「H・A・D・E・S…。」
概要
「ペイルライダー計画」で開発されたペイルライダーシリーズに搭載されたOS「HADES(Hyper Animosity Detect Estimate System)」はブルーディスティニーに搭載されている「EXAMシステム」を元にオーガスタ研究所が独自に開発した戦闘用オペレーティング・システムである。
クルスト・モーゼスらに圧力をかけて手に入れたEXAMシステムのデータを基に開発はしているが、EXAMのコピー品は作れなかった為、学習型コンピュータを利用して膨大な戦闘データから敵の行動予測を行い、場合によってリミッター解除や操縦介入まで行うという半自律OSとして開発が進み、「ニュータイプ殲滅」を掲げるEXAMとはその本質を異にするシステムへと変貌していった(BDシリーズを手がけたアルフ・カムラには「あんなものと一緒にされては困る」と一蹴されている)。
戦場で殺気を感知しそれに対する反応能力を拡大させる事でニュータイプへの対抗を図ったEXAMに対し、HADESはパイロットを制御システムの一部として扱いシステムが演算した最適解を強制的にフィードバックさせる事で高い反応速度を発揮する。
一方で、パイロットのクロエ・クローチェはHADESの殺人的な反応性に追従するため人為的な身体強化を施しており、神経伝達の向上を促す薬品を投与し、更に思考を鈍麻させる処置なども施された結果、記憶障害を引き起こし、彼女の寿命さえも削るといった弊害を生んでいる(これは後の時代の強化人間に繋がる技術でもある)。
なお、システムに直接機体を制御させるのではなく敢えて思考・判断能力を低下させたパイロットを搭乗させた上でパイロット経由で機体を制御していた理由は現状では明らかになっていない。(フェイルセーフの観点から言えばパイロットの思考能力を奪ってしまうと、システムが暴走した場合だれも対応・対処が出来なくなる可能性があるからか。)
HADES起動時にはMSのバイザーと頭頂部メインカメラが赤く発光し、同時に全身のダクトがシステム起動時の排熱によって赤熱化する。
また、HADES自身が意思を持っているのか、思考を遅らせられコクピットの中でまどろむクロエの言葉なのか、時折強いエフェクトの掛かった甲高い声で笑い声を挙げたり、幼稚な言葉遣いで対する者に語りかけてくることがある。
バリエーション
HADES(HADES-E)
量産機になるペイルライダー・キャバルリーにも搭載された同様のシステム。
こちらは、一般兵用にデチューンが施されている。
『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』では「HADES-E」と能力違いかつ別名称が付けられている。
ZEUS
試作1号機のホワイトライダーに搭載されていたプロトタイプの1つ。
火器管制補助用の試作品。
EXAM機にシステムの一環として搭載されていたサイコミュ受信機とセットで搭載されていたが、最初期の試作品ゆえ小型化に至らず、搭載する頭部は肥大化してアンテナ状のフレームが飛び出してしまい、王冠の様な見た目になったとのこと。試作2号機以降も小型化に成功したサイコミュ受信機がシステムとセットで搭載されたようだが、半自律OSとして完成したHADESに本当に必要だったかどうかは疑わしい。
AREUS
試作2号機のレッドライダーに搭載されていたプロトタイプの1つ。リミッター解除とパイロット負荷検証用の試作品。
THEMIS
試作3号機のブラックライダーに搭載されていたプロトタイプの1つ。「HADES-E」の試作品。
関連項目
EXAM:派生元
ゼロシステム:宇宙世紀とは違う世界だがHADESと性質が酷似したインターフェース。
フォント・ボー:こちらは人間だが、未来の予測を自身の思考のみで再現できる能力を有している。
当然だがパイロットの能力の強化や、遥か先の未来を見るなどは不可能である。