OVA

おりじなるびでおあにめーしょん

テレビ放映向けでなくパッケージ専売もしくはレンタル専用として制作されるアニメ作品の総称ジャンル。媒体によっては、OAV(オリジナルアニメーションビデオ)と表記しているものもある。

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目次 [非表示]

1 概要

2 経緯

2.1 成長と衰退

3 名称

4 主な作品

4.1 OVAでリリース予定の作品

5 関連タグ

概要

OVAはアニメを視聴者に提供する手段として1980年代に登場したものである。これは「映画」「テレビ」に次ぐ、三つ目の手段であった。視聴者は映像が記録された媒体（VHSやDVD）を購入するかレンタルして入手し、家庭の再生装置でこれを視聴する。

OVAはあくまでビデオ専売のアニメであり、映画やテレビで放映されたものを家庭向けにビデオパッケージで販売したものはOVAとはされない。

1980年代当時のビデオ作品の価格は相当高く、1万円前後するものがほとんどであった。それまでのアニメはテレビで無料、有料でも映画館でお金を払う程度であったため、売れ行きの不透明さから当初はあまり数は無かった。しかし、1985年頃からビデオデッキの普及に伴いレンタル店が増加。これによりOVA展開の主戦場はレンタル店となり、OVAはどんどん増えていった。

主にマニア向けの高品質な作品が作られ、特にバブル時代前後に作られた作品は作り込みの凄まじい異様なクオリティを誇り、一見の価値がある。

経緯

史上初のOVAは、TVアニメ『魔法のプリンセスミンキーモモ』の放送延長によって放送枠を失ったことでビデオ専売用として作られたオリジナルアニメーション『ダロス』（1983）である。ダロスのやりくりに困った規格元のバンダイは、自社が始めたばかりのビデオ事業でダロスを販売することを思いつく。結果的にこれが成功し、「ビデオソフト専売のアニメ」つまり「OVA」が生まれたのである。

昨今のアニメやゲームを含むサブカルチャー全般に多大な影響を与えたファンタジーアニメ「幻夢戦記レダ」もこの時期に作られたOVAである。

OVAはそれまでの方法と比べて流通が非常に低コストかつ、配給会社やテレビ局の自主規制などから逃れられたため、売れ行きが心配なマニアックなアニメや、アダルトアニメのような過激表現を含むアニメも商業的に展開することが可能になった。前者はオタクとされる層に支持され、後者はオタクのみならず、刺激を求める一般層にも人気であった。

成長と衰退

1980年代後半のバブル景気により、OVAはとりあえず出せば売れるの時代に突入。制作数は爆発的に増加した。スポンサーを付けずにアニメスタジオが単独で企画から製作まで行ったり、アニメと無縁の会社が企画だけ立ててスタジオに丸投げしにくるなどまさに特需な時代であった。この時代のOVAの流行は一種の文化を形成し、アニメファンの増加などをもたらした。

バブル景気が終わるとOVAの制作数は減少。それと同時に日本のテレビは独立局の設立や、衛星放送の普及によりチャンネル数が増加する。これらの新興チャンネルは表現規制に寛容であったり、深夜であれば料金が安いなどもあり、OVAの支流だった「客の少ないニッチなアニメ」は少しずつテレビ放送に移行していった。(深夜アニメ)

テレビ放送は広い地域にほぼ同時にアニメを放送できるため、ファンの盛り上がりを予想しやすく、グッズなど関連商品の販売などで有利である。更に、放送後にアニメをビデオ化して販売することもできるため、OVAをただ売るだけよりも儲けが大きくなりやすかった。

2000年代以降でもOVAの製作は行われるが、特殊な事情が無い限りはテレビ放送が採用されるようになった。

事情の例

尺が短い　テレビアニメは少なくとも10話以上用意する必要があるが、予算や内容によってはこれを満たせない。
制作スケジュールを長くとりたい
独立局でもNGな過激とされる表現を使いたい
大きなネームバリューがあり、確実に売れるため、テレビ局などを介さずに儲けたい

2010年代以降では、インターネット配信限定の「ネットアニメ」という形のアニメが登場し、OVAに次ぐ第四の流通形態となっている。

名称

OVAという名称は流行当時の映像媒体がビデオテープだったことから来ているが、すでに廃れてDVDが一般的となった現在でも慣例的にジャンルの名称として使われ続けている（Videoは「映像」という意味であるため、媒体がテープでなくディスクなどでも、とりあえず意味は通る）。一応OAD（Original Animation DVDの頭文字）という単語もあるが、こちらはコミックス単行本に付属する新作オリジナルアニメを指すことが多い。