概要
2030年代の新統合軍の主力可変戦闘機。
VF-1バルキリー以降の可変戦闘機は宙間戦闘での運用を強く意識したVF-4 ライトニング、その欠点を補うべく大気圏内用に特化したVF-5000 スターミラージュなど、何れも特定のコンセプトに特化した機体が主流であり、VF-1と同様の汎用性を持った次世代機は登場していなかった。また、宇宙移民圏の治安維持強化の必要性から、汎用性の高い後継機の需要が高まり、その結果開発されたのがこのVF-11サンダーボルトである。
開発にはミリア・ファリーナ・ジーナスがテストパイロットとして関わっており、「ノヴァ・プロジェクト」でのVF-14とのトライアルの後、彼女の強引な後押しもあって制式採用された経緯を持つ。
突出した性能は持たない反面、癖がなく扱いやすい操作性と高い整備性もあって現場での評価は高く、またオプション装備も充実しており、用途に応じたバリエーションへの換装も容易。その完成度の高さは、従来機を一気に退役に追い込み、後継機であるVF-19が登場するまでのおよそ10年以上にも渡り第一線で活躍した事からもうかがい知る事が出来る。
VF-1と同様に宇宙戦闘用のスーパーパックやアーマードパックの運用が可能な他、防弾用のシールドを標準装備する。また、VF-5000と同じく頭部機銃はファイター形態時にドッグファイトでの後方迎撃性能を高めるべく機体上方に配されており、これら特徴は本機以降の可変戦闘機にも受け継がれている。
退役後はその多くが民間に払い下げられ、一部機体は可変戦闘機によるエア・レース「パンキッシュ・レース」で用いられており、本機を使用した「サンダーボルト・クラス」と呼ばれる下位ハリーグに於いて活躍している。
バリエーション
VFX-11
性能評価用の試作機体。
マクロスM3にてジーナス夫妻が搭乗し要人救出作戦で多大な成果を挙げたほか、フォールドブースターを搭載した一部機体を奪取したゼントラーディ勢力が当機を介して得た技術を元にフェイオス・バルキリーを製作している。
VF-11A
ごく初期に配備された初期生産仕様。
VF-11用のエンジンが間に合わず代替として技術実証機に使用されたエンジンの改良版を搭載した。
VF-11B
本来のエンジンを搭載した制式仕様で、最も多く生産されたタイプ。
マクロスプラスにおいてイサム・アルヴァ・ダイソン中尉も本機に搭乗し、辺境におけるはぐれゼントラーディとの交戦で多大な戦果を挙げている。
VF-11C
B型のアビオニクス改良型。マクロス7に登場した仕様。
ダイアモンドフォースのガムリン、金龍が搭乗した機体は多大な戦果を挙げたほか、マクロス30においてもミーナ・フォルテが当機を使用している。
VF-11D
B型の複座仕様。
訓練用又は救難捜索用として運用された。
マクロス7においてジャミングバーズ用の機体としてフォールドスピーカーを搭載したVF-11D改が登場している。
VT-11
C型の複座仕様。B型と同じ用途に用いられた。
VF-11MAXL
熱核反応バーストタービンエンジンとデルタ翼を採用し、準AVFと呼べる仕様。
カスタムメイド機としての側面が大きく、ごく少数のみ生産された。
当機をサウンドフォース仕様として改装したVF-11MAXL改が存在する。
泣くに泣けない大人の事情
VF-11は当初マクロス新作の主役機としてデザインされたが、スポンサーを予定していたバンダイから変形機構に難があり商品化出来ないと言われ、敢えなく脇役メカとなり、完全変形する立体物は、今は亡きやまとのみ発売していた。
関連イラスト
関連項目
VF-2SSバルキリーII:実はファイター形態のシルエットが類似しているのは、知る人ぞ知る事