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解説

クローム・バランシェによって製作された21体目のファティマ(オートマチック・フラワーズ)。

スペック:戦闘2A・MHGTM)制御3A・演算2A・耐久3A・精神3A・クリアランス????・タイプ ほっといて型。

全ての基礎能力が最高ランクという当時史上最強のファティマとして生み出され、星団中の注目を集めていながら、バランシェにより能力と名前を偽装されて星団暦3030年の魔導大戦まで150年間行方不明となっていた幻のファティマ。

その正体は「敢えて最弱クラスの騎士をパートナーに選んで、最強クラスの騎士と戦い、常に研鑽を積もうとする」という強制縛りプレイを自らに課す自己鍛錬プログラムを与えられた特殊なファティマ。即ち、最強の能力を持ちながら、戦力としてはやっとこさ中堅に届くか届かないか程度の戦果しか残せないという非常にもったいないファティマである。

家出同然でフェイツ公国にやってきてバランシェの屋敷でメイドのアルバイトをしていたA.K.D.のコーダンテ家王女ワスチャ・コーダンテに出会い、彼女の騎士としての類稀なるへなちょこさを見込み、無理やりパートナーとなった。

その時はエミリィと名乗っていたため、ワスチャからは今でもエミリィと呼ばれている。

星団暦3030年に勃発した魔導大戦に、没落したコーダンテ家の再興を目指して一旗上げようとするワスチャと共にMHナイト・オブ・ゴールド(GTM帝騎マグナパレス)を偽装したルミナスミラージュを駆り参戦。

メヨーヨ朝廷の筆頭騎士で天位の称号を持つクライマー・パイドルの駆る重MHアシュラテンプル(GTMホウライ)を相手にデビュー戦を飾る。

人物

自己鍛錬プログラムを与えられた結果、苦戦することに快感を覚えるドMで、弱い敵には徹底して冷淡な性格となっている。少々対人恐怖症の傾向があるが、自分の見込んだ相手には服従願望丸出しかつストーカーまがいの行動に出る(劇中ではワスチャと親しげに話していたボード・ビュラードに嫉妬していた)。

ワスチャの騎士としての絶望的な弱さに心底惚れ込んでおり、クライマー・パイドルとの戦闘では毎秒56兆7000億回という常時レッドゾーンの予測演算を実行して尚且つ究極のMHであるthe K.O.G.と共に彼女をサポートしてもなお大苦戦、たまたま足が滑って出たクリーンヒットでパイドルを撃退させた以外にロクなダメージを相手に与えられなかったワスチャにマスターってば最っ高♥とエクスタシー全開であった。

また、自己鍛錬プログラムのせいでMH(GTM)戦以外の場面でも縛りプレイを自らに強制する悪癖があり、GTM預かり代をまけてもらうために預かり屋シケルブ・雪之丞の店の手伝いをした時は、15年分溜まっていた店の経理(雪之丞の店のネットワークは星団中の国々に跨る膨大なものだが、ファティマ本来の演算能力を使えば10分で終わる作業)を紙と鉛筆とそろばんによる手計算で数日かけて処理していた。

ラキシスクローソー達のようなファティマの範疇を超越してる連中を例外にして、星団最強ファティマとしての能力は本物であり、自己鍛錬プログラムさえ無ければ、たとえ凡庸な騎士をパートナーにしても最高クラスの騎士とファティマが操るMH(GTM)にすら勝ってしまうと言われている(本人曰く「まともに戦えるのはエストアウクソークラス」らしい)。

さらに言うと劇中では自己鍛錬プログラムが発動しているシーンはだいたいギャグシーンとして描かれているため実感しにくいが、もしも戦闘中に限界突破することができなければ、よほど運が強くなければそのまま敗死する可能性が高いという実は危険極まりないプログラムでもある。

そのため、魔導大戦当時、新人マイト(ガーランド)であったナトリウム・シング・桜子からは 「バランシェってアホ?」 と疑問を呈されたが、ファルク・ユーゲン・ログナー曰く、間違いなくヒュートランこそがバランシェの正真正銘の最高傑作であり、こういった「執着したり躊躇ったりすることなく自分の最高の仕事を台無しにするようなことを平然と行い、さっさと次に進むことができる」ことこそがバランシェを超一流のファティマ・マイト(AFガーランド)たらしめている理由なのだとのこと。

また、パルテノが事実上の専従ファティマとなっているMHヤクトミラージュ・グリーン・レフト(GTMイーヤー)や、本来ラキシス以外には制御不可能なthe K.O.G.の制御することすら可能である。但し、the K.O.G.が彼女に制御されるのはMHコントロール能力がすごいのではなく、MHへの威嚇力が凄いため。つまり、脅されて制御されている状態なのである(実際、アマテラスから指名されたthe K.O.G.は冷や汗を流しながら震え上がっていた)。

ちなみに14巻で明かされた話によると、ヒュートランがかくもイカレたファティマになった真の理由は姉である令令謝がまだ赤子のヒュートランの性能に嫉妬して、赤子のうちにさり気なく抹殺とばかりに固いことで有名な沖縄名物島豆腐(星団最強の比重を誇る物質らしい)の角を超音速でぶつけた結果アッパラパーになってしまい、それを件の自己鍛錬プログラムでなんとかしたとか…。

本当なんだかギャグなんだか判断しかねる話だが、『ファイブスター物語』では単なるギャグ的表現かと思ったら実はマジだったという展開が多いことでも有名なので、やっぱり本当なのかもしれない…。

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