鰉
ひがい
ヒガイ(鰉)(学名:Sarcocheilichthys)とは、コイ目コイ科カマツカ亜科ヒガイ族ヒガイ属に分類されている半底生淡水魚の総称。
又はその一種Sarcocheilichthys variegatusの和名。
東~東南アジアに約10数種が分布し、日本にはカワヒガイ、ビワヒガイ、アブラヒガイが分布する。
タナゴ亜科魚類と同じく、生きた淡水性二枚貝の体内に産卵するが、出水管から鰓に産卵するタナゴ類と異なり、入水管から外套膜に産卵する。
タナゴ類があまり利用しないササノハガイやシジミにも産卵し、二枚貝が生息しない場所でも石の隙間などに産卵して繁殖する事ができると、貝への依存度はタナゴより低め。
タナゴ類と同じく、繁殖期のオスには鮮やかな婚姻色が現れる。
漢字の由来は、明治天皇が琵琶湖疏水の開通式に出席した際に、瀬田川のビワヒガイを召し上がられて非常に気に入られたというエピソードに由来する。
水の澄んだ河川中下流域や湖沼の砂底や砂礫底を好み、低層付近を小規模な群れで遊泳する。よく石の下にいる。
食性は雑食で、主に水生昆虫、小型甲殻類、貝類などの底生動物や付着藻類、水草などを食べる。
魚卵も好んで食べ、時には他の魚の巣を群れで襲撃して卵を食い荒らすこともある。
飼育下では餌が行き渡らず、十分な量と栄養素を摂ることができなくなると他の魚の体表の粘膜や鱗を削り取ったり眼球をくり抜いて食べるなどの行動をとることがある為、ちゃんと餌が行き渡っているか注意して飼育すべし。
種としてのヒガイ
学名:Sarcocheilichthys variegatus
濃尾平野以西の本州と九州北西部に分布し、西日本に広く分布するカワヒガイ(Sarcocheilichthys variegatus variegatus)と琵琶湖固有亜種のビワヒガイ(Sarcocheilichthys variegatus microoculus)の2亜種に分けられる。
東海地方の個体群はヒガイ伊勢湾周辺種と呼ばれ、他の地域のヒガイとは別種レベルの遺伝的違いがある。
アブラヒガイ
学名:Sarcocheilichthys biwaensis
琵琶湖固有種で、琵琶湖北部の岩礁地帯に生息する。
絶滅危惧IA類に指定されている希少種。
滋賀県の条例により、捕獲等が禁止されているが、養殖物が観賞魚として流通している。
𝘚𝘢𝘳𝘤𝘰𝘤𝘩𝘦𝘪𝘭𝘪𝘤𝘩𝘵𝘩𝘺𝘴 𝘬𝘪𝘢𝘯𝘨𝘴𝘪𝘦𝘯𝘴𝘪𝘴
中国の長江〜珠江に分布。
日本には中国ヒガイの名で観賞魚として流通するSarcocheilichthys vittatusに混じって輸入された事がある。
スンガリヒガイ
学名:Sarcocheilichthys lacustris