概要
アイテム番号:SCP-143
オブジェクトクラス:Euclid
SCP財団が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「刃桜」。
ソメイヨシノに酷似した外見的特徴を持つ植物。しかし、樹皮や花弁はガラスのように滑らかな質感をしており、決して実を付ける事は無いという特異性を持っている。サンプルから切り落とした枝を苗木として慎重に植え付ける事でのみ栽培する事が出来、現在のところこれ以外の繁殖法は確認されていない。
「刃桜」とは元々はこの植物の親木(原種)を管理している伝統的な刀鍛冶の一族が用いていた呼称の一つ。原種は日本の奈良県に現存しており、政府によって所有され、前述の一族が世話をしている(ただし政府はこの事実を完全に否定している)。
最大の特徴は、透き通るほどに薄く剃刀のように鋭い淡紅色の花弁。1枚1枚がアルミニウムよりも軽く、ステンレス鋼よりも強靭、おまけに1800℃もの高温にも耐えるという驚異的な材質を誇る。また、花弁だけでなく木部や樹皮も同等の強度を誇っており、非常に困難ながらも様々な装甲や武器などに加工できる貴重な素材として重用されている。
なお、これによって生産された物品の流通は基本的に全て日本国内に留められている模様。財団はこれを管理する一族と交渉し、その木部や花弁を切断・加工して有用な物品とする技術を獲得する事に成功している。
発育が遅く、素材として収穫するにはかなりの時間を要するが、年に2回程度の頻度で大量の花弁が枝から散り落ちる。これを回収し、素材として用いるのが基本となる。ただし、前述した鋭さや強度はそのまま残っているので取り扱いには細心の注意を要する。
また、「収穫」のシーズンを迎えても花弁が全て落ち切ってしまう事は無い。しかし、強風などが吹き荒れるとそれに煽られる形で不意に大量の花弁が乱れ飛ぶ場合がある。もしその花吹雪に巻き込まれれば、全方位から襲い来る無数の刃に細切れになるまで全身を切り刻まれる事になり、まず命は無い(少なくとも財団職員が3名、不幸にも発生した強風とその際に降り注いだ大量の花弁の犠牲となっている)。
余談
非常に日本色の強いSCPオブジェクトだが、SCP-JPではなく本家のSCPである。
