概要
VF-4 ライトニングⅢの後継主力機を選定する「ノヴァ・プロジェクト」において、VFX-11と競合した宇宙用重可変戦闘機。
開発はゼネラル・ギャラクシー社とメッシー社によって共同で行われた。ゼネラル・ギャラクシー社には初の大型戦闘機の開発経験となった。
独特ながらも頑丈な機体構造を持ち、また積載量と航続距離に優れていたが、20メートルを超える大型機であった為に艦載機としては取り回しが難しく、主力戦闘機の座を競合機であるVF-11に譲り制式採用は見送られた。
しかし、未開の宙域や惑星での過酷な任務に就く調査船団や、質実剛健を好むゼントラーディ系パイロット達からの評価は高く、各運用地でのライセンス生産(ないしはノックダウン生産)という形で制式採用された。
可変機構はVF-4のそれを発展させた物で、ファイター/ガウォーク時の腕部/脚部配置に特徴が見てとれる。
一方で改良に基づく変更点も多く(後述の特徴もこれに由来)、特に機首/コクピットブロックがバトロイド形態では「コクピットを背面に回しつつ、機首を頭部ユニットにする」方式の採用はバトロイド時の搭乗員保護の観点に基づく物と見られる(「はぐれゼントラーディ」のバトルスーツ等との格闘戦を考慮すると背後に回られない限りはこの方式の方が安全)。
構造上の余裕もあって拡張性に優れており、機体の更なる大型化と武装強化を施した可変攻撃機VA-14 ハンターが開発され、主にマクロス5船団に於いて運用された。また、同じくゼネラル・ギャラクシー系可変戦闘機であるVF-17ナイトメアも、VF-14の開発で得られたノウハウを基にステルス性能を追求して開発された機体である。
Fz-109
Fz-109エルガーゾルンは、バロータ3198XE第4惑星特務調査部隊のVF-14をベースに、プロトデビルンに精神制御された同隊によって独自改修された可変戦闘機。
可変機構や基礎フレーム等はベースとなったVF-14と変わらないが、脚部メインノズルは踵が2つに分かれた3次元ベクターノズルへと改修され、より繊細な機動が可能。
装甲は全体的に曲線を多用した物へ変更され、ゼントラーディ系バトルスーツと可変戦闘機が融合したかのような外見となった。※実は後述する「ブルーライノセラス」隊機と装甲曲率は大して変わらない。むしろ、マニピュレータや副兵装(ファイター/ガウォーク時の対後方、バトロイド時の対地/近接兵装のレーザー砲。バトロイド時は胸部に位置する)、頭部センサーの換装が印象を異にする要因となっている。機首/頭部の構成は同隊の仕様よりも、むしろ「ダンシング・スカル」隊機のそれに近い(原型機の仕様に「戻された」と見る向きも有る)。
また、最大の特徴としてバトロイド形態時の頭部にスピリチア吸収ビームの照射装置が内蔵されており、これによってプロトデビルンの活動に必要なスピリチアを収集する。しかし、スピリチア吸収は対象を捕縛して行う必要がある為、その間は無防備となる欠点を持つ。
バリエーションとして標準機のA型、エンジン出力・武装の強化を施したF型、マクロス5船団から鹵獲したVA-14をベースとしたAz-130 パンツァーゾルン等がある。
2045年に特務調査部隊を再編したバロータ軍の主力戦闘機として、バロータ星系に接近していたマクロス7船団と交戦。皮肉にもかつて競合したVF-11や、後継機であるVF-17に対して猛威を振るった。
また、2058年には旧統合軍の地球至上主義者ファスケス艦隊が当機を調達、運用している。
余談
「マクロス7」ソフト化時の特典映像に登場したバロータ3198XE第4惑星特務調査部隊(正確には随伴護衛部隊「ブルーライノセラス」隊)所属機とゲームソフト版の「ダンシング・スカル」隊機はボリュームが異なるが(そもそもデザイナーが異なる)、これは前者が強襲任務も前提にした改修が行われている為、との説が有る。
先述の事情も有り、「ブルーライノセラス」隊機の頭部は「バトロイド形態での突撃時の避弾経始」を目的に「機首レーダーコーンを斜め後方に倒す事でセンサーウィンドウが開放される」仕様となっている。
実は「マクロスプラス」の「ニュー・エドワーズ空軍基地」の描写にしれっと「ブルーライノセラス」隊機と同仕様の機体がファイターモードで数機駐機していたりする。
この事から、少なくとも「マクロスプラス」、「マクロス7」の制作時点では現在「ブルーライノセラス」隊機として扱われている仕様が標準的なVF-14として扱われていたが「マクロスM3」(ゲームソフト)開発時には資料が紛失する等していた為デザインの新規作成が行われた可能性が在る。
関連項目
SR-71:ファイターモードの元ネタ。