聖戦士コウムイン
せいせんしこうむいん
アニメ聖戦士ダンバインに登場するケン=カイドウとリョウ=マガミの二人組の聖戦士。
召喚される前、地上では国際機関の特殊部隊の一員である軍人、即ち「公務員」であったことから名付けられており、他にも彼等の口癖ともいえる「地獄」から「地獄公務員」「地獄聖戦士」などとも呼ばれている。
世界を滅ぼすほどの危険性がある奇械島の重力炉の暴走を止めるために、特攻同然の攻撃を仕掛けた際、バイストン・ウェルへと召喚された。
その際搭乗していたマシン、いや魔神に興味を持ったドレイク=ルフトに勧誘される(ケン曰く「力づくで連れて行こうとした」)も、それに反発したケンが考えなしに敵対。部下であるバーン=バニングスが抑えようとするも彼らの暴れっぷりは止められず、そのままなし崩しに反ドレイク勢力へと加わる。
性格は一言でいうと「戦闘狂」であり、後述のように如何にもな戦闘狂であるケンは勿論、一見すると冷静に見えるリョウも同様でそれどころかリョウは激昂すると戦場でのケン以上に凶暴な危険人物を化す。
ケンは粗暴・獰猛・直情的を絵に描いたような性格であり、リョウはシニカルな言動の皮肉屋。戦闘では抜群の連係プレイを見せるものの、プライベートでの性格の相性は最悪でケンの直情っぷりをリョウが皮肉って喧嘩となる事が日常茶飯事である。その事もあって敵対者であるルーザ=ルフトからは地上人でありながら「ガロウ=ラン」(バイストン・ウェルの下層に住む凶暴で野蛮な種族)と呼ばれ蔑まれている。だが同時に、二人とも(最低限とはいえるが)良識や倫理観、仲間意識を持ち合わせた人物でもあり、戦場の敵と悪人以外は殺害しないようにして(悪人に関しても時と場合によっては半殺しで済ませている)、後述のように人質の救出なども行っている。
ダンバインの登場人物では珍しく、二人とも親しい相手を名ではなく姓で呼ぶようにしており、例としてショウ=ザマは「ザマ」、シーラ女王は「ラパーナ女王」といった呼び方である。
そして二人とも生身での戦闘でも、機動兵器の搭乗者としても圧倒的な実力の持ち主であると共に、自らを「地獄」そのものだと称しており、シーラ女王は二人への敬意と信頼を込めて「地獄の使い」と呼んだこともある(が、ケンは直後「使いじゃねえ!」と返しており、不満だった模様)。
同じ地上人であるショウ=ザマ達からの評判は上々で、劇中コウムイン達と陽動作戦を行った時に「こういうときのお前は本当に頼りになるよ」と発言するなど戦力として、仲間として深く信頼しているようである。
その一方で、たびたび2人で喧嘩を引き起こしたり、少し目を離すと勝手に暴れていたり、他人の喧嘩を煽る二人に手を焼かされており、後にシーラ=ラパーナが2人を反ドレイク軍の切り札として使いこなした時は二人を知る地上人からは驚かれている。
一方でバイストンウェルの住人からの評価は様々で、前述の通り「ガロウ・ラン」扱いするルーザ=ルフトや、バイストン・ウェルで彼らに散々な目に遭った事から二人を「奴」呼ばわりしたドレイク軍兵士、バイストン・ウェルを破壊する魔神と断じて地上追放を決定する一因となったジャコバ=アオンのような者もいる一方で、反ドレイク軍の象徴扱いをしようとするニー=ギブンや、シーラ=ラパーナやエレ=ハンムのように「良きものたち」と評するものもいたりと両極端な評価をされている。
そしてダンバインファンからは「見た目と言動の割にはまともでいい人」「不思議と安心して見ていられる」「仕事熱心な公務員の鑑」など、意外と好印象。
実際劇中では荒っぽいやり方とはいえ捕らえられた仲間を助けたり、地上へ浮上した際に自分の肩書きを利用して戦場の仲介を行う、普段の最低限の礼儀はわきまえているなど、ただの戦闘狂ではないことが窺える。本人達は戦う・暴れるのが一番好きらしいが。
最後はスカルが後述の通りの仕様だったことが幸いして、二人揃ってチャムと一緒に生還。
しかし、ご存じの通りチャムはショウと彼らたちの物語を残した後に姿を消しており、ケンもリョウもその後は、チャムとは再会できず仕舞いだったようである。
ちなみに富野監督曰く、「(どうやっても退場させられなかったので)あいつら出さなきゃよかった」。
皆殺しの富野ですら持て余し、退場させることに失敗し続けたことからこの二人の異常性が窺える。
後にダンバイン0号機が放射能汚染からバイストン・ウェルを救うに至る経緯を描いた物語と一緒に、彼らを主役とした本編の番外エピソード集兼後日談がOVAとして制作されている。
しかし、後述するスカルのデザインに端を発したトラブルと、富野監督の個人的感情から後者は発売直前にお蔵入りとなってしまい、最近まで日の目を見なかった。
ケン=カイドウとリョウ=マガミが搭乗する オーラバトラーではない謎のロボット。
「皇」は「カイザー」と読み、操縦者のケンとリョウを含めて基本的に劇中では「カイザー」と呼ばれる。
一体どうやって作られたのか、そもそも何故彼らが搭乗していたのかが作中では一切描写されないというダンバインはおろかバイストン・ウェルサーガ全体を通しても異質な機体。
彼ら曰く「曰く付きの機体で俺達以外に乗りこなせない」とのこと。実際試しに別の人間が乗ってみたところ、体中に炎が燃え上がる幻覚を見せられて慌てて機体から降りている。どうやら乗るにはオーラ力とはまた違う精神力の高さが必要なようだ。
ただし、カイザーがケンとリョウを搭乗者に選んでいるというのと対照的に、二人は自らの実力が故にカイザーは無敵であるという自負があり、二人はカイザーへは愛機として以上の思い入れは無い模様。
ロボット工学の権威にして劇中トップクラスの技術者であるショット=ウェポンですら理解できない部分が有るらしく、後述する圧倒的な性能を持ちながら、結局最後まで他国がカイザーを元にしたオーラマシンを作ることはなかった。
コックピットがそもそも2人分設置されており、巨大な刀「牙斬刀」と近接武器にもなる二挺拳銃「ブレストリガー」をそれぞれを得意とするメイン操縦者を入れ替えながら使いこなすという珍しい戦い方が最大の特徴。これに加えて腕部は「トルネードクラッシャーパンチ」という強力なロケットパンチの機能も持っている。
オーラコンバーターを付けておらず、飛行も出来ない機体(元々は飛行できたが、召喚される間際の戦いでのダメージでガタが来ており、バイストン・ウェルに来た際にて完全に壊れてしまった)ながら、オーラマシン相手に遅れを取らぬ戦闘力を見せつけ、戦力的に劣りがちな反ドレイク軍の主力として活躍した。
また、実はカイザーは内蔵武器も豊富に持っているのだが、トルネードクラッシャーパンチ以外のの内蔵武器は解除装置を兼ねた飛行ユニットを装着する必要があり、その為にバイストン・ウェルでは飛行だけでなく武器においても制約が掛かっていたことが後半での地上の戦いで明らかとなった。
地上に浮上してからは、地上に出たことでパワーアップしたオーラバトラー相手に苦戦するようになったが、彼等の生存を知って駆けつけた原隊である国際機関WSOのツバサ=ユウキ大尉から専用の飛行ユニット「ウィングクロス」の予備と支援用バイク「SKL-RR」を渡されたことで内蔵武器も復活して大幅にパワーアップ。ハイパー化したオーラバトラーとすら真正面に渡り合うという地獄さながらの暴れっぷりを見せつけた。
なお、ダンバインのデザインを見たクローバーからオモチャが売れるかどうかを不安視された富野監督がキレて、当てつけのつもりで『オモチャが売れるデザイン』としてマジ○ガーZを自ら悪役っぽくアレンジして描いた物を出したらウケが良くてそのまま登場する羽目になったとか。
当の監督はこれに関して、「通ってしまった」と気まずそうに発言したことから、完全に予想外だった模様。
後に機動戦士Vガンダムでも似たような事が起きたが、そちらに関しては「スカルよりはマシだったけど、これもさぁ…」とのコメントが、更に後年に発売された関連書籍に記載されている。
クローバーの経営難・倒産は、この機体のデザインが引き起こした裁判沙汰やダイナミックプロ&東映動画(当時の社名)への賠償金支払いによる、イメージと資金繰りの悪化が大きく影響していた。
というのはすべてネタである。
※スーパーロボット大戦BXに関する重大なネタバレを含みます。
プロローグで重力炉を停止させるべく、特攻まがいの攻撃をし、キバと道連れになった海動剣と真上遼。その後捜索が行われるも、二人は見つからず半年が経過していた…。
が、
第10話「皇の浮上」にて、「重力炉への攻撃によってオーラロードが開きバイストン・ウェルに召喚されていた」という衝撃の事実が発覚。そのとんでもないクロスオーバーに爆笑したユーザーが「ダンバイン」と「コウムイン」の韻の良さからこう名付けたのである。
東京に侵攻するドレイク軍を止めるため、出撃したブライティクス(BX)。
しかし、一人一人の練度は高くとも、ドレイク軍の方が規模が圧倒的に大きく、
次から次に出現する兵にブライティクスは少しずつ疲弊していく。
そして、ついにその攻撃の一つが旗艦ナデシコに命中。
相転移エンジンの出力が低下し、一時的航行不能になってしまう。
その時、黒騎士は何かのオーラを感じ取り、攻撃を止める。
次の瞬間現れたのはシーラ女王率いるグラン・ガランやビルバインをはじめとする反ドレイク勢力。地上に追放された際に丁度そこに転移したのである。
それを見たドレイクは前の戦いでの消耗に加え、エレ率いるゴラオンも行方不明の今、
降伏するべきだと交渉を持ちかける。しかし、シーラはそれをあっさりと拒否。
それに驚くドレイクだが、その感情に浸るヒマもなく乗艦ウィル・ウィプスに
不意打ちで攻撃が加えられ、甲板が爆発。
大混乱に陥るドレイク軍。どこから攻撃が加えられたのか―――。
その時、爆発の中から現れたのは半年前の戦いで行方不明になったはずのマジンカイザーSKLだった。
「頼みますよ、地獄の使い」シーラ女王のこの言葉を合図に、海動が牙斬刀で
ウィル・ウィプスのオーラコンバーターを一刀両断・大破させ、
真上がブレストリガーのガン=カタで周辺の雑魚を一掃。
ウィル・ウィプスを後退させ、さらなる増援を防ぐことに成功したのだった。
…これだけ書けば、クロスオーバーのすさまじさがお分かりいただけるだろうか?
肝心の性能は特にUXの時と性能に大きな変化は無く、同じ感覚で使用できる。但し今回マジンガーZ(真マジンガーの方)がいる分やや装甲が脆い点が目立つので注意。
基本的にはやはり「避けるマジンガー」として回避中心に立ち回る。
本作では(気力制限のある要素全般がそうだが)マイク・サウンダース13世のディスクPのおかげで早々のウィングクロスが可能。
本作のウイングクロスは空適応Sに加えて、新武装「SKL-RR」によってさらに火力も上昇している。
さらに終盤にマジンガーZとの合体攻撃「ダイナミック・コンビネーション」が追加されただでさえ高い決定打がさらに高まると、UX以上にやりたい放題である。
勿論、原作の聖戦士ダンバインに地獄公務員は一切出ないため注意。
とまあ、二人が生きている事はすべてのユーザーが考えていたが、その生還方法は上記の通りとんでもないものであった。
一応伏線はあると言えばあるのだが、プロローグのダンバイン原作再現シーンでバーンが
「ほう、5人目もマシンと一緒とはな……」(原作では3人目)や
「力づくでも従わせる……と言いたいところだがこちらとて何度もそのようなことをするのは本意ではない」等の原作と違う台詞を喋る部分と、
プロローグでSKL原作のクライマックスシーンを再現しているのに、なぜか原作と違って
二人が行方不明の死亡扱いとなっている部分ぐらいであるため、
こんな展開を想像しているプレイヤーは全くいなかった。どうしてこうなった…。
なお、そんな経緯故か、本作ではやたらとダンバイン関係のシナリオに地獄公務員が絡んでは、
そのインパクトに反して自然な混ざりっぷりにいちいちプレイヤーの爆笑を誘う。
戦友ポジションにいるショウやニー=ギブンに始まり、地獄公務員を使いこなすシーラ女王や
当たり前のように戦闘前会話があるドレイクなどキャラ間の絡みも多く、
BX全体の特徴である「複数の作品が1つの作品のように自然に混ざっている」部分の一角を担っている。
地獄公務員が余りにも楽しく暴れまわったせいで、原作におけるもう一つの諸悪の根源となってしまったジャコバに対してBXの時に限っては同情的見解を示すユーザーが続出したり、バイストン・ウェルに『バイストン・“ヘ”ル』なんて爆笑物のあだ名が付いたりと、ちょっとしたお祭り騒ぎになった。
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