グラディエーター(映画)
えいがのぐらでぃえーたー
2000年に公開されたドリームワークス配給の歴史映画で、監督はリドリー・スコットが務めた。
マルクス・アウレリウス及びコンモドゥス帝位時代のローマ帝国を舞台に、ラッセル・クロウ演じる主人公が奴隷となりながらも復讐のためグラディエーターとして戦い続ける様を描いた。
史実とは大きく異なる点こそ多いものの、優れた映像美やストーリーから大きな商業的成功を収め、批評家からも高い評価を得た。
最終的な興行収入は4億5764万427ドルとなり、第73回アカデミー賞作品賞並びに第58回ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞した。
2024年には続編となる『グラディエーターII/英雄を呼ぶ声』が公開された。
アウレリウス帝から深い信頼を寄せられていた軍団長マキシマス・デシムス・メレディウスは、主君の息子コンモドゥスの策略で妻子を殺され、自身も奴隷に身を堕とす。
興行主のプロキシモに買い取られたマキシマスは、アウレリウスを暗殺して帝位に就いたコンモドゥスへの復讐のため、グラディエーターとなり戦う道を選ぶ。
- マキシマス・デシムス・メリディアス
演:ラッセル・クロウ
吹替:山路和弘
主人公。ヒスパニア出身の将軍で、勇敢かつ聡明な名将としてアウレリウスからの信頼も厚かったが、コンモドゥスとの対立によって奴隷に身を落とし、グラディエーターとなる。
架空の人物であるが、モチーフは実在した執政官マルクス・ノニウス・マクリウスであり、他にスパルタクスやナルキッソス(コンモドゥス暗殺を担ったとされる近衛兵)など複数の古代ローマの人物もモデルとなっている。
本作におけるヴィラン。マキシマスとは友人であったが、自分より父から深い信頼を寄せられていた彼を妬み、父を暗殺するとともに失脚に追い込んだ。その後帝位に就くものの、グラディエーターとして活躍し民衆から信頼を得ていくマキシマスと対照的に、民衆から反感を抱かれる事となる。
史実では「剣闘皇帝」と称される体力自慢の暴君として知られるが、本作では策謀に長けた傲慢な野心家であるとともに気弱で情緒不安定な青年として描かれている。
- ルッシラ
演:コニー・ニールセン
本作におけるヒロイン。アウレリウス帝の娘で、コンモドゥスの姉。マキシマスとは若い頃恋仲だったが、身分の差から結婚を諦め、父と共同皇帝ルキウス・ウェルスと結婚し、一人息子ルキウスを授かった。
帝位に就いた弟を支えるも、次第に暴走する彼を恐れ、反乱を計画する。
史実では弟の暗殺に失敗後、家族共々流刑にされた末に暗殺されたとされるが、本作では存命し続編にも引き続き登場する。
演: リチャード・ハリス
賢帝と呼ばれた老帝で、コンモドゥスとルッシラの父。冒頭ではマルコマンニ戦争に出陣していたが、既に帝政に限界を感じており、ローマの統治を再び共和政に戻そうと計画しており、深い信頼を寄せていたマキシマスを後継者にしようと考えていた。実子コンモドゥスの事は君主の器でないと見做し廃嫡を考えていたが、それを拒んだ彼に暗殺される。
息子のキャラクター像と同じく、「皮肉屋の共和主義者」というのも本作独自の解釈。
- アントニウス・プロキシモ
演:オリヴァー・リード
マキシマスを買い取った剣闘士団の団長。マキシマスに才覚を見出し修行を積ませる。
かつては自らも名うての剣闘士として活躍しており、その功績からアウレリウス帝によって自由を与えられた過去を持つ
- ジュバ
演:ジャイモン・フンスー
マキシマスと共にプロキシモに買い取られたヌミディア人。独特の死生観を持ち、死を望むマキシマスにまだ生きて成すべきことがあると励ますなど、深い友情を結ぶ。