概要
ベセスダ・ソフトワークスが25年ぶりの完全新規タイトルとして開発したオープンワールド型のアクションロールプレイングゲーム。
対応プラットフォームはMicrosoft WindowsおよびXbox Series X/S(※後述)。
人類が太陽系外に進出した西暦2330年を舞台に、プレイヤーは宇宙探検家集団「コンステレーション」の一員として広大な宇宙を冒険する。
ディレクターのトッド・ハワードが一言で説明して曰く「宇宙が舞台の『Skyrim』」(記事)。
また、いかにもなSFやFOシリーズのような完全なレトロフューチャーでもなく
00年代の宇宙技術をモチーフにした「NASAパンク」となっている。
ゲームの遊び方
SkyrimやFalloutなど他のベセスダゲー同様、本作は先発の類似作品よりマシなもののチュートリアルが終わり次第広大な宇宙に放り出される、JRPG慣れしている人間にとっては極めて不親切な導入で始まる。そのため、本作を楽しみたいならあらかじめ遊び方を決めておいた方がいい。
ただ、どのような遊び方をするにせよ
- さっさと周回プレイするか、周回せずに遊び尽くすか決めておく
- 早めにメインミッション「金で買えるもの」開始まで進める。
- 1周目では「未知の世界のその先へ」クリア前のセーブデータを保存しておく。
この2つは意識しておいたほうがよい。
1番目
本作は拠点建設や宇宙船のアセンブルといった要素があるにもかかわらず、拠点も宇宙船も周回プレイで持ち越せないため。本作は周回要素がガッツリ作り込まれているため、一つの周を徹底的にやり込んで拠点や宇宙船を作り込むのか、周回を繰り返して変化するストーリーを楽しむのか早いうちに決めておくと効率的である。
2番目
周回要素やperkで解禁されるものを除くゲームシステムの全解禁、
メインキャラクターの顔見せが終わるのが「金で買えるもの」開始時点となる。
3番目
2周目以降のプレイ感覚に影響し続ける重大なルート分岐が発生する。
複数のルートの中からそれまでのプレイに基づいて強制的に2つのルートが提示され、二者択一となる。おそらく「未知の世界のその先へ」完了時点で選べるルートが確定し、一連の展開が終わるのは「急に動かず」の次のミッションの完了後。
セーブデータを取っておかないと人によってはもうバッドルートしか選べないということも。
ルートによって後味の良し悪しや解放できる能力の有無は明確に差があり、旨味だけを求めるなら選ぶルートは決まっている。
だが、このプレイヤーの意志をできるだけ介在させたくないようなルート分岐自体が周回プレイを前提としたギミックのため、周回プレイする場合は本作の面白さの一部をおそらく永久的に損なってしまう。
上記のリンク先の場面(閲覧は自己責任で)で分岐が示唆されるので、どうしても不服な場合は少なくとも「未知の世界のその先へ」クリア前ならやり直せると思われる。
いずれにせよ重大なネタバレとなるので、詳細を調べるのは自己責任で。
取り返しの付かない要素、バグ
コンソールコマンド使用で解決できる場合も少なくないが、
その場合はModを入れないとsteamでは実績が獲得不可能になる。
- 特徴、素性
2周めに入った時点で強制的に削除されるものがある。
- とあるルート分岐、周回プレイで持ち越せない要素
上述の通り。よく考えるか、心の準備をしておこう。
- ガンスリンガーガイド05
期間限定の雑誌アイテム(拾うだけでスキルを習得する)。
配置場所にはUCバンガードのクエスト「この手の仲間」進行中しか入れない。
つまり、逃すと周回なしで同雑誌のスキルMAXが不可能になる。
- サイバーランナーの暗号04
雑誌アイテム。
配置場所は有料で借りられる「ヴォライ・ホテル」の客室の中だが、
2023年11月現在、宿泊期間が切れると二度と部屋に入れなくなるバグがある。
つまり部屋を借りた後本を回収しないままチェックアウトになると
こちらも周回なしで同雑誌のスキルMAXが不可能となる。
- 追跡者入門04
2023年11月現在、コンソールコマンド無しでは入手不可能。
ランダム生成ロケーション「放棄された農場」(灌漑設備がある方タイプ)二配置されているが、押しても引いても動かない固定配置オブジェクトの下敷きになってしまっている。
アップデートで修正されない限り、通常プレイでは手に入らない。諦めよう。
なおSkyrimの同様の不具合は2023年12月5日のアップデートでも修正されていない…
登場人物
ベセスダゲームの主人公らしく最低限のプロフィール(プロローグ時点で企業所属の採掘員)以外は何も設定されておらず、容姿も性別も自由に作成できる。それどころか生い立ちもプレイヤーが作成でき、両親やファンがいるという設定も可能。
他のキャラクターからは「船長(Captain)」と呼ばれる。
イベントで話しまくったFo4の主人公と違って基本的に声を発することはない。極めて特殊な状況に限り喋る。
実は制作段階では役者によるセリフの収録もされたのだが、デザイナーのエミル・パグリアルーロらが検討した結果、上述のFo4が受けた批判などを踏まえて、プレイヤーのロールプレイング体験を重視するためボツにしたとのこと(記事)。
バレット
コンステレーションのメンバー。
勢力
コンステレーション
アーティファクトを求め宇宙を探索する集団。
メインクエストを進めるにあたって主人公が所属することになる。
コロニー連合
本作の宇宙を二分する勢力その1。『連合』。
アルファ・ケンタウリ、ウルフ星系、我らが太陽系を領土とし、の首都はケンタウリの惑星ジェミソン「ニュー・アトランティス」。
自然と文明が調和した豊かな地球惑星であり、スラムでさえも雨風凌げる屋内にある(スラムには違いないが)。
ガンダムでいうと地球連邦であり領内に太陽系を有する地球の後継者。
銀河で最も巨大かつ進んだ勢力であるが、後述の同盟との大戦で二連敗を喫したことによる疲弊が著しく、後述の紅の艦隊との全面戦争にも躊躇するハメになっている。
特に前大戦では民間人の虐殺を含む清濁問わぬありとあらゆる手段を尽くしたにもかかわらず敗北を喫したことで、優秀な人材を戦犯として処刑・追放させられたり、メック技術の規制で惑星まるごと失業させられるなどあまりに手痛い損害を被った。
現在は同盟に対抗して民間船からなる私掠船部隊「UCバンガード」を有しており、主人公はバンガードに加入することで同盟のクエストを進めていく。
自由恒星同盟
本作の宇宙を二分する勢力その2。『同盟』。
シャイアン星系、ヴォライ星系、ナリオン星系を領土とし、首都はシャイアン星系の惑星アキラ「アキラ・シティ」。
ニュー・アトランティスとは違い猛獣のうろつく過酷な惑星のため高い壁で囲まれ、スラムは布一枚あれば上等な野ざらし。
また、ヴォライ星系は麻薬汚染の成功により事実上の独立国家となっている。
連合から独立した国家で、ガンダムでいうとスペースノイド。
宇宙の西部開拓時代をたくましく生き抜く、地球の重力から魂を解き放たれた人たちだが、それ故に民間人の軍事動員が多い。
前大戦での虐殺も所謂人命の盾として開戦まで前線に残り続けた末であったし、彼らが勝利したのも民間船を動員したゲリラ戦法ゆえであった。
治安維持のために大きな裁量を与えられた特別捜査官「自由恒星レンジャー」を有し、主人公はレンジャーに加入することで同盟のクエストを進めていく。
紅の艦隊
超巨大宇宙海賊。今回の悪人プレイ担当。
その実態はカタギはもちろんのこと艦隊構成員ですら評価が分かれており、
嫌々属している者もいれば好き好んで属している者、
艦隊を家族と呼ぶ者もいれば同室の仲間の物を平気で盗む者もいると多様。
確かなのは仲間内でも暴力や盗みは日常茶飯事ということである。
ただそれでも最低限の掟はあり、(少なくとも表向きは)裏切りだけは許さない。
リュウジン・インダストリー
所謂暗黒メガコーポ。今回のスパイプレイ担当。
本拠地も上記の悪徳の街、ヴォライ星系のネオンにある。
???
メインミッションに深く関わる存在。厳密には勢力ではない。
彼らの一員になることは大いなる始まりという名の終わりとなる。
流石にこうはならないが。
非プレイアブル勢力
ヴァルーン家
「グレート・サーペント」を信仰するカルト教団。連合と同盟に次ぐ第三の勢力。
現在は分裂しており、より先鋭化した教信者たちが銀河を荒らしている。
貿易管理局
ある意味銀河の真の支配者。ゲーム上はスカイリムでいう盗品商。
恒星間の流通…つまり人類のライフラインを完全に掌握しており、
善悪問わずほとんど全ての勢力に絶大な影響力を持つ。
その手のつけようのなさは、紅の艦隊の本拠地に公然と駐在員を置くほど。
そんな様なので彼らの商売を止めることができるものはおらず、
誰が相手であろうと本当に何でも売り何でも買う、死の商人すら生ぬるい存在。
一方で金儲けが手段ではなく目的、あるいは既に経済による支配を達成しているせいか
組織として自ら何かしら大きな行動を起こすことはない。
エクリプティク
いわゆる「カネさえ払えばなんでもやる薄汚い傭兵」。
紅の艦隊にすら「俺たちは奴らと違って魂までは売らない」とすら言われる連中。
が、下には下がいる。
スペーサー
紅の艦隊やエクリプティクにすら劣る、奪い犯し殺す無法者たち。
なので厳密には勢力ではない。
テラーモーフ
人類が惑星に入植して半世紀から100年ほど経つと突如現れる敵性生命体。
確かなのは積極的に人類を襲撃することだけ、要するにコレの同類。
他の生物に対するマインドコントロール能力を持ち、人類ですら例外ではない。
最悪の場合は正気のまま肉体の支配権だけを奪われ同胞に襲いかかることになる。
基本的に巨大な群れや軍勢を形成することはないが
コロニー戦争中にロンディニオンと呼ばれる都市にて異常発生が起き、
その際は惑星封鎖による住人の見殺しを余儀なくされた。
その他の小勢力
ECSコンスタント
50年後の地球滅亡が明らかになるよりも前に母なる大地を離れた世代宇宙船。
古典SFのお約束どおり、超光速航法を得た人類に追い抜かされてしまった。
閉鎖的で緩やかに過酷な環境を生き抜くことに成功した結果、
団結力が強く平和的な集団となった。
一方で「商売」の概念が失われたり、緊急時には老人などから生命終了措置を行われていたなどの問題もある。
そんな彼らの長い旅の結末はプレイヤーに委ねられることになる。
とあるルートで無限クエストの発行元になる。
追跡者同盟
賞金稼ぎの緩やかなギルド。討伐系クエストの発行元。
なお主人公に任意で付与できる指名手配特性は少々特殊なようで、
彼らは敵対しないどころか笑って見逃してくれる上に
あまつさえお金で事態を丸く収めてくれる。
LIST
国家規模に満たない小規模な入植地の緩やかなギルド。
ガルバンク
銀河規模の巨大銀行。借金取りたての無限クエストの発行元。
用語
グラヴ・ドライブ
ワープを実現するエンジン。正式名称はグラヴィティ・ドライブ。
単なる宇宙モノのお約束ガジェットではなく、
「NASAパンク」な世界観に唐突に放り込まれた異物。
その真実は物語を進めることで明らかになる。
コロニー戦争で大暴れした人型機動兵器。
人体と五感を直結して1500馬力の強大な戦力となった。
戦後は条約で規制され、製造保有は愚か、部品の単純所持ですら重罪とされている。
なおベセスダお約束の誤訳で日本語版はこの部品の名称が「機械部品」となっており
なぜ逮捕されるのかよくわからないことになっている。
ゼノウェポン
メック同様、前大戦大暴れした生体兵器。
植民星にどこからともなく湧いてくる敵性生命体「テラーモーフ」を軍事転用したもの。
こちらもこちらで戦後規制された。
本世界観では100年以上前に磁気圏が崩壊して大気が宇宙へと流出し滅亡、不毛の惑星となっている。
というよりも滅亡50年前にそれを察知したがゆえの宇宙進出である。
各国の名所の一部が廃墟となって残っており、日本代表はあべのハルカス。
チャンクス
Skyrimでいうハチミツ酒、falloutでいう畸形の肉と野菜。
しかしそれらと決定的に違うのは、料理どころかリンゴやらワインやらまでなんでもかんでも立方体にしてお出ししてくる面妖な変態技術の結晶であること。
直営店は宇宙中にチェーン店があり接客対応なども完全マニュアル化、客や店員の大半がウンザリして真っ当な料理を求める中でごく一握りの熱狂的ファンが居る…要するにアメリカを代表する世界最強のファーストフードチェーン(にベセスダ特有のセルフ国辱を加えたもの)がモデルと思われる
動画
余談
- 本作には3つの架空の宗教が登場するが、リアリティを出すためにかつてFO4やskyrimに携わり、一度退職してイエズス会の司祭に転身した人物を再雇用している。
幻日で宗教に造詣が深い方は本作をプレイしてはっとされた方もいるかも知れない
ベセスダ買収騒動と対応プラットフォーム
当初はPSプラットフォーム独占で開発が進められていたが、2020年9月のMicrosoftによるベセスダ買収によってWindows/Xbox独占へと舵が切られた。
SonyによるStarfield独占阻止が主な目的だったとMicrosoft幹部により明かされている。
なお、この「Xbox 」とは従来のXboxという実物のゲーム機だけではなく、オンラインのクラウドゲーミングサービス「Xbox Cloud Gaming」も含む。そのため本作に対応する月額プランに加入すればWindows以外のパソコンでもAndroidスマホでもiPadでも1つのセーブデータを同期させてプレーできるので、「独占」と謳いつつも実際にプレーできる機器は非常に多彩である。上述の買収によってMicrosoftの技術が実現させた強みだろう。
関連タグ
The_Elder_Scrolls、Fallout:ベセスダが開発するオープンワールドRPGの代表格。本作内にこれらシリーズを彷彿とさせる小ネタが散りばめられている。