概要
1937年、日中戦争の勃発に伴い毎日新聞は「進軍の歌」の歌詞を公募、京都市役所に勤務していた籔内喜一郎の詞が当選した。
これが「露営の歌」と題され紙面に掲載されたが、古関裕而はこの歌詞を見て感じ入り作曲を行った。
日本コロムビアの社員が「露営の歌」の作曲を依頼したときには既に曲は完成しており、古関は「それならもう出来ていますよ」と言って楽譜を差し出したという。
京都市嵐山に「露営の歌碑」が設置されており、題字を陸軍大将松井石根が手掛けた。
発売
A面「進軍の歌」
作詞:本多信寿
作曲:辻順治
歌唱:陸軍戸山学校軍楽隊
B面「露営の歌」
作詞:籔内喜一郎
作曲:古関裕而
レコード番号:29530
露営の歌は進軍の歌のB面…つまりは裏面の曲として収録された。
だが、発売されるとA面の進軍の歌を遥かに凌ぐ人気を獲得し、一気にヒットソングに躍り出た。
市井だけでなく軍隊でも盛んに愛唱されレコードの売り上げは60万枚に達している。
南京で露営の歌を歌う日本軍将兵
『続編』の製作
露営の歌の大ヒットを受け、派生作品や関連音楽も製作された。
前奏に西條八十による歌詞を付けた「さくら進軍」や「続露営の歌」といった歌曲のほかにリーガルレコード(コロムビア・レコードの廉価版レーベル)からは歌詞を元にした軍事物語も作られ、発売されている。
軍事物語「露営の歌」
余談
戦後の1973年6月から9月まで日本テレビ系列で『露営の歌』の冒頭の歌詞を引用した買い物ゲームバラエティ番組『買ッテ来ルゾト勇マシク』が放送され、番組テーマ曲として替え歌が歌われていた。