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概要編集

セキュリティポリス(英語:Security Police)通称SPとは、警視庁警備部警護課に配属されている警察官。皇族・内閣総理大臣・国賓など、法律で規定されている重要人物警護するのが職務である。


歴史編集

三木武夫総理負傷事件編集

1975年6月に当時の総理大臣だった三木武夫が、佐藤栄作元総理の国民葬会場で右翼団体である大日本愛国党の筆保泰禎党書記長に襲撃されて負傷した事件が発生した。護衛の警察官が居ながら事件を未然に防げなかった事に警察当局は衝撃を受け、同年9月にこの事件を契機に創設され、要人警護のスタイルをそれまでの目立たない警護から目立つ警護に切り換えた。


アメリカ合衆国大統領の訪日編集

1974年11月にアメリカジェラルド・R・フォード大統領が国賓として日本を訪問した際、シークレットサービスの警護方式が警視庁警備部の幹部に強い印象を残していた。シークレットサービスは大統領を取り囲むように固め、素早く拳銃を抜けるよう背広のボタンを外すなど合理的で目立つ警護を実施しており、セキュリティポリスはシークレットサービスを参考に訓練された。


職務編集

国会に議席を有する各政党の代表者・各国から日本を訪問する要人など、法律によって規定された警護対象者が自宅を出てから帰宅するまでの身辺警護が専門職務であり、犯罪捜査・地域警戒・交通の取り締まりなどはその職務外である。


資格・技能編集

資格編集

以下の事など一定の条件を満たした警察官である事が必須条件とされる。

  • 身長173センチメートル以上
  • 柔道・剣道・合気道3段以上
  • 拳銃射撃上級
  • 英会話ができる

技能編集

以下の要件が必要である。

  • 逮捕術
  • 格闘術
  • 不審者を相手より先に発見するための目配りを怠らない強靭な体力・精神力
  • パトカーの運転技術
  • 同僚との協調性
  • 自制心
  • 自己管理能力
  • 法令遵守の精神
  • VIPを接遇する礼儀作法
  • 極限状態に陥ったならば、犯人が振りかざす凶器や銃口の動線を目標に体当たりの突撃を敢行して文字通り人間の盾となって受傷し、最悪の場合は殉職する自己犠牲の精神
  • 射撃技能

25メートル先の直径10センチの的に、拳銃で10秒以内に5発以上命中させられる能力が必要である。一般的に日本の警察なら銃は口径9ミリメートル・6発なので、全ての弾を制限時間内に撃つ。


装備編集

  • 拳銃

多種多様なものが用意されており、各課員が自らに合う銃を選んで使用していると思われる。大半のSPは自動拳銃か一般的な自動拳銃よりも堅牢で扱いやすい信頼性が認められる回転式拳銃を選んで使用している。

  • 特殊警棒

腰周りに携行している。

  • 防刃衣
  • 携帯用無線機
  • マグライト
  • 折り畳み式の防弾盾

ブリーフケースのような見た目の鞄の中に防弾仕様のパネルが入っており展開することで警護対象者を防御する。SPがこの盾を使用している様子は過去に行われた公開訓練や実際の事件の報道映像などで確認できる。

  • 警護車

SPが使用する覆面パトカーの一種でクラウンレクサス・LSなどの高級車がベースとなっており、中には防弾ガラスを装備している車両もある。



各国の事例編集

アメリカ合衆国編集

アメリカにはシークレットサービスという連邦政府の法執行機関が存在し、犯罪の捜査・アメリカの政治指導者とその家族・訪問する国家元首や政府首脳の保護を任務としている。1865年7月に当時蔓延していた偽造通貨を取り締まる為、財務省を管轄としたアメリカ初の国内諜報機関として創設されたのが始まりである。1901年9月にマッキンリー大統領(当時)が暗殺された事件を契機に大統領を警護する任務が割り当てられ、2003年3月に管轄が国土安全保障省に移行した。


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