概要
歴史上で英雄と呼ばれる人々は何事にも精力旺盛にあたるため、多くの女性に対し手を付けたがる女好きなのだ、という意味のことわざ。四字熟語表現として「英雄好色」、類義語に「英傑色を好む」など。
一人の女性に入れ込む男はしょせん小物だ、という愛妻家への軽蔑の意味が込められている場合もある。
昭和の多くの財界人や芸能人、大物政治家の中には「浮気は男の甲斐性」、「女遊びは芸の肥やし」などと嘯き、妾を持ったり女遊びを公然にして恥じない者もいた(財界人は五島慶太、芸能人では勝新太郎、政治家では田中角栄など)。明治時代には盛大に女をとっかえひっかえしていた者(伊藤博文、渋沢栄一など)もいたが、それは同時代の人物たちからも議論の的になるほどであった。
しかし、現代の価値観では当然倫理的にアウトであり、世間からは決して好意的には見られない。妻帯者が外で女を作っていることが露見した際に「不倫は文化」などと発言して居直ってしまったら炎上は免れない。
この言葉の起源は不明であるが、福沢諭吉と速記者の談話『福沢先生浮世談』(1898年)で使用されていたのが確認できるうちでは最初とされる。
歴史上、多くの王侯貴族や武将が側室や愛人を持っていたことが知られるが、彼らは多くの子孫を残すためにそうしていたのであって、単に女好きであったからというわけではない。