概要
機種はボーイング727で、当初は「羽衣号」という愛称だったものを、後に「よど号」と改称したものである。
現在では見られなくなったが、当時の日本航空機は機体ごとに愛称をもっていた。
ハイジャック
1970年3月31日、羽田空港発福岡空港行きの運行中に、共産主義者同盟赤軍派(日本赤軍、連合赤軍の前身)のメンバー9人によってハイジャックされた。
犯行グループは北朝鮮への亡命を望んでおり、本機は彼らの要求により、紆余曲折を経て4月3日に平壌に着陸した。
人質の多くは途中で寄港した韓国で降ろされており、北朝鮮に渡った本機と、乗務員含む残りの人質も4月5日に北朝鮮から解放され、羽田空港に帰還した。
これにより、事件は一応の終息を迎えた。
人質に死傷者は出なかった。
この事件は日本初のハイジャック事件として世間を震撼させ、「よど号ハイジャック事件」と呼ばれ現在まで語り継がれている。
その後
事件後、本機に与えられていた「よど号」の愛称は廃止された。
機体は1976年にドイツに売却されたのを皮切りに複数回転売され、最終的にはコンゴの航空会社で運用された。
しかし当該航空会社の倒産により、空港の片隅に長期間放置された後2012年に解体された。
犯行グループ9人(よど号グループ)の目的は北朝鮮の赤軍化というものであったが、彼らの思想は当時の総書記・金日成のそれと根本的に相容れなかったことから叶わず、そのままなし崩し的に北朝鮮に定住する羽目になった。
一部メンバーは帰国したものの、当然ながら逮捕され有罪判決を受けた。
2023年現在も、4人のメンバーが北朝鮮におり、国際指名手配の対象となっている。
余談
- 存命のよど号グループは、メディアの取材に応じたりSNSを開設したりと、北朝鮮で自由に暮らしている模様。それでも逮捕できないのは、日本が北朝鮮と国交を結んでいないため、
- アニメ『BLACKLAGOON』にて、よど号事件のワンシーンが登場する。