概要
事の始まりは、「ニコニコ動画」とある製作者が投稿したFate/ZeroCMパロ動画であった。
その約一年後、上記の動画に影響を受けたのか不明だが予告PVが投稿され、2012年10月21日に本動画シリーズの放送(投稿)が開始され、2013年2月23日完結。全43話。
本作は未曾有の結末に終わった第四次聖杯戦争の世界観を舞台にその参加者たる7人のマスターと「Fate/Zero」から「Fate/staynight」に「反転」された7人のサーヴァント(以下五次鯖)によって紡がれたIFシリーズであり、群像劇である。
ストーリー展開も「Fate/Zero」とは掛け離れたものとなっている。
更に「Fate/stay night」の設定を遵守しているので「Fate/Zero」とは性格が乖離するキャラが出てくる。特にセイバーと言峰綺礼の設定は「Fate/stay night」寄り添う展開となっている。※
主な登場人物
セイバー陣営
セイバーのマスターである「魔術師殺し」の異名を持つフリーランスの傭兵。
「完全な平和の実現」の願いを聖杯に託すべくアインツベルン陣営のマスターとして参加した。
本家と同様に願いを叶えるためならば戦場である冬木を鮮血の海で染め上げることを辞さないが、本作ではその本家がまだ優しく見えるほどの(通常の三倍)残虐行為を行っている。
切嗣によって召喚された金髪碧眼の少女をした剣の英霊。その正体はアーサー王。
切嗣の外道な手段に対して内心快く思っていないものの、聖杯を手に入れる為としてある種の割り切り(或いはあきらめ)切嗣の「剣」として振る舞っている。
願いは『王の選定のやり直し』 。
アサシン陣営
教会の代行者にしてアサシンのマスター、あの事件後の麻婆神父 。
魔術の師である遠坂時臣のサポート役として聖杯戦争に参加(表向きは師とは敵対)することとなったが…当人は歪んだ心持ち、その「答え」を得るべく同じ存在(と考えている)たる衛宮切嗣との会合を臨んでいる。
聖杯戦争序盤に一般人をも巻き込むセイバー陣営の攻撃により命を落としたかに見えたが…片足を負傷したものの難を逃れた。
本来であれば「山の翁」であるはずが、召喚地(山門)+うっかりトッキー補正により綺礼が召喚したサーヴァント。
その姿は紫の羽織袴姿に自らの身長よりも長い刀を持つ優男の侍であり、自らの真名である「佐々木小次郎」を堂々と名乗るなど、飄々とした性格。
アサシンとしてのスキルは皆無に等しいが、その剣技はセイバーに匹敵する。
本来の彼は剣術に長けただけの名もなき農民であり、伝承上の「佐々木小次郎」にもっとも近い存在という理由で聖杯に選ばれた。そして生前叶わなかった己の剣技が英霊(セイバー)に通用するのかが「知りたかった」というたった一点のみが、なにもかも正反対なマスター(言峰)とを結んだ縁であった。
ライダー陣営
ライダーのマスターである見習い魔術師にして本作のヒロイン。
魔術師として大成すべく「時計塔」へ入学したものの周囲から家系(と才能)の低さ故に周囲から馬鹿にされる毎日を過ごしていた。
そんな中、己が作成した論文を酷評した講師であるケイネス・エルメロイ・アーチボルトの聖杯戦争参加を知ったのをきっかけに周囲を見返すべく参加を決意した。
ウェイバー(の幸運補正)によって召喚された終始アイマスクで覆われた長髪で長身な美女。
終始ポーカーフェイスながらも忠実な態度でマスターに接し、時にフォローしたりしながら性的な意味で導こうとする。
アーチャー陣営
冬木のセカンドオーナーにしてアーチャーのマスター。
当初、弟子である言峰綺礼にアサシンを従え、己が英雄王を召喚して聖杯戦争に臨もうとしたものの遠坂家直伝の「うっかり属性」が働いてしまい自力で英霊召喚を行うこととなった。
しかし、凡才ながら不断の鍛錬で培われた宝石魔法をはじめ、チェスの如く読み抜く洞察力を駆使することで「ロードエルメロイ」と対等に渡り合う強さを持つ。そして、あの「魔術殺し」をも出し抜いた。
トッキーようっかりさえなければ…
時臣が召喚した白髪と浅黒い肌、赤い外套というなりをした無銘の英霊。
召喚した当初は生前の記憶を失っていたが、おぼろげながら記憶を思い出してからは「ある目的」を果たそうとする。
もったいぶった言い回しなど若干皮肉屋な面があるもののマスターである時臣に忠実に従い、時にアドバイスする等おせっかい焼き。
参加マスターの一人である衛宮切嗣や言峰綺礼に対してなにやら思うところがある様だが……。
ランサー陣営
時計塔きっての神童にして「ロード・エルメロイ」ともてはやされる魔術師。
己の「武功」を得るべく聖杯戦争に参戦。
「サーヴァント=使い魔」という考えているためにランサーの振る舞いに対して苦々しく思っているが…数多の受難劇の末に逝った本家とうって変わって、本作ではアーチャー陣営(遠坂時臣)との戦うことで彼の悲願であった「魔術の決闘」を果たし、「四次マスター最強」の名に恥じぬ強さを魅せた。
しかし、「「魔術殺し」」の魔の手からは逃げられなかった。
ケイネス先生が召喚したご存じの我らが兄貴。
マスターであるケイネスから従者らしからぬ振る舞いを咎められているが、そのやり取りを楽しんでいる節がある。
全力全開での戦いが叶わなかった本家とうってかわって、アサ次郎を皮切りに数多くの英霊との死闘を繰り広げた。
そして、騎士王の聖剣を受けてなおマスターの想い人を守り抜くことでランサーの名に違わぬ最期を遂げた。
バーサーカー陣営
魔術鍛錬という名の虐待を受けている桜を救うために舞い戻った我らがおじさん。
間桐家の当主である間桐臓硯に、聖杯の獲得と引き換えに桜を解放するという約束を取り付け、聖杯戦争に参加。
魔術とは縁遠い一般人としての生活を送ってき為に魔力を生み出す刻印蟲を体内に宿すという処置を受けた影響により肉体への負担が大きいため余命は幾許も無い。
臓硯の助言により凶戦士を召喚したが……。
雁夜が召喚した最強のサーヴァントにして最短な出落ち。
バーサーカー「バイバイ雁夜おじさん」
動画のあとがきに出てくる聖杯の中(という名の敗退部屋)で登場。その心の内と脱落組に対し紳士な言動をもって接している。
だが……10年後(第5次聖杯戦争)において、視聴者の度肝を抜くこととなる。
キャスター陣営
冬木市を騒がす連続殺人鬼で、「死」を知るために殺人を行うと称するシリアルキラー。
遊び半分で召喚したサーヴァントに出し抜かれてマスターで最初の退場者となった。
が、別に死んだわけではなかった。
龍之介が遊び半分で召喚したサーヴァント。
いかにも魔術師風のフードでその顔を隠しているが本人は「魔女」呼ばれるのを嫌悪している。
マスターとの相性の悪かったため、そのマスターを出し抜き契約を強制解除させることに成功したものの魔力供給不足がたたり消滅寸前だった。
しかし、出落ちサーヴァントを失い、途方にくれていた雁夜と出会ったことで「第八の契約」をすることとなった。
その経緯から、新たなマスターに対しては幾分の恩義を持って接している。
※いずれも二次創作設定であるため、公式との混同をしないように注意が必要。
余談
この作品は切嗣と言峰の戦いの物語だが、同時に参加したマスター6人を主人公とした群像劇である(ただし龍之介は除く)。
取り敢えず、その6人についてのテーマなどをさらっと話そう。
【衛宮切嗣】
テーマは理想回顧。衛宮切嗣という殺人者。彼の抱いていた"ユメ゛の記憶。
【言峰綺礼】
テーマは解答求道。全ては唯一つの"答え"のために。
【遠坂時臣】
テーマは遵守責任。魔術師として戦いに臨みながら、その中で己の責任と向き合っていく物語。
魔術師として完璧であれば父親として完璧にはなれない。そうと知りながら父親でもあった男の果たすべき責任。
彼は最後に父親として戦い、魔術師としての甘さにより破滅した。
【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト】
テーマは異聞交流。才能に溢れ張り合い競い合う者のいなかったケイネスが自分とは違うタイプの強者や、弱者と見下した弟子の挑戦を受け精神的な成長を遂げるストーリー。
また同時にサーヴァントであるランサーとの友情物語。終わりは破滅ではあったけれど、その人生は輝いていたと信じたい。
メインとなる主人公がかなり複雑な事情を抱える中、かなり王道的ストーリーと言える。
【ウェイバー・ベルベット】
テーマは打破安楽。安楽で流されるままの日常を放棄し、今という現実を変えるため命懸けで大きな壁へとぶつかる。
陽だまりの日常にただ安楽と浸かることを良しとはせず、未知の溢れる暗闇に一歩を踏み出す勇気が重要となるケイネスと同じく王道的ストーリー。
これからの彼の未来に幸あることを信じたい。
【間桐雁夜】
テーマは嫉妬矛盾。地獄の中にいる少女を救い出したい、その綺麗な想いの影に潜む嫉妬。少女を救うと言いつつその父親を殺そうとする矛盾。
そして矛盾の果てに待つ聖人の断罪と、その身の破滅。総じて彼のストーリーには救いが無かった。
伏線一覧
1.『回収できなかった伏線』
- 言峰綺礼がギルガメッシュを召喚する
- 言峰とギルガメッシュが共謀し、時臣を裏切る必要がある
- 凛の母は廃人になり、最終的に死亡する必要がある
- 征服王イスカンダルが召喚されて、セイバーのライバルだった
- ギルガメッシュがセイバーに求婚する
- ギルガメッシュの求婚をセイバーが切って捨てる
- イスカンダルがセイバーと戦い、消耗したところをギルガメッシュにやられる
- ライダーはドラゴンライダーだった
- イスカンダルはエクストラクラス
- 切嗣は冬の城にアイリスフィール・フォン・アインツベルンを置いてきた
- セイバーがギルガメッシュには勝てなかった
2.『屁理屈込で回収した伏線』
- 最終決戦は切嗣とセイバー、言峰とギルガメッシュだった。
四人中三人は同じ。ギルガメッシュはそもそも召喚されていないが、クラスが同じアーチャーが最終決戦に参加した。
- ベンツの活躍
描写はないがアイリが衛宮邸に来るときに使用。
- 言峰が序盤にサーヴァントを失い父に保護される
父を"師父"ととらえれば時臣に保護されている。だが、サーヴァントを失ったというあたりは未達成。
一応アサシンが次のマスターを探しに行くという発言をしているので、かなり強引に辻褄を合わせればサーヴァントを探しに行く発言=サーヴァントを失うと捉えることもできる。
- セイバーが遅れをとらない
ルールブレイカーはセイバーというより切嗣の遅れ。
更に切嗣とセイバーの連携によりそれすらも逆利用して自分の優位としている。
- 第四次まで聖杯は無機物
アイリスフィールが死んでからは小聖杯を摘出されたので無機物。
- 第四次のマスターは化物揃い
雁夜は見た目、時臣は宝石を出し尽したとはいえ切嗣と互角以上に戦い、ケイネスとも張り合った。ケイネス先生はビルの倒壊からも生還。切嗣は語るまでもなし。ウェイバーは例外。強いて言えば幸運が化物。
- ギルガメッシュが聖杯の泥を浴びて受肉する
ギルガメッシュではないがクラスが同じアーチャーが半・受肉状態になる。
3.『回収した伏線』
- 切嗣がセイバーに話しかけたのは三回
- 時臣が凛に家督を譲る
- 時臣が言峰に殺される
- 言峰の父がアクシデントで死亡
- 璃正の支援していた魔術師敗退
- 切嗣が敵マスターごと建物を爆破する
- 切嗣は真っ先に言峰を狙う
- 切嗣が敵マスターを騙す
- 切嗣が恋人を人質にとる
- 切嗣が家族を人質にとる
- 切嗣が友人を人質にとる
- 桜を救おうとした人は誰もいなかった
- 言峰は真っ先に脱落
- 歴代バーサーカーのマスターは魔力切れで敗退
- 未遠川でセイバーが約束された勝利の剣を使う
- セイバーの戦闘回数は七回未満
- 切嗣が土蔵でセイバー召喚
- 間桐家からの参加者はいない
- 言峰と臓硯との間に面識
- 10年前、不完全ながらも聖杯は満ち、手に取ることが可能だった
- 言峰と切嗣は会話したこともなければ面識もなく一度戦っただけ
- セイバーと言峰が一度だけ対面する
- 言峰と切嗣は一度だけ戦う
- 切嗣無双
- セイバー無双
- 切嗣は自分で『全て遠き理想郷』を使用。10年後のセイバーはそれを知っている
- セイバーがイリヤを知らない
- 切嗣が自分を囮として敵をおびき寄せる
- 切嗣とセイバーのペアは強かった
- 切嗣は典型的な魔術師で、人間らしい感情は見当たらなかった
- セイバーはアーチャーのマスターが誰なのか知らない
- 言峰が切嗣とセイバーを分断するために聖杯を使用
- 言峰が冬木大災害を引き起こす
- 切嗣が言峰より『この世全ての悪』を受ける
- 言峰が両手を上げ降参し令呪を破棄するが切嗣に心臓を討ち抜かれる
- 切嗣とセイバーが最後まで勝ち残り、聖杯が切嗣の手に渡る
- 言峰が討ち抜かれる場面をセイバーが目撃する
- 最後の令呪でセイバーが聖杯を破壊させられる
- セイバーは聖杯を破壊した直後に消滅
- セイバーが令呪の存在を呪う
- 言峰の心臓に『この世全ての悪』が宿る
- 切嗣が言峰を見逃す
- 衛宮切嗣が衛宮士郎を救い出して養子とする