曖昧さ回避
概要
藍の葉(蓼藍/タデ藍)を発酵・乾燥させた『すくも(蒅)』(すくもを作る職人を藍師と言う)をお湯と灰の上澄みの水(灰汁)と石灰(微生物が育ちやすいアルカリ性を保つため)、更に日本酒や炊いたふすま(小麦の皮)などを入れて(微生物・枯草こそう菌のエサ)発酵させて(藍建て)布を染める。すくもの段階だと不溶性なので、再発酵させる『藍建て』が必要になる(藍建ての出来は職人の腕次第。味やにおい、音など五感で管理)。
また、夏の間だけ染めることが出来る、新鮮な生の葉で染めた生葉染めがある。
液に浸かっている段階(酸素に触れない状態)だと薄い緑色だが、液から取り出し空気に触れると化学反応(酸化還元反応)で藍色に変化し、色が水に溶けない物質に変化する。
(藍の葉に含まれる酵素とインディカン(無色)→葉の組織を破壊→インディカンが酵素の働きによりインドキシル(無色)に変化→布の繊維の中に入り込んだ後、酸素に触れ酸化→二つのインドキシルが結合→インディゴに変化→一度酸化したインディゴは水に溶けないため布が青く染まる。)
うだつが上がらないということわざがあるが、藍染めで有名な徳島県の脇町や美馬市は藍でうだつ(卯建)が上がった町。
植物染めで最初から緑色に染められる染料は存在しないので、藍染めした後、黄色の染料に浸け(植物染めの中でも黄色系に染められる植物は沢山あり、染料を作るのも簡単。しかし様々な黄色があるから日本の染物は幅が広がったという黄色も重要な色)、緑色にする。それぞれの濃さや色味の違いで様々な緑系の色に染める。(例:藍染×苅安=青竹色/藍染×黄蘗きはだ=若草色)
また、藍染めで染めた布は虫除け効果が抜群なことは昔から知られていたが、近年「アトピー性皮膚炎」への抗菌効果が判明した。(インディゴアレルギーはインド原産のインド藍を使用している商品で出ているようですが、日本のタデ藍とは別の種。タデ藍はタデ科で、インド藍はマメ科)
日本最古と言われる染色技法『正藍冷染』
※文化財登録では“正藍染”。“正藍冷染”は千葉家の商標登録。
関連タグ
染色 草木染め 染色 ろうけつ染め(蝋結染/蝋纈染/臈纈染) 藍色 小泉八雲 ジャパンブルー 紺屋の白袴