「ここは俺の家だ!ここから先は通さない!」
「その手を離せシロガネ!」
登場話数:Quest32~35、37~40、47、49~51
演:有岡大貴
概要
ストーリー終盤より登場する謎の少年。とても大らかで大人びた性格をしている(正体は後述)。
見た目こそ10歳前後の、どこにでもいそうな少年ではあるものの、初登場の時点から「動物石(※)」の存在やそれの意味するところを知っていたり、度々ガオレンジャーの前に姿を現しては関わりを持つのみならず、常人には視認不能なはずのガオズロックによじ登ろうともするなど、明らかに普通の子供とは思えない行動も目立つ。
作中での初出は、ラセツの登場とほぼ同時期であり、初登場の際には新都心の建設現場から、作業員がおやつに買ってあったドーナツを盗み逃走。また記憶喪失でもあるようで、風太郎という名前も獅子走とこの時初めて遭遇した際、近くにあった赤い風船を見てとっさに考えたものである(実際にQuest 37ではヤバイバに"風船太郎"と呼ばれた)。
直後にラセツと対峙した際、記事冒頭にもある台詞を発しており、前述した動物石の件も含めて様々に疑念を残す格好となったが、この時は結局明快な答えが示されぬまま、ガオレンジャーの前からもひっそりと姿を消している。
ともあれ、謎多き存在ながらもガオレンジャーとは度重なる関わり合いを通して親しくなっていったようで、ガオズロックによじ登った際には記憶が戻るまでという条件で、彼等と共同生活を送るようにもなった。
一方でその間にも、猛獣使いオルグに操られていたパワーアニマルを正気に戻したりと、その人間離れした挙動もますます拍車がかかる一方であり、やがてテレビやラセツ達との接触を通して、人間達による深刻な環境破壊を目の当たりにするとともに、「ガオレンジャーは地球を守る存在であるにもかかわらず、彼等も含めた人間は地球環境を壊し続けている」という矛盾に直面。
これをきっかけとして、風太郎は完全に記憶を取り戻したらしく、一時的にラセツと結託してガオレンジャーに対し牙を剥くに至るのだが・・・そこでも発揮した強力な念動力を前に、シルバーは風太郎の正体に薄々ながら感づくこととなる。
(※ 1,000年前のガオの戦士達を祀った鎮魂の碑。長い年月を経て人々から忘れ去られ、石碑が建てられていた土地もニュー都心として開発されつつあったために、これに宿る魂がこの人間の身勝手な振る舞いに怒りパワーアニマルの召喚を阻害していたことが、作中にて語られている)
正体
「私は、オルグには味方しない。だが、人間に味方することもしない」
――果たしてそのシルバーの推察通り、風太郎はガオゴッドが人間に化身した姿であった。
ラセツと行動を共にしたのも、あくまでガオレンジャーが地球を守る者として相応しいかを見極めるためであったようで、一連の行動を通してそれが間違いであったと判断。ラセツが差し向けたモニターオルグと、ガオレンジャーとの戦いの中でガオキングが操られたのを受けて真の姿を現し、傷ついたガオキングを救うと全てのパワーアニマルとともに、ガオレンジャーの前から姿を消したのであった。
こうして、神から見放される格好となったガオレンジャーであったが、それでもなお彼等は地球を守るという使命を命がけで全うしようとし、「千年の友」として一人だけガオゴッドから共に来るよう誘いを受けていたシルバーもまた、現代での仲間達とともに戦うことを選択し袂を分かった。
実はこの一連の行動は、「人間は過ちを犯すが、それを自らの手で改めることができる」ということを、ガオレンジャーに自覚させるために与えた試練であり、それが果たされたと判断したガオゴッドは再び彼等の前に顕現、ガオハンター ブルームーンとの共闘でブリキオルグを撃破した後、再びガオレンジャーにパワーアニマルを託したのであった。
その際、ガオゴッドは風太郎の姿に戻っているものの、そこで見せた白一色の出で立ちはかつて黄泉の国にて、イエロー達が遭遇した少年のそれと同一であり、その時点で既にガオゴッドと風太郎が同一の存在であると示唆されていた訳である。
それからしばらくの間、ガオレンジャーの前から姿を消していた風太郎であったが、物語最終盤に至って再度彼等のもとに現れ、最強最後の二本角である蒸気機関オルグの誕生を予言し、ガオレンジャーに最終決戦に向けて奮起するよう促している。
また、倒されたハイネスたちとツエツエの復活という予想外の事態を受けて、テトムと共にマトリックスへと乗り込み「地獄の穴」を封じるという働きも見せた。この再登場の際には、ガオゴッド相手ということで思わず身構えるガオレンジャーに対し、前みたいに風太郎と呼ぶよう求めるなど鷹揚な素振りも示している。
直後のセンキとの最終決戦の際にも、風太郎の姿からガオゴッドへと戻ってこれと相対しており、ガオハンターとともに合体技「ダブルゴッドインパクト」を繰り出しているが、百鬼丸をも凌ぐ実力の持ち主であるセンキは、神であるガオゴッドをもってしても太刀打ちできず、修羅百鬼剣で致命傷を負った末に風太郎の姿へ戻り、ガオレンジャーの見守る中で砂のように崩れ去ってしまった。
その後、同様にセンキとの戦いで消滅したガオライオン達が復活し、世界中に眠っていたパワーアニマル達もガオレンジャーのもとに集結した際、その中にガオゴッドを構成するゴッドパワーアニマルも含まれていたようで、最終回のエンディングでは風太郎としてガオレンジャーやテトムと共に、アニマリウムにてピクニックに興じる姿が描かれている。
海外版
『パワーレンジャー・ワイルド・フォース』での風太郎に相当するキャラクターであるカイトが登場。
原作と同じく正体はワイルドゾードの先祖アニマスであるアニマス・メガゾードの化身だった。
3000年前の戦いでマスターオルグ究極体(百鬼丸)に敗れて死亡したが、長い時間をかけて少年の姿で蘇った。
「カイト」という名前はコルに名前を聞かれた際、近くの木に引っかかっていた凧が由来という原典と同じもの。
備考
演じた有岡は当時子役としてデビューしたばかりで、本作終了の翌々年にはジャニーズ事務所へと入所し、2024年現在でもHey!Say!JUMPのメンバーとして活動している。そのHey!Say!JUMPとしてNHK紅白歌合戦に出場した際には、本作での共演者の一人である酒井一圭(牛込草太郎役、紅白には純烈のリーダーとして出演)とも、再度の共演を果たしている。
ジャニーズ事務所は肖像権が非常に厳格なことでも広く知られているが、本作についてはジャニーズ入所以前の出演作であることから、現在でも配信媒体では普通に放送されている。
関連タグ
風太郎:その他の用例についてはこちらを参照