概要
解放と爆発
手綱を引き絞られて
彼は落ち着きを取り戻す。
そうだ。はやる気持ちを抑え
自分こそが勝利に値するのだと
疑いを持たず時を待て。
機はおとずれた。
さあ解き放つがいい。
体内に脈打つ勝利への渇望を!
今こそ爆発させろ
四肢に宿った才能を!
生い立ち
エピファネイアは2010年2月11日生まれ、父シンボリクリスエス、母シーザリオ。通算14戦6勝。角居勝彦厩舎。
弟にリオンディーズやサートゥルナーリアなどがいる。母シーザリオは3兄弟GI制覇達成している。
競走馬時代
2012年10月デビュー。次戦の京都2歳ステークスも勝利し、無傷のままラジオNIKKEI杯を制し、重賞初制覇(京都2歳ステークスは2014年から重賞に格上げされたが、この時は特別競走(2歳オープン戦)扱いであった)。クラシックの有力候補に名乗りを上げる。ところが、弥生賞で初黒星を喫すると、2013年皐月賞ではロゴタイプを差し切れず2着。ダービーでは一旦は抜け出したものの、大外から強襲してきたキズナにゴール前に差され2着(2戦とも気性の粗さが響いて、レース前半での折り合いをつけることに失敗したのが原因で最後に競り負けたと言われることが多い。また、タービーに関しては躓いて落馬寸前の状況が起きて苦戦を強いられたり、福永自身も折り合い難を理由に勝つことができないなら、騎手を続ける意味はあるのかと自問自答していたと回顧している)。なお、ダービーの際は青嶋達也アナに「真ん中に…犬が!」と言われた(真ん中にいるがの空耳説もある)。
その後、神戸新聞杯で圧倒的1番人気に応え重賞2勝目。迎えた菊花賞、ロゴタイプは中距離路線、キズナは凱旋門賞遠征。圧倒的1番人気に推され、それに応えるかのように5馬身差で圧勝しGI初制覇。
2014年は大阪杯から始動するも3着。その後、クイーンエリザベス2世Cで4着、天皇賞・秋で出遅れが響き6着と初めて掲示板を逃す。しかし、JCはGI馬9頭の豪華メンバーの中、4馬身差で圧勝しGI2勝目。この勝利によって129ポンドのレートが与えられ、同年ワールドベストレースホースランキングにて2位(1位はドバイデューティーフリー(現ドバイターフ)を6馬身差で圧勝し、130ポンドが与えられたジャスタウェイ。このレースの2着馬でもある。)。その後、有馬記念5着。
2015年にドバイワールドカップに遠征するも、ダートが合わずシンガリ負け。その後、宝塚記念に向けて調整するも繋靭帯炎を発症し引退。
種牡馬時代
初年度の種付け料は250万円。安価な値段と、サンデーサイレンス系牝馬との交配もインブリードが濃い配合にはならないこともあり、初年度から200頭以上に交配。
2019年に産駒がデビュー。すると、産駒が次々と好成績を残す。初年度産駒に史上初・無敗牝馬三冠のデアリングタクトや、菊花賞で三冠達成がかかっていたコントレイルにギリギリのクビ差まで詰め寄り2着のアリストテレス、2年目には無敗で皐月賞を制覇し、後に天皇賞・秋、有馬記念を制し、年度代表馬に選出されたエフフォーリアなど輩出。3年目の世代にもサークルオブライフが阪神JFを勝利し、3世代連続でGⅠ馬を輩出している。2024年には桜花賞馬ステレンボッシュ、日本ダービー馬ダノンデサイルを輩出した。
この活躍が認められ、種付け料も年々増加。2022年度は1800万円に増額。また、2021年にはGⅠ9勝の女王アーモンドアイとの交配も実現し、産駒も翌年1月に誕生している。
だが、産駒は全体的に早熟な傾向あるのか、3歳時には古馬G1を勝つ実力を持ちながら4歳以降は古馬G1どころか古馬混合の重賞ですら振るわないことが目立った。特にエフフォーリアはその代表例となってしまっている(一応擁護するなら、エフフォーリアに関しては馬自身に問題を抱えてしまったという説もある。また、毎年重賞勝ちの馬を輩出しているため、悪い成績ではないのだが、同期と重賞の勝ち鞍の数だけで比較すれば、負けている状況であった)。そのため、2023年のリーディングでは種牡馬デビューが一年遅かったドゥラメンテや同期のキズナにも大きな差を付けられることとなったため、2024年度には種付け料が1500万円に下がっている。だが、2024年は上記のクラシックホース2頭に加えて、ヴィクトリアマイルをテンハッピーローズが、さらには宝塚記念をブローザホーンが制し不安の声を払しょく。上半期をリーディング3位で折り返し、同期、龍王相手に頂点を争える状況までこぎつけた。