概要
「霹靂布袋戲」の「英雄戰紀」シリーズ第1作目。
2019年1月に公開され、1990年の「霹靂異數」のリメイクで、全20章。
劇場公開作品である「聖石傳説」と並び、日本語字幕で見られる数少ない作品。
Netflixでは「PILI人形劇:ウォー・オブ・ドラゴンズ」として配信される。
2020年5月6日から、霹靂布袋戲のYoutube公式チャンネルで一時期無料配信された。
登録タグとして「刀說異數」で投稿された作品が多い。
作品解説
物語の流れは、「霹靂異數」を基に素還真の死から一頁書の登場までとなる。「霹靂異數」のリメイクでありながら、大きく変更された部分がいくつか見られる。製作スタッフの一人・黃亮勛氏が「霹靂宇宙の平行時空」と発言しており、実質新作である。
従来の「霹靂布袋戲」シリーズの閩南語バージョンでは、口白師・黃文擇氏が一人でキャラクター全員の声を担当していた。本作はそれと異なり、多人数でキャラクターの声を担当する形になる。複数の声の担当は「霹靂驚濤」でも見られるが、女性の声の採用は本作で初となる。
あらすじ
暴力で中原を支配していた歐陽世家が討たれるも、苦境に平和は戻らなかった。新たな支配者をめぐって、再び戦火に覆われたのだ。
この争いを止めようとした素還真は「武林で起こる厄介事に二度と関わらない」という誓いを反故にした天罰を受けて、死亡してしまう。
世界に邪気が溢れ情勢が不安定になった今、かつて苦境を襲い遂古龍神に撃退されて、以来鳴りを潜めていた邪龍・冥海龍靈は復活を目論み、魔龍八奇を招集していた。
魔龍八奇の対抗勢力・天虎八將の一員である崎路人は、行動不能の素還真の代わりに奔走するが、その裏では魔域が天虎八將・魔龍八奇の双方を排除して世界を支配しようとしていた……。
主な登場人物
中原正道
主人公。天虎八將のリーダー。
天罰の雷で死亡するが、自らの死を見越して対策を講じていたおかげで無事蘇生する。
冥海龍靈を討ち滅ぼせる唯一の刀・龍骨聖刀を手に入れるため万俟焉が課した謎に挑む。
兄の仇を追って集境からやってきた青年。天虎八將の一員で、素還真不在の間、彼の代わりに奔走する。
万俟焉に吹っ飛ばされ頭を強打して以降、奇行に走るようになるが、その言動の端々から理性が垣間見える。
「刀狂劍痴」の通称で知られる剣客。師匠は死に、グレた息子と対立し、一劍萬生から命を狙われ何度も死にかけるなど、散々な目に遭いまくる。
靈心異佛
天虎八將の一員で、秦假仙に憑依していた人物。秦假仙もろとも太黃君の奥義「波幻迷掌」を受けてしまう。
秦假仙、蔭屍人
下ネタ多めのお笑い担当。靈心異佛に憑依され魔域に目を付けられたりしながらも情報収集や使い走りをする。蔭屍人は波幻迷掌を受け余命僅かとなった秦假仙を救うため、とんでもない行動に出てしまう。
魔龍八奇
冥海龍靈
かつて苦境を襲った邪龍。關足天を利用し中原の王に仕立て上げ、大量の生贄を捧げさせることで復活を目論んでいた。その企みが失敗に終わってからは、遂古龍神の子・初龍に狙いを定める。
太黃君
魔龍八奇の長を自任する仙人。冥海龍靈に認められようと天虎八將の排除、龍骨聖刀の奪取に策を巡らすが、後手後手に回ってしまい焦燥している。
天下無双の刀の達人。龍骨聖刀と対になる至魔の刀・衍那魔刀の持ち主であり冥海龍靈から特別視されているが従う気は更々ない。弟子の冷劍白狐に目をかけている。
不夜天の女主人。琴棋書画に優れた才女で万俟焉が課した謎の答えを知っている。
魔域
南宮取
元は素還真の右腕とも称される人物だったが、魔域に捕縛・支配されてしまう。不本意ながら、天虎八將殺しの命令を実行していたが、靈心異佛と寒夜殘燈によって魔域の支配から逃れる。
陰冥皇
魔域第一殿のボスで、陰間大法師の上司。阿修羅主宰らとは同じ魔域の所属でありながら天魔祭の主祭の座をめぐり対立している。
陰間大法師
南宮取を支配した張本人。南宮取を逃がした失態で等活地顎に送られ等活老樹の邪気と融合、「等活天羅」として新生する。
阿修羅主宰
阿修羅道院のボス。陰冥皇を出し抜き、天魔祭の主祭の座を得た。過去に花信風と何らかの因縁がある模様。
北域
關足天
歐陽世家の後釜を狙う勢力のひとつ・金陽聖帝。部下からの裏切りをはじめ散々な目に遭う。
一線生
金陽聖帝の軍師だが、素還真と結託し關足天を陥れ、北域から追い出した。
自らの最高傑作・熾霹靂を手に入れた太黃君、藍晶人と行動を共にする。
通瑤池
歐陽世家の後釜を狙う勢力のひとつ・神蠶宮の女帝。妖虫・獅蠶の力により不死の肉体を持つ。
紫天后
通瑤池の部下だが下克上を果たすため、崎路人と共謀し通瑤池暗殺計画を立てる。
枯葉
天虎八將の一人で寡黙な少年剣客。通瑤池とは義理のきょうだいにあたり、陥れられた彼女の復讐を誓う。
その出自は拜邪教にあり、至邪の剣・金鱗蠎邪の正当な持ち主。
火雲姑
通瑤池の実母で枯葉の義母。争いをやめさせようとする善良な人物。
挽秋居
命七天
かつて「照世明燈」として活動していたが今は隠居して妻と共に暮らしている。第十式まである菩薩印を第八式まで修得している。
秋別
竹と舞を愛する命七天の妻。美しく気立ても良い非の打ちどころがない女性だが、生まれつき病弱で自分の命がもう長くないことを悟っている。
天蝶盟
天蝶盟の主。未だ行動不能状態にある冥海龍靈の代理として現れ、魔龍八奇、魔域、天蝶盟間での同盟を持ち掛ける。
寒夜殘燈
照世明燈に似た謎の人物。南宮取を助け、「綿指十八扣」を伝授させる。
その他
葉小釵の息子。素行が悪く、靈心異佛に瓶詰めにされたり、崎路人が乗る人力車を牽かされたりする。
万俟焉
60年前、遂古龍神こと血角三青を殺しその角から龍骨聖刀を作った。
龍神の子・初龍を育てようとしている。
関連タグ
次回作 | 霹靂英雄戰紀之蝶龍之亂 |
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