概要
全高 8.8メット(約8.8m)
重量 8.6ルフトン(約8.6t)
ショウ・ザマがナの国の女王シーラ・ラパーナより賜り、ダンバインから乗り換えて愛機とした、ナの国がダンバインを参考に開発された新型オーラバトラー。
機体性能はパイロットのオーラ力に左右され、高いオーラ力を持つ者が搭乗する事で底知れないパワーを発揮する。実際にビルバインを乗りこなせた人物は、聖戦士であるショウ・ザマのみであった。
ウイングキャリバーへの変形機構、オーラソードライフルという他に類を見ない新装備を持つ。
脚部にはオーラバトラーとしてはかなり珍しく、ロケットブースターが補助用として内蔵されている。
このロケットブースター、実は諸事情から搭乗者ごとバイストン・ウェルに漂流したとある兵器のエンジンが参考にされているので技術的には相当古く、地上では現地製の物がいいパーツの使用箇所が多くなったとか。
赤と白を基調としたヒーロー然としたカラーリングだが、第47話以降は落ち着いた配色の夜間迷彩色に塗り替えられた。
装備
オーラソード
オーラバトラーの標準装備である長剣。ダンバインと同系の武器であり、鞘は右オーラコンバーターに装備する。
オーラソードライフル
2連装オーラ・ショットと、オーラ力のビーム刃を発生させる銃剣オーラビームソードの複合武器。
オーラキャノン
背面に装備された大型レール式の二門の大砲。
外部出演
この機体の本編以外での活躍の場でもっと有名なのは何といってもスーパーロボット大戦だろう。
スーパーロボット大戦EXで初参戦し、圧倒的な回避力に加えて装甲まで高く、バリアがあり、必殺技であるハイパーオーラ斬りが実質無消費、加えて妖精チャム・ファウを同乗させられて精神コマンドが二人分など、ありとあらゆる面でエースユニットであった。
流石にやりすぎて作品が進むごとに弱体化が進み、落ち着いた性能になっていった。
欠点は(この頃はまだ)宇宙適性が高くてもBと低い事で、宇宙ではハイパーオーラ斬り以外の火力が心もとない場面も。
実は第2次スーパーロボット大戦から出演する計画があったものの、諸般の事情で実現できなかったため、代案としてファンタジーロボである魔装機神サイバスターが作られた(正確にはいくつかあったオリジナル企画からサイバスターが選ばれた)という逸話があり、かなりスパロボとは縁深いユニットである。
スーパーロボット大戦F完結編では隠し要素で夜間迷彩仕様が登場。本作では色が変わるだけで性能に変化は無いが、セガサターン版に限りバグ利用で通常色と夜間迷彩の2機同時所有が可能になっている。
以降も夜間迷彩は隠し要素として登場することが多く、大抵同時に性能も強化される。BXではシリーズで初めて夜間迷彩仕様が無条件になった。
バイストン・ウェルという独自の世界観を持つ事からシナリオに絡ませるのに色々と工夫が必要になるからか、α・IMPACT以降はしばらく出番がなかった。一応、マイナー作品揃いのCOMPACT3に出番があり、この作品唯一無二の要素としてダンバインとの合体(ウイングキャリバー搭乗)が可能。メインパイロットはダンバイン側になるが、機動力が跳ね上がる。
その後、スーパーロボット大戦UXで関連作の「リーンの翼」参戦に併せて満を持して復活。他のメンバーがある程度集まった頃に参入して、ハイパーオーラ斬りで次元の違う単体火力を見せつけてくれる。
夜間迷彩使用も登場するものの、こちらはバイストン・ウェルに飛ばされるルートを選択した場合限定の入手であり、該当ルートを通ったセーブデータでも引き継ぎなし(リセットされる)仕様なので、その点は注意。
ビルバイン自体の性能は極端に高い程でもないのだが、中の人であるショウの能力の高さから全く問題にならない。どれくらい問題ないかというと、夜間迷彩で運動性が微増する以外全く強化が入らないのに、全然エンディングまで戦い抜けるくらい。
ただ、最終的には射程1必殺技を持つボスキラーが増えてくるので、ボス戦ではハイパーオーラ斬りよりダンバインとの合体攻撃メインで立ち回ったほうが貢献度が上がるだろう。
欠点はペアユニットにおける相方探し。デフォルトのマーベルダンバインでは力不足であるため、適した相方を見繕いたいところ。ビルバインが空適応を相方に与えるので、飛べない格闘機と好相性である。
スーパーロボット大戦BXでも引き続き参戦。
今回も初期から登場するが、地上に浮上するまでに無理をさせすぎた為一旦修理に回されることになり、実際の参戦はUXと同じか少し遅い程度となる。スパロボではありがちなおあずけ理由ではあるが、復活イベントは珍しくダンバインとショウにスポットを当てたものとなっている。
なお、相方にへんなやつらがついてきたが、こいつらとのペア相性はUX時代から一貫して悪くなかったりする。
後に、より強力かつサプライズな復活となったサーバインが登場するため、ショウをどちらに乗せるか悩ましくなるが、敵のバリアや分身を無視できる合体攻撃がサーバインにはないので、そこが強み。改造が引き継がれないのもさらに悩みのタネとなる。
スーパーロボット大戦Xではダンバインの改造を引き継ぎ、サーバインへ改造が引き継がれるので、主力にするならダンバインのうちから積極的に手を入れると即戦力になれる。サーバインとの関係は上位互換ではなく、基本性能ではサーバイン、火力では隠し武装やカスタムボーナスも含めるとビルバインが上。射程や手数についても砲撃戦に対応できる分ビルバインに分がある。
今回、序盤で条件を満たすと加入直後に夜間迷彩に変更でき、この状態にしていると中盤で隠し武装のオーラシュートが追加される(夜間迷彩自体は隠し要素ではない)。オーラシュートそのものはショウが乗らないと使えない武器だが、ハイパーオーラ斬りとの威力の差はわずか。そのため、ショウ以外のパイロットを乗せても活躍を見込めるが、オーラシュートを活かすなら誰でも最大火力の出るサーバインを他に譲ってもいいかもしれない。
スーパーロボット大戦Tにも登場。こちらも後継機の登場から前座役になった。こちらでも夜間迷彩でのみオーラシュートを使えるが、ヴェルビンのハイパーオーラ斬りはショウでないと使えないのでヴェルビンを運用するなら夜間迷彩を解除するのも選択肢になる(実は地味ながらオーラシュート追加時に性能が上がるので、色を戻すとわずかに性能が落ちるのだが…)。改造はヴェルビンに引き継がれるので無駄にはならない。基本性能はヴェルビンの方が上だが、ヴェルビンは射撃武器を持たないので、射程や手数ではビルバインに軍配が上がる。他のパイロットを乗せても強いが、使い分けるのも手。
スーパーロボット大戦DD
本作のクロッシング・パイロット企画第3弾にてマサキ・アンドーが搭乗。
第2弾と異なり本体に変更はないが、
20m級のサイバスターの剣「ディスカッター」を無理やり振り回す仕様となっている。
機体と武器のサイズ比だけなら斬艦刀もかくやといった様相である。
かつてダンバインがスパロボ出演に間に合わず、その代替としてサイバスターが登場し「魔装機神」として独自のシリーズを擁立した事を考えれば、なかなか趣深いクロッシングである。
余談
他のオーラバトラーと違い機械的なデザインなのは、崖っぷちだったメインスポンサーであるクローバーの要望の産物。
しかし肝心のクローバーが倒産してしまったため、玩具は別のメーカーから発売された。
禿御大もビルバインのシルエットはかなり心残りだったらしく、「せめて最初から(出して欲しいと)言ってくれれば、もっといい(=世界観に合った見た目の)ビルバインを用意できた」と不満の御言葉を残している。
後半のメカデザインを担当した出渕裕氏も思う所があったようで、世界観に合わせて本機をマッシブにリライトした画稿を御大に提出したが没に終わった。
それを経たかどうかは定かではないものの、後に出渕氏は模型雑誌の連載企画にて本機をフルリライトした『ヴェルビン』を発表し、好評を博している。
PSゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』には、ビルバインの量産型にあたるゼルバインが登場している。変形機構を持たないが、装備はビルバインとほぼ同等。ただし、変形機構が無いためか、脚部はダンバインに似ている。カラーリングも白と青に変えられている。