MacBook
まっくぶっく
アップルが発売していたノートパソコン。アップルが現在ラインアップするメインストリーム向けのMacBook Airおよびプロ向けのMacBook Proの総称として使われることもあるが、ここでは単にMacBookを名乗る機種について扱う。
2006年から2011年まで販売されていたポリカーボネートボディのモデルと、2008年から2009年のアルミユニボディのモデル、そして2015年から2019年までの薄型ボディのモデルは、それぞれ見た目もコンセプトも全く異なる製品であるため、本記事では区別して説明する。
MacintoshのIntel移行に伴い、それまでのiBook G4の後継として2006年にCore Duoプロセッサを搭載して登場。先行して発売されたMacBook Proの廉価版として位置づけられた。白いポリカーボネート製ボディはiBookに似ているが、液晶ディスプレイがワイドスクリーンになっていることから容易に見分けられる。
電源ポートはMacBook Proと同様、MagSafeという磁石でくっつく独特のコネクタ(電気ポットに似た形式)を採用した。これにより、ノートパソコンに起こりがちなケーブル断線がぐっと減ったほか、ケーブルに足をひっかけて落とすといったトラブルも起こりにくくなった。
2008年にCPUを64ビットのCore 2 Duoに移行。2009年にはポリカーボネート一体成型の若干薄く軽い筐体にモデルチェンジした。
2011年7月の新MacBook Air登場に伴い取り扱いを中止し、事実上の後継モデルはMacBook Airとなった。それまでのMacBookはハードディスクドライブと光学ドライブを内蔵し、重量はいずれも2kgを超えていたが、MacBook AirはLANポートと光学ドライブを持たないかわりに重量を1.35kgに抑え、SSDによる快適なパフォーマンスを発揮できたのである。
MacBookはアップルのパソコンにおいて、初代iMacを皮切りに採用されていたポリカーボネート素材を全面的に採用した最後の製品である。以降のMacintoshは、MacBook Proを皮切りに採用されたアルミニウムの塊から削り出した「ユニボディ」と称する筐体に移行した(モバイル製品を含むApple製品全体としても、2013年のiPhone 5cという例外はあるものの大半はアルミユニボディである)。
2008年8月に、アルミユニボディに13インチディスプレイを搭載したMacBookが登場した。アルミユニボディをはじめ、キーボードバックライトやLEDディスプレイなどの仕様は上位モデルに当たる15インチ・17インチのMacBook Proと同様で、事実上はMacBook Proの13インチ版であった。
2009年にはアルミユニボディの13インチモデルがMacBook Proにリネームされ、「アルミユニボディはPro、ポリカーボネートボディは無印MacBook」という形に回帰した。
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2015年に登場したMacBookは、2011年までのMacBookとは全く異なり、機能を割り切って薄型軽量に徹した、初代MacBook Airに近いプレミアムなデバイスと位置付けられていた。
アルミユニボディはわずか13ミリの薄さで、歴代のMacintoshとしては唯一、1kgを切る軽さである。外部インターフェースはヘッドフォンジャックと多用途USB-Cポート各1基のみとなった。HDMIなどの画像出力ポートやUSB-AポートはおろかMagSafeすら持たず、電力供給も全てUSB-Cポートで賄う思い切った仕様だった。
MacBook Proに続き、Retinaディスプレイと称する2304×1440ピクセルの超高解像度ディスプレイを搭載。また、アルミユニボディのMacとしては初めてカラーバリエーションが用意され、スペースグレー、シルバー、ゴールドの3色、のちにローズゴールドが追加された。CPUにはMacBook ProやMac Book AirのCore iシリーズに対しCore mシリーズを搭載したため、動画編集のようなマシンパワーを必要とする用途は荷が重かった。
割り切りすぎた仕様や、性能の割に高価だったこと、薄さを追求したキーボードのタッチが不評だったことなどから2019年7月に販売を終了し、製品ラインはMacBook Airに再統合された。