芹沢鴨(Fate)
せりざわかも
※ このプロフィールは本百科の推測であり公式によるものではないため注意。
『Fate/Grand Order』に登場するセイバークラスのサーヴァント。
期間限定イベント『ぐだぐだ邪馬台国』にてNPCとして登場した。
本イベントにおける黒幕であり、当初は「新選組局長」を名乗っていた。
かつて邪馬台国と争い滅ぼされた闇の国「狗奴国」の怨念たちが、偶然自然聖杯と接触した結果、反英霊とされていた彼の召喚に成功。
復讐を望む彼らの願いに応え、また利用するつもりで、国滅ぼしの陰謀を張り巡らせる事になる。
前年の柴田勝家同様、クラスと専用のバトルグラを持って戦うことになるが、プレイアブルとしての実装はされていない特殊な枠に入る。
幕末の京都を中心に活動した治安組織「新選組」に関わった志士、「芹沢鴨」。
新選組の前身である浪士組におけるメンバーの1人で、後に近藤勇、土方歳三などと共に壬生浪士組を立ち上げた男。この壬生浪士組が後に名を変え「新選組」となったため、近藤と並んで事実上新選組の創設者でもある。
常陸国水戸藩の出身。また芹沢鴨という名前は変名で、本名は下村嗣次と伝わっている。
新選組立ち上げ期のメンバーは近藤勇が率いる幕府に仕え武士道を重んじる同志「試衛館派」、芹沢鴨が率いる尊皇攘夷を掲げる同志「水戸派」で構成されていた(史実ではこの他に、殿内義雄という人物の派閥も存在したが結成直後に殿内が暗殺され、同志も脱退し壊滅した)関係から、当初は近藤勇、芹沢鴨、同じく水戸派の新見錦(後に不祥事で降格)の3名が「局長」を名乗り運営する体制で、中でも芹沢は筆頭局長を務めた。
これは立ち上げに際して芹沢自身が持っていた会津藩(現在で言うところの福島県、新潟県)との人脈(コネ)を利用したことから※1、実質的なトップとして隊を取り仕切る立場にあった。
人を纏め上げる手腕およびカリスマを十分に持ち、新選組を切り盛りしていた芹沢だったが、同時に彼は酔っ払って騒ぎ(恐喝、傷害事件、乱闘など)を起こす問題人物でもあった。
それが次第に目立つようになったことで彼の立場は悪くなっていき、朝廷にその乱暴狼藉がバレたのをきっかけに逮捕命令が下されるまでになる(理由はこの他に、八月十八日の政変で彼および彼の率いる攘夷派のメンバーが雇主である会津藩にとって邪魔になった、という政治的な理由や、藩主の松平容保が近藤を気に入り試衛館派を信頼する様になったという私情もある)。
そして1863年、突然数人の男が酒に酔って寝ている芹沢のいる部屋に押し入った。
芹沢は慌てて抵抗するも、そのまま男たちの手によって切り付けられ、殺害された。
この「数人の男」は表向きは長州藩の手の者とされ、記録にもそう記されているものの、実際には朝廷から会津藩を経由して密命を受けた土方歳三、沖田総司、山南敬助、原田左之助ら新選組隊士であるというのが21世紀現在における主流な説となっている。
実行犯として彼のもとへ押し入ったのが誰なのかについては諸説あるが、Fateでは土方、沖田、斎藤、山南、原田(土方の発言から)の5名という独自説を採用しているようである。
芹沢が討たれた時点でもう1人の局長の新見や部下の平山五郎達も亡くなっていたため、芹沢の死後、新選組の実権は「武士道」を掲げる近藤勇ら試衛館派が握ることとなる。
土方、沖田、永倉など、創作によく登場するメンバーは大体この試衛館派である。
一人称は普段は「私(わたし)」、素の状態では「俺」。
上記の来歴が示すように、その性格は豪放磊落にして悪辣非道。普段はねっとりとした丁寧語で喋るが、感情が昂るとドスの効いた粗暴な口調になる。
その信念も含めて、良くも悪くもヤクザ者に近い性根の持ち主であり、国を憂うが故に国を壊し、その上で国を救う尽忠報国の士であり、そのためには手段を選ばない筋の通った悪党。
「まず志(目的)が先にあり、手段は二の次」という考え方の人間であり、志のある人間は翻意を見せようとも好意的に接する。逆に、武士道という「手段」にこだわり続けた試衛館派の面々(近藤勇、土方歳三など)は「志のない人間」として激しく嫌悪しており、新選組が潰れたのは試衛館派の連中がそこに執着し続けたせいだ、とまで主張している。
ノッブを模した埴輪の姿をした凶つ神を見ても全く動じず、高笑いをしながら「国が亡ぶ時はとびきり滑稽で悪趣味であるべき」と言い放ち、クコチヒコの怨霊をその身に受け入れても自我を保つなど凄まじい胆力を持つ一方で、斎藤の裏切りを見抜くなど観察眼にも優れる。
しかし、史実では子供に好かれていたというエピソードが残っている(この点にはイベントシナリオや沖田の幕間の物語でも言及されている)他、信勝に心臓を刺された際には自身を刺した信勝ではなく、土方に対して「こんなガキに暗殺仕事か?鬼の副長とやらも焼きが回ったなぁ、おい!」と一喝しており、子供への面倒見の良さと武士として通すべき矜持があることが窺える。
「舞台が邪馬台国」「巨大ハニョブ」というトンチキ案件を前にしても、終始シリアスに悪役を貫いた人物としてマスターからの評価は高い。一部からはそのキャラクターを言峰綺礼に準えて「外道ではないが非道。悪人ではないが悪党」とも。
上述した通り、悪辣でありながらも非常に優秀な人物で、生前追放粛清される前は新撰組でもトップクラスの実力を持っていた(ある回想では絡んできた力士を、片手で軽々とぶっ飛ばしている)。
隊士たちの襲撃を受けた晩も、事前にその計画を察知して彼らを待ち構え、(最終的に敗れたが)沖田たち主要メンバー複数を一人で相手取った程である。
最終決戦においてはクコチヒコと同化しながらも最後まで自我を保っていたのだが、劇中でも語られた通りクコチヒコ及びその前身となった狗神は、狗奴国の亡霊の集合体という相当凶悪な怨霊・邪神の類である。それを、由来・逸話的にはただの人間の身でしかない筈の芹沢が完全にコントロールしているのだから、その精神力の強さたるや相当の物である。
聖杯の悪影響を跳ね除けたギルガメッシュや土方にも匹敵するのではないだろうか……?
更に付け加えると、
- クコチヒコとの融合直前に、信勝に霊核の心臓を刺し貫かれている(しかもこのダメージ自体が全くない様子だった)。
- 本領を発揮した卑弥呼とカルデアの面々にクコチヒコ諸共敗れるも、クコチヒコは消滅したにもかかわらず芹沢本人はまだ生き残っていた。
- その状態で土方・沖田・斎藤と死闘を繰り広げ、三人の総攻撃からの宝具開放を受けても尚倒れず。山南の不意打ちによりようやく重傷を負うもまだ辛うじて生きており、最後の力で闇に飲まれようとする山南を突き飛ばし助ける。
劇中で斎藤も言っていたが、怪物としか言いようがない耐久力である。
耐久EXか戦闘続行スキルA+はあるんではなかろうか。
また、彼も新選組の幹部格(というか初代局長)である為、設定上は沖田同様、宝具「誠の旗」は所有しているものと思われる。内容はおろか存在すらイベント中では言及されることはなかったが、彼の場合はおそらく、前述の新見をはじめとした水戸派の隊士の誰かが召喚されるのだろう。
モーション中では、融合したクコチヒコの力を利用して、黒曜石製の剣に赤黒い炎を纏わせた斬撃や、頭上から赤雷を落としたりという攻撃を披露する。
尽忠報国の刃(じんちゅうほうこくのやいば)
エネミーとしての戦闘の際に披露するチャージ攻撃。
モーションでは、赤い雷撃と共に自身の前方に出現させた黒曜石製の剣を掴んで前方に飛びかかり、頭上から渾身の斬撃を食らわせる。
本来の芹沢の宝具もこの名称かは不明だが、便宜上、ここに記載する。
ゲーム上での効果は【単体攻撃&防御強化解除&防御力ダウン(3T)】。
生前
ともに局長を務めていた人物。最終的に彼の一派に殺された事や、彼に思想性がなかった事から、蛇蝎のごとく嫌っている。
但し、近藤も会津藩や徳川幕府に対する忠義を思想としていたため、決して思想や理念の類はなかったわけではない。また、芹沢が暗殺された理由の半分は彼の今までの悪行が原因なのだが……
逆に近藤からしてみれば、農民出身だった自身に武士として生きる場所を作ってくれた、大恩ある会津藩の顔に泥を塗る行いをし続けた芹沢達は到底許し難い存在でもあった。
かつての部下で芹沢暗殺実行犯の1人。
生前は相容れぬ犬猿の仲だったようだが、お互いに認めていた部分もある。
かつての部下で芹沢暗殺の実行犯の1人。
史実においても仲が良かったとされ、沖田だけは「総司」と下の名前で呼び、沖田も「鴨さん」と呼んで見送っていることから、親戚の叔父と姪にも似た浅からぬ関係であったことが窺える。
というのも芹沢は沖田の異常性を気づいており「敵にしてはいけない」と理解していた模様。
かつての部下で今作では芹沢暗殺実行犯の1人。
邪馬台国では協力関係にあったが、芹沢は斎藤がダブルスパイであったことを見抜いていた。
かつての部下で芹沢暗殺実行犯の1人。
近藤勇に裏切られた仲、として邪馬台国では協力関係にあった。
かつての部下の1人。
試衛館派に残った中では芹沢にさほど悪感情を持っておらず、向こうからは「旦那」と呼ばれ仲が良かった模様。
かつての部下で芹沢暗殺の実行犯の1人。暗殺事件の際は裏口を固めていた。
生前の芹沢派の同志で自身の右腕的存在。芹沢や近藤と共に局長を務めた(後に不祥事で副長へ降格となった)。
彼とは新選組以前からの付き合いがある(水戸天狗党時代からの同志)。芹沢と共に数々の悪事を行ったが、近藤や土方ら試衛館派によって(表沙汰では)局注法度違反で粛清された。
生前ともに行動していた芹沢の部下。芹沢や新見と共に商家への恐喝などの乱暴狼藉を行った。
しかし会津藩の命令を受けた、近藤派によって芹沢を含めて、新見、平山、野口が粛清され、平間も逃亡し、最終的に芹沢派(水戸派)は壊滅することとなる。
お梅
生前の愛妾。
芹沢暗殺の際、巻き添えを食う形で芹沢と共に殺害された。
会津藩9代目藩主。芹沢や近藤ら新選組の雇い主。芹沢の度重なる乱暴狼藉に頭を悩ませていたが、最終的に近藤ら試衛館派に命じ、彼とその一派を処分した。
※1 但しこの話は諸説であり、現時点では幕臣・佐々木只三郎(後の京都見廻組与頭)が当時会津藩公用方だった兄に口添えをし、会津藩御預りとなったことが有力説である。
ちなみに、型月世界では、芹沢が会津藩に話を付けて結成した事となっている模様。
登場当初は「局長」とだけ呼ばれており、読み手に「近藤勇なのでは?」と思わせるミスリードがあったが
- 創作における芹沢鴨のイメージまんまの立ち絵と言動
- 史実にて芹沢鴨が愛用していたという鉄扇を持っている
- というかその鉄扇に堂々と「芹沢鴨」と書いてある(これも史実通り)
という点から、新選組の知識がある人間には真名が芹沢鴨であることがバレバレであった。
これらの芹沢だと特定されるヒントは最初からあったが、当初気づいていなかったマスターの中には、そのゴリラ顔からどこぞのゴリラ局長を連想させた者もちらほら居たらしい。
詳しくは『ぐだぐだ邪馬台国』の記事に譲るが、彼が仕掛けたレイド戦でマスターたちは大苦戦し、カルデアは敗北の一歩手前まで追い込まれた。
このためマスターたちは畏敬の念を込めて「カルデア史上最強の敵」「カルデアを最も追い詰めた男」「ゲーティアを超えた男」などと彼を讃えた。
レイド戦では需要の高い金素材である真理の卵のドロップが望まれ、真理の卵をドロップする嵐ノブが真っ先に倒され、卵難民が生まれた結果、Twitterのサジェストに「産卵」が出ることになってしまった。
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