機体としてのマジンカイザーSKLについてはこちらで。
概要
2011年に発売されたOVA。全3巻。
2001年からリリースされているOVA版『マジンカイザー』シリーズの最新作にあたるが、主役ロボ“マジンカイザー”のデザインや主要なキャラクターなど、本作オリジナルの設定が多い。永井豪イズム溢れるセクシー&バイオレンスな作風が特徴的だが、話自体は普通に勧善懲悪である。
元々の『マジンガーZ』やOVA『マジンカイザー』シリーズを見ていなくても、あまり世界観に繋がりは無いので楽しめる。
後に発表されたINFINITISMの小説では兜甲児の検討案としてSKL型の名で本作のカイザー(らしきもの)が言及され、最終選考まで残っていた。(結果はOVAでの暴れぶりからお察しの通り、搭乗者への影響等から不採用)
『スーパーロボット大戦シリーズ』においての初参戦は『UX』。本作は現状唯一のマジンガーZが未参戦のスパロボ(ついでにゲッターもいない)である。
『BX』では本編終了後の状態で参戦し、『真マジンガー』との共演・合体攻撃、聖戦士コウムインなるパワーワードを生み出した。
ストーリー
はるかな未来、太平洋上の奇械島では、本能的に戦いを求める者達が死闘を繰り広げていた。
そこに漆黒のロボットマジンカイザーSKLが現れ、敵を次々に潰していく。
このロボットは国際機関WSOから派遣されてきたスカルフォースのロボットであり、ある任務の為に島に来たのだ。
登場人物
主要人物
下記三名は“WSO”という組織の戦闘チーム“スカルフォース”に所属し、キバ軍やガラン軍と戦い続けている。
マジンカイザーSKLのパイロット(スカルフォース・デスカプリース隊所属。斬撃・肉弾戦担当)。熱血・粗野・猪突猛進を地で行く男。主人公。
マジンカイザーSKLのパイロット(スカルフォース・デスカプリース隊所属。銃撃戦・ガン=カタ担当)。ニヒルでクールだが一度キレると手が付けられない危険人物と化す。もう一人の主人公。
スカルフォース・グレンファルコン隊所属の技官。女性。剣・遼には「クソ真面目で堅苦しい」と堅ブツ扱いされて煙たがられており、憤慨する日々を送る。それでも地獄二人からはきちんと信頼を得ている。
- スカーレット・ヒビキ(声:浅野真澄)
グレンファルコン隊の隊長。女だてらに並みの男では到底叶わない戦闘能力と勇猛な性格でWSO中にその名を轟かす。 本編では序盤に戦死。
- 荒神谷(声:長克己)
WSOの参謀。スカルフォースの指揮をとる。
カイザーの敵たち
- キバ(声:檜山修之)
カイザーSKLと敵対する勢力の一つ“キバ軍”の頭目。
モチーフは『ズバ蛮』の主人公。
- ゴウダ(声:飛田展男)
キバの部下。
- ガラン(声:銀河万丈)
カイザーSKLとキバ軍を戦わせ漁夫の利を得ようと目論む勢力“ガラン軍”の首領。
- ヒミコ(声:井上喜久子)
ガランに忠誠を尽くす、妖艶さを漂わせる側近の女。
モチーフは『バイオレンスジャック』のスラムクイーン。
八稜郭の女性たち
- アイラ(声:田中敦子)
女性だけの集団“八稜郭”を治める美女。カイザーSKL・キバ軍・ガラン軍の戦いを見守る。
モチーフは永井豪の漫画版『ゴッドマジンガー』のヒロインでもある同名キャラ。
下記4人の女性は八稜郭を護る女性たちのリーダー。ロボ・サイコギアに乗って侵略勢力と戦う。モチーフは『バイオレンスジャック』に登場した如月ハニーの友人(つまり、『キューティーハニー』のハニー七変化の各形態のオマージュキャラ)。
- ハリケーン(声:白石涼子)
サイコギアαHタイプを駆る。長髪の勇敢な女性。戦闘能力は非常に高く、ミスティと双璧を成す。
- ファンシー(声:高橋美佳子)
サイコギアγH(F)タイプを駆る。ピンク髪の可憐な美女。テレパシー能力がある。
- フラッシュ(声:喜多村英梨)
サイコギアβHタイプを駆る。栗色髪のボーイッシュな女性。
- ミスティ(声:清水愛)
サイコギアγH(M)タイプを駆る。その戦闘能力は4人中ハリケーンと並ぶ双璧の実力者。
メカニック
頭部に「スカルパイルダー」が合体する事で起動する、漆黒の巨大ロボ。 強大な戦闘能力を誇り、たった1体で大群をも壊滅させるほどの力を持つ。操縦は複座のスカルパイルダー内で、メインの操縦者席が前に来る仕組みになっており、海動と真上が担当をそれぞれ入れ替える時に操縦席ごとスライドする。
武装は背中の大剣・牙斬刀と胸部パーツが分離した2丁拳銃・ブレストリガー。牙斬刀は柄を伸ばして槍状に、ブレストリガーは弾を撃ち尽くしたら下部に付いている刃で手斧として、それぞれ用いる事が出来る。主に近接戦闘を得意とする海藤が牙斬刀を使用し、射撃戦闘を得意とする真上がブレストリガーを使用する。
ウイングルの翼を背中に装着(ウイングクロス)することで目が青から黄色に変わり、ルストストリームやインフェルノブラスター等の必殺武器が解禁される。
- 牙斬刀(がざんとう)
海動が操作を担当する大剣。柄は伸縮自在であり、伸ばして槍(と言うよりは薙刀)にして使用できる。下記のトルネードクラッシャーパンチと組み合わせて使うこともある。
- ブレストリガー
胸部パーツが分離した2丁拳銃。操作担当は真上で正確無比かつ必殺の銃撃を敵に見舞う。弾を撃ち尽くしたらグリップ下部に付いている刃を使って手斧として使用可能で、2丁合わせることで大斧にも変形する。ちなみに予備弾倉は腕についている、あの赤い刃。弾倉を変える際に腕から射出されリロードする。
ウイングクロスにより、威力と連射性能が増したパルスビームモードが使用可能になる。スパロボやOVAでは、SKLに光子力ビームが存在しないため、おそらくパルスビームモードが光子力ビームの代替として存在していると思われる。
- トルネードクラッシャーパンチ
いわゆるロケットパンチ。両腕側面の螺旋状の刃を回転させて発射する。海動曰く「威力は凄いが戻ってくるまでがまどろっこしい」とのこと。また、応用的に、牙斬刀を持ったまま発射して広範囲の敵を殲滅したり、牙斬刀の回収に用いたりもする。
以下はウイングクロスにより使用可能になる。
- ルストストリーム
口から出す強風を放ち攻撃する。
- トールハンマーブレーカー
牙斬刀と顔の両脇にある角で雷を受けた後、牙斬刀にエネルギーを溜めて放出する雷攻撃。角では絶えず雷を受け牙斬刀に送り続ける。
- インフェルノブラスター
胸部パーツを展開し、そこから高出力の熱線を放つ。ウイングクロス状態では最強の威力を誇る。
- ウイングル
頭部に「レディファルコン」が合体する事で起動する女性型ロボットで、SKLのサポートロボットでもある。
モチーフは『マジンガーZ』(アニメ版)に登場したミネルバXと『デビルマン』に登場した妖鳥シレーヌ。 『マジンガーエンジェル』に登場したミネルバXシレーヌモードと同デザイン。
- 爆劉鬼(ばくりゅうき)
- GRK=7
- DBM-2
- ガイストテレス
- エクスバトラー
- サイコギア
関連タグ
同スタッフが手掛ける作品。デビルマン側のキャラクターのキャストに、この作品のメインキャストがそのまま続投している。
余談
映画『マジンガーZ対暗黒大将軍』での剣鉄也の声優はTVアニメ版・デビルマンで不動明を演じていた田中亮一氏であり、当初は氏が続投する予定だったが事情により変更された。
この作品はこの設定の焼き直しと言える(デビルマンがマジンガーを操縦する)。