるとBILが排泄されなくなるため、数値が上昇する。 単位はmg/dL。正常範囲は0.2〜1.2。 1.21以上は要注意。2.0以上になると黄疸が生じるため、精密検査が必要になる。 ・血小板 血液中に存在する細胞成分の一つ。体内で出血が起こった際に血管の穴を塞いで傷を治し、出血を止める。 これが少なくなると出血が止まらなくなってしまう危険性がある。 進行した慢性肝炎や肝硬変では肝臓への血流が少なくなり、代わりに脾臓(血小板や)への血流が増えるため、血小板が減少しやすくなる(脾臓では赤血球や白血球、血小板などの破壊が行われるため)。 逆に多過ぎる場合も脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気を起こしやすくなる。 ・血小板数(PLT) 血液中の血小板の個数。単位は万個/μL。 正常範囲は15万~35万個/μL。 少なすぎる場合(10万個/μL未満)と多すぎる場合(40万個/μL以上)は精密検査が必要。 ----- 【肝炎ウイルス検査】 ・B型肝炎ウイルス(HBV) 急性肝炎または慢性肝炎を引き起こすウイルス。主に性行為や血液から感染する。 稀に重症化して劇症肝炎という非常に危険な病気を引き起こすことがある。 予防のためのワクチンがある。 ・HBs抗原 HBVの外側にあるタンパク質のこと。 血液検査ではこれを調べることで、HBVに感染していないかどうかを確認することができる。 陰性の場合はセーフ。陽性だった場合は精密検査が必要。 ・C型肝炎ウイルス(HCV) 慢性肝炎を引き起こすウイルス。主に性行為や血液から感染する。 治療せずに放置すると肝硬変や肝臓癌に進行する可能性がある、危険なウイルス。 ・HCV抗体 HCVに感染した際に体内に作られる抗体。 血液検査ではこれを調べることで、HCVに感染していないかどうかを確認することができる。 陰性の場合はセーフ。陽性だった場合は精密検査が必要。

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えええすていえええるてい

健康診断の生化学検査(血液検査)でよく見かける項目。主に肝臓の病気を調べるために使われるが、ALTと異なりASTは心臓や筋肉の病気でも数値が上昇することがある。
健康診断の生化学検査(血液検査)でよく見かける項目。主に肝臓の病気を調べるために使われるが、ALTと異なりASTは心臓や筋肉の病気でも数値が上昇することがある。

健康診断生化学検査血液検査)でよく見かける項目。

というか会社の定期健康診断では肝機能検査のうちAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの3つは必須項目となっている。

基本的にASTとALTは同時に測定される。


主に肝臓病気肝臓病)を調べるために使われるが、ALTと異なりAST心臓筋肉血液の病気でも数値が上昇することがある。


概要

概要

そもそもASTとALTは共に肝臓などに存在する酵素のことである。


ASTの正式名称はアスパラギン酸アミノ基転移酵素。昔はGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)とも呼ばれていた。

ALTの正式名称はアラニンアミノ基転移酵素。昔はGPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)と呼ばれていた。


大きな違いとしてはASTは肝臓だけでなく心臓筋肉腎臓赤血球などにも豊富に含まれているが、ALTはほぼ肝臓にしか存在しないという点があげられる。

また、体内ではASTの方が含有量が多い。


ASTの半減期は約5〜20時間、ALTの半減期は40〜50時間であり、ALTの方が長い。


肝臓などの細胞が壊されると血液中に流れ出るため、検査では数値が大きいほど多くの細胞が破壊されていると推測することができる。


検査におけるASTとALT

検査におけるASTとALT

判定AST(GOT)ALT(GPT)
正常30以下30以下
軽度異常31〜3531〜40
要経過観察36〜5041〜50
要精密検査51〜9951〜99
至急、病院へ!100以上100以上
疑われる病気

AST、ALT共に単位はU/L。

正常範囲は30以下。31以上は要注意。(ただし、検査を実施している病院によってはAST:35以下、ALT:40以下でも正常と判断される場合がある)


51以上になると要精密検査となることが多い。

特に100以上の場合は明らかに治療が必要な状態と考えられるので、すぐに病院に行くべきである(目安としては100以上で進行した脂肪肝や慢性肝炎の疑い、500以上重い急性肝炎の疑い、1000以上劇症肝炎が疑われる。)。


疑われる病気

実はASTとALTの比率である程度病気を推測することができる。


例えば非アルコール性脂肪肝や慢性肝炎ではALTが上昇するが、ASTは上昇しにくい

ただしALTと共にASTも上昇傾向にある場合は肝炎が進行していたり既に肝硬変になっている危険性もある(肝硬変まで進行するともう治らないので注意)。


アルコール性脂肪肝や薬剤性肝障害(副作用で起こる肝障害)ではAST、ALT共に上昇する。さらにγ-GTPも上昇する


急性肝炎では急激に肝臓の細胞が壊されるため、AST、ALT共にかなり上昇する

また初期はASTの方が高いものの、回復期にはALTの方が高くなる。(ALTの方が半減期が長いため)


逆にALTは低いがASTだけが高い場合は心臓や筋肉、血液の病気が疑われる。


ただし血液検査の数値だけでは何が原因でASTやALTの数値が上がっているかまでは分からないので、精密検査では肝炎ウイルス検査や腹部超音波(エコー)なども行われる

例えばALTが高かったので脂肪肝だと思って食事療法運動に気を付けていたがそれでも数値は下がらず、実は脂肪肝より危険なB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染していた、なんてパターンもある。


注意点

  • ウイルス性肝炎だけでなく、他の感染症エボラ出血熱デング熱COVID-19など)でも肝臓が腫れることがあり、その場合はAST・ALTが上昇する。
  • 劇症肝炎では状態が改善しないにもかかわらずAST・ALTが急激に低下してくる場合があり、これは予後不良のサインである。
  • 慢性肝炎が悪化して肝硬変になると正常な肝臓の細胞が減るため、AST・ALTの数値はむしろ低下する。したがってAST・ALTの数値が下がったからと言って必ずしも安心できるわけではない。
  • 健康な人でも激しい運動筋トレによって筋肉や赤血球が壊れると、ASTの数値が上昇することがある。
  • ALTが正常範囲内であってもASTより高い場合は何らかの肝疾患が隠れている可能性がある。(全く病気が無い健康な人ではASTの数値の方が高いのが普通であるため)
    • 正常範囲内であってもALTが20以上の場合は脂肪肝などの予備軍である可能性がある。
  • AST・ALTが低いことを問題視するケースは少ないが、低過ぎる(10未満の)場合栄養失調を起こしている可能性もある。したがってAST・ALTが低値だからと言って問題が無いわけでは無い。
    • 例えばALTが極端に低い場合はビタミンB6(ピリドキシン)が不足している可能性がある。

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というか会社の定期健康診断では肝機能検査のうちAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの3つは必須項目となっている。

基本的にASTとALTは同時に測定される。


主に肝臓病気肝臓病)を調べるために使われるが、ALTと異なりAST心臓筋肉血液の病気でも数値が上昇することがある。


概要

概要

そもそもASTとALTは共に肝臓などに存在する酵素のことである。


ASTの正式名称はアスパラギン酸アミノ基転移酵素。昔はGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)とも呼ばれていた。

ALTの正式名称はアラニンアミノ基転移酵素。昔はGPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)と呼ばれていた。


大きな違いとしてはASTは肝臓だけでなく心臓筋肉腎臓赤血球などにも豊富に含まれているが、ALTはほぼ肝臓にしか存在しないという点があげられる。

また、体内ではASTの方が含有量が多い。


ASTの半減期は約5〜20時間、ALTの半減期は40〜50時間であり、ALTの方が長い。


肝臓などの細胞が壊されると血液中に流れ出るため、検査では数値が大きいほど多くの細胞が破壊されていると推測することができる。


検査におけるASTとALT

検査におけるASTとALT

判定AST(GOT)ALT(GPT)
正常30以下30以下
軽度異常31〜3531〜40
要経過観察36〜5041〜50
要精密検査51〜9951〜99
至急、病院へ!100以上100以上
疑われる病気

AST、ALT共に単位はU/L。

正常範囲は30以下。31以上は要注意。(ただし、検査を実施している病院によってはAST:35以下、ALT:40以下でも正常と判断される場合がある)


51以上になると要精密検査となることが多い。

特に100以上の場合は明らかに治療が必要な状態と考えられるので、すぐに病院に行くべきである(目安としては100以上で進行した脂肪肝や慢性肝炎の疑い、500以上重い急性肝炎の疑い、1000以上劇症肝炎が疑われる。)。


疑われる病気

実はASTとALTの比率である程度病気を推測することができる。


例えば非アルコール性脂肪肝や慢性肝炎ではALTが上昇するが、ASTは上昇しにくい

ただしALTと共にASTも上昇傾向にある場合は肝炎が進行していたり既に肝硬変になっている危険性もある(肝硬変まで進行するともう治らないので注意)。


アルコール性脂肪肝や薬剤性肝障害(副作用で起こる肝障害)ではAST、ALT共に上昇する。さらにγ-GTPも上昇する


急性肝炎では急激に肝臓の細胞が壊されるため、AST、ALT共にかなり上昇する

また初期はASTの方が高いものの、回復期にはALTの方が高くなる。(ALTの方が半減期が長いため)


逆にALTは低いがASTだけが高い場合は心臓や筋肉、血液の病気が疑われる。


ただし血液検査の数値だけでは何が原因でASTやALTの数値が上がっているかまでは分からないので、精密検査では肝炎ウイルス検査や腹部超音波(エコー)なども行われる

例えばALTが高かったので脂肪肝だと思って食事療法運動に気を付けていたがそれでも数値は下がらず、実は脂肪肝より危険なB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染していた、なんてパターンもある。


注意点

  • ウイルス性肝炎だけでなく、他の感染症エボラ出血熱デング熱COVID-19など)でも肝臓が腫れることがあり、その場合はAST・ALTが上昇する。
  • 劇症肝炎では状態が改善しないにもかかわらずAST・ALTが急激に低下してくる場合があり、これは予後不良のサインである。
  • 慢性肝炎が悪化して肝硬変になると正常な肝臓の細胞が減るため、AST・ALTの数値はむしろ低下する。したがってAST・ALTの数値が下がったからと言って必ずしも安心できるわけではない。
  • 健康な人でも激しい運動筋トレによって筋肉や赤血球が壊れると、ASTの数値が上昇することがある。
  • ALTが正常範囲内であってもASTより高い場合は何らかの肝疾患が隠れている可能性がある。(全く病気が無い健康な人ではASTの数値の方が高いのが普通であるため)
    • 正常範囲内であってもALTが20以上の場合は脂肪肝などの予備軍である可能性がある。
  • AST・ALTが低いことを問題視するケースは少ないが、低過ぎる(10未満の)場合栄養失調を起こしている可能性もある。したがってAST・ALTが低値だからと言って問題が無いわけでは無い。
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  • 血液検査(生化学検査)の用語集【肝機能検査、肝炎ウイルス検査】

    【肝機能検査】 ・AST(GOT) 肝臓や心臓、筋肉、赤血球などに多く含まれる酵素。細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は30以下。31以上は要注意。 これが51以上になると肝臓や心臓、筋肉、血液の病気にかかっている可能性が高いので精密検査が必要。 「ALTは正常範囲内だがASTが高い」という場合は肝臓以外の病気が考えられる。ちなみに筋トレのしすぎでも稀に高数値になり得る。 脂肪肝や慢性肝炎が悪化して肝硬変になるとALTだけでなくASTも上昇し、AST>ALTになる。 500以上は重い急性肝炎、1000以上は劇症肝炎の可能性が非常に高いので入院治療が必要。 ・ALT(GPT) 主に肝臓に多く含まれる酵素。肝臓などの細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は30以下。31以上は要注意。 これが51以上になると脂肪肝の可能性が、100以上になると肝炎の可能性が高い。 基本的に肝硬変になる前の慢性肝炎ではALT>ASTになる。(ただし例外的にアルコール性肝炎はAST>ALT。) 500以上は重い急性肝炎、1000以上は劇症肝炎の可能性が非常に高いので入院治療が必要。 ・ガンマGTP(γ-GTP) タンパク質や毒素を分解する役割を持つ酵素。肝臓などの細胞が壊れると血液中に漏れ出してくる。 単位はU/L。正常範囲は50以下。 51以上は脂肪肝、100以上は重い肝臓病の可能性が高い。 ちなみにアルコールをよく飲む人は健康でも100以上になりやすいので適切な量を守りましょう。 ・ビリルビン(BIL) 赤血球に含まれている黄色い色素。 寿命が来た赤血球が破壊される際に放出され、肝臓に運ばれて胆汁として排出される。 ・間接ビリルビン(I-BIL) 肝臓で処理される前のBILのこと。 ・直接ビリルビン(D-BIL) 肝臓で適切に処理された後のBILのこと。 後に胆汁として排出される。 基準範囲は0.4以下。 ・総ビリルビン(T-BIL) 血液中の全てのビリルビンの濃度のこと。I-BILとD-BILの合計値。 肝臓病や胆石などがあるとBILが排泄されなくなるため、数値が上昇する。 単位はmg/dL。正常範囲は0.2〜1.2。 1.21以上は要注意。2.0以上になると黄疸が生じるため、精密検査が必要になる。 ・血小板 血液中に存在する細胞成分の一つ。体内で出血が起こった際に血管の穴を塞いで傷を治し、出血を止める。 これが少なくなると出血が止まらなくなってしまう危険性がある。 進行した慢性肝炎や肝硬変では肝臓への血流が少なくなり、代わりに脾臓(血小板や)への血流が増えるため、血小板が減少しやすくなる(脾臓では赤血球や白血球、血小板などの破壊が行われるため)。 逆に多過ぎる場合も脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気を起こしやすくなる。 ・血小板数(PLT) 血液中の血小板の個数。単位は万個/μL。 正常範囲は15万~35万個/μL。 少なすぎる場合(10万個/μL未満)と多すぎる場合(40万個/μL以上)は精密検査が必要。 ----- 【肝炎ウイルス検査】 ・B型肝炎ウイルス(HBV) 急性肝炎または慢性肝炎を引き起こすウイルス。主に性行為や血液から感染する。 稀に重症化して劇症肝炎という非常に危険な病気を引き起こすことがある。 予防のためのワクチンがある。 ・HBs抗原 HBVの外側にあるタンパク質のこと。 血液検査ではこれを調べることで、HBVに感染していないかどうかを確認することができる。 陰性の場合はセーフ。陽性だった場合は精密検査が必要。 ・C型肝炎ウイルス(HCV) 慢性肝炎を引き起こすウイルス。主に性行為や血液から感染する。 治療せずに放置すると肝硬変や肝臓癌に進行する可能性がある、危険なウイルス。 ・HCV抗体 HCVに感染した際に体内に作られる抗体。 血液検査ではこれを調べることで、HCVに感染していないかどうかを確認することができる。 陰性の場合はセーフ。陽性だった場合は精密検査が必要。

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