概要
サブタイトルは『~性格最悪のナースしかいない病院で射精管理生活~』。
気弱な主人公が病院のナースたちに組み敷かれ精子を搾り取られるというコンセプトのM向けエロCG集だが、「性格最悪のナースしかいない」の表題に恥じぬ濃ゆすぎるドクズナースのオンパレードでネタ的な人気を博す。特にヒロインの一人アマミヤ先生の台詞回しが話題となり密かに知名度を得始める。基本は一話完結のCG集だが、徐々に闇深きナースたちの複雑な人間模様と、病院に渦巻く陰謀をめぐる熱い(ヤバい)ドラマが展開されていく。
2019年に入ってから、他の同人アダルトCG集とは一線を画す秀逸なストーリーや独特のキャラクターがTwitterや掲示板などインターネット上で少しずつ話題となり、特に登場人物の1人「アマミヤ(先生)」の言動がふたば☆ちゃんねるで取り上げられたことから大いに注目を集めることとなった。
DLsiteおよびFANZAにて、2018年12月17日から2019年10月21日にかけて制作・発売された。(全11話)
1〜10話までは770円で販売されたが、最終話のみ990円となっている。ただし、最終話は543ページという圧倒的なボリュームとなっている。
しかし、後述のある事情により配信停止となった(配信再開済み)。
舞台
原作では「病院」など特に具体的な名前はなかったが、ヤンマガwebの『全年齢版』では「ペシミズム厭世(えんせい)病院」という名前が付けられており、その隣には大きな森林公園が広がっている。
あらすじ
主人公ヤマダは、「3時間ごとに射精しないと睾丸が腫れて激痛が走る」という奇病にかかっており、両手骨折で入院した病院で、看護婦による射精処置を受けざるを得なくなった。しかし、週替わりでヤマダの処置を担当するのは、いずれも人格に問題のあるナースばかりで……
やがて、ナースたちと関わっていく内に病院の恐ろしい真実を知り、大きな決断を迫られる事になる…
登場人物
主人公。エロCG集の主人公らしく目が描かれない特徴のない男。少年のように見えるが、描写やタチバナの言葉からおそらく大学生だと思われる。
詳細は個別記事を参照。
若手ナースたち
病院内で業務をこなすナースたち。
激務や劣悪な環境に加え、お局ナースたちに仕事を押し付けられたりいびられているためか精神に余裕がないナースも少なくないようだ。
①から登場。
真面目だが、患者のヤマダに対して嫌悪感を隠そうともしない刺々しい態度の嫌悪ナースであるものの、これでもナースたちの中ではトップクラスにまともな人間であるという事実が、本作の恐ろしさを如実に表している。
詳細は個別記事を参照。
②から登場。
不気味な笑みを浮かべた卑怯、卑屈な陰湿ナース。強者には委縮して陰で恨みを募らせ、さらには同僚にまで単なるひがみを拗らせて悪質な嫌がらせをする。その矛先はヤマダにも…
詳細は個別記事を参照。
③から登場。
ガラの悪い金髪の元ヤンで、非常に乱暴な暴力ナース。ナヨナヨしたヤマダとは相容れるはずもなく、格下と見下し乱暴な処置をするが、実は恋愛に対しては非常に臆病で、義理人情に厚い一面も。
詳細は個別記事を参照。
④から登場。
仕事では失敗が多く、そこに勤務先の最悪な人間関係も相まって自信を無くしてしまっているドジっ娘ナース。人格自体は善人に違いなく、院内では数少ない優しくて穏やかなナースだが、実はある秘密が…
詳細は個別記事を参照。
⑤から登場。
とんでもなく無気力で、ヘッドホンをしたまま勤務するサボり魔の怠惰ナースだが、その性格が祟ってさらなる災難を引き起こす…
詳細は個別記事を参照。
3大お局
看護師長の元病院内で絶大な権力を持つナースたち。
病院内で傍若無人に振る舞い、若手ナースたちから恐れられている。
物語の中盤からヤマダの担当になり牙をむいてくる。
④から登場。
三大お局の一人。生粋のサディストで、薄ら笑いを浮かべながら嫌味・小言をまくし立てることが趣味の粘着質ナース。そのセリフには常にネチネチという効果音が付いてくる。特にミスの多いモチヅキは格好のいびり対象。
詳細は個別記事を参照。
⑦から登場。
三大お局の一人。見た目は清楚で心優しいナースであり、ヤマダにも優しい処置を施す白衣の天使。しかし、その性格には恐るべき本性が…
詳細は個別記事を参照。
⑧から登場。
三大お局の一人。子供のような言動で終始笑い声を上げながら、ヤマダや他のナースに非常識な行為を働くサイコナースで、その危険度は随一。仕事もまともにしていないようだが、看護師長の妹であるためか放置されている。
詳細は個別記事を参照。
その他の人物
⑧から登場。
病院所属の女医で薬学博士。小柄で白衣の袖がいつも余っている。常に大声で叫ぶように話すためめちゃくちゃうるさい。ヤマダの奇病に興味を示し、精液のサンプルを取ろうとする。数々のアブない薬物を開発し、ろくな実験も手続きもせず使う真性のマッドサイエンティスト。作中でもかなりヤバい部類の危険人物なのだが、表裏なく暗さとは無縁のぶっ飛んだおバカな言動から、作中でも屈指のネタキャラかつ人気キャラ。彼女の登場シーンが本作の知名度を飛躍的に上げた。
結果だけ書いた新薬の論文を提出しようとした彼女を止めた教授とのやり取りは改変のしやすさから特に多く使われる。(ちなみに似たようなやり取りが同作者の過去作品にあるため、セルフオマージュだったりする。)
「とにかく・・学会への提出は認めん・・ 病院のブランドに傷がつくからな・・」
「なにが病院ブランドですかぁああ!!こんなジジババのたまり場に権威なんてありませぇええん!!」
「なんだとぉ・・・」
ここでは魅力を語り尽くせないため、詳細は個別記事を参照。
⑧から登場。
身長190cmを超す巨体ナース。元・柔道国体王者で、アマミヤのパートナー的存在。並外れた怪力と頑丈さを誇るが性格は純情で口下手。おそらく本作唯一の処女。
詳細は個別記事を参照。
⑤から登場。
目つきの怖い看護師長。お局よりも上に位置する最高権力者で、誰も彼女に逆らえない。彼女自身もその強権を振るいキツい態度を取るが、妹であるミアにだけは甘く、病院を彼女の遊び場とまで言い切っている。なぜか常に黒い長手袋とニーソックスをしている。裏でお局ナースたちと組んで何かを行っているようだが……?
詳細は個別記事を参照。
⑥から登場。
病院内部のコンビニの女性店員…であるはずだが、なにやら裏の顔があるようだ。
詳細は個別項目を参照。
アケミ
全年齢版に登場。初登場は実は小説版。
ヤマグチの暴走族時代の仲間で特攻隊長。同じ看護学校を受けたが不合格になっており現在は建設現場で働いている。
ヤマグチにドリルオナホを教えたのは彼女であり、その時に高所から電動ドライバーをぶん投げる、またあるときはトラックをシートベルト無しで運転しフロントガラスに衝突する(エアバッグすら出なかったがヘルメットを被ってたおかげかほぼ無傷だった)など建設業者としても何かと問題がある人物。
サンゼン
全年齢版に登場。
医師団の一人で担当は旧病棟の救命救急科。元軍医の軍人医師。常に顔に力が入っているのか血管が顔中に浮き上がっており、軍隊の教官みたいな指示で他の医師や患者に命令を下し、命令に逆らう者は例え患者で老人であっても精神注入棒で根性を叩き直そうとする過激派。金になるからという理由でどんな患者も受け入れるという方針の救急科を回せるだけあって早さだけならブラックジャック並と言われる手術を神速で行うほどで腕は確か。
マコを元帥と呼び強い忠誠心を示しており、彼女の命令には明らかな悪事であっても絶対服従である。
軍医時代に所属していた部隊がゲリラの襲撃で全滅した事がトラウマになっており、そのトラウマを刺激すると我を忘れて豹変し、誰彼かまわず惨殺しようとする。
元が元なだけに彼女が率いる救命救急科は軍隊じみており、麻酔銃を携帯している。また近隣のヤクザが運ばれてくるので有事に備えて常に防弾プレートを装備している。
ヤクザからクロカワを庇うなど体育会系らしい部下への情はあるが、クズのクロカワにとってはその仲間ノリは耐え難い模様。
無限射精拷問に登場するT3000、搾精学級に登場するサンゼンインと同じ特徴を持つ(古風な喋りと常に血管が浮き出た顔)。
サカキバラ
全年齢版に登場。
医師団の一人で担当は旧病棟の一般外科。容姿端麗かつ英語を流暢に話し、海外で高難度の手術を何度も成功させた天才外科医(タチバナ曰く「何故こんな病院に勤めてるのか謎」)。
しかし、赴任先だった海外の治安の悪さや飼い猫のアクシデントのトラウマで極度の心配性になっており、些細なことでも心配事が頭に浮かぶと診察や手術を放り出してしまうほど。
その心配性は私生活にも反映されており、家の鍵を入れた鞄には南京錠を4つ、玄関にはダミー込みで鍵穴を6つ、飼い猫の安否を常に確かめられるように監視カメラをスマートフォンと連動させている。
ネコダ
全年齢版に登場。
サカキバラの助手で猫のような顔立ちが特徴のナース。サカキバラのことを「仕事はできるけどそれ以外のことでメチャクチャ苦労させられる」と評している。
ゴミジマ
全年齢版に登場。
医師団の一人で担当は旧病棟の検査課。ボサボサの頭に虚ろな目、貼り付けたようなニヤケ顔、乱れた服装が特徴。不摂生で有名らしい。
不摂生な生活の中腐った食べ物を判断する為に感覚が異常に鋭敏になっており、ヤマグチの頬を舐めただけで生活習慣を当てたり、触診だけで腫瘍を判断したり血の味だけで成分を特定できるほど。検査課の機器は耐用年数を過ぎた故障品なのでゴミジマの診察のみが頼りとなっている状態。
実は元名家の令嬢で、母親からの溺愛を受け身の回りの世話は使用人が行っていた箱入りのお嬢様で、母親が亡くなって実家が没落した後、何もできないまま一人暮らしをするハメになり荒んだ生活になった過去を持っている。
ヤマグチに自身の世話を頼むが、なんだかんだで面倒見が良いヤマグチに母性を感じて「お母様」と呼ぶまでになっている。
スズハラ
全年齢版に登場。
医師団の一人で担当は旧病棟の麻酔科。常に目元が隠れている。病棟の隅にあるダンボールの中で黙々と仕事をしており、モチヅキ曰く「恥ずかしがり屋だけど優しい」との事。
販売停止とその後
最終話配信直後、ブームの最中にあった2019年11月、制作に使った3DCGツールの規約違反により販売が停止される。これは、髪型を描くのに使用したツールは成人向け作品での商用利用が禁止されていたためであった。(その旨の規約を製作者が見落としてしまっていたため)
その後スキルマーケットのココナラで書き直しの仕事を募集したが、ココナラでは成人向け依頼の出品が許可されていなかったため削除された。
この騒動の後、作画:ぺに健で完全書き直しによる漫画化の企画が立ち上がった。
2020年4月17日に小説版が美少女文庫より発売。
文章・挿絵ともに作者本人によるもので原作にはない短編が二本収録されている。
Amazonで予約開始時にAIが医学書と勘違いしたのか病院管理学カテゴリーで売れ筋ランキングに入ってしまい、原作者が問いあわせ修正してもらうというアクシデントが発生した。
そして、現在CG集は規約に該当していた髪型を「デジタル職人株式会社」の協力のもと描き直され再販された。
コミカライズ
2019年に成人漫画枠にてコミカライズされることが決定した。当初はぺに健氏が作画を担当する予定であったが、氏が体調不良を理由に執筆を降板。詳しくはコチラを参照。
作画の担当は亀山しるこ氏にバトンタッチされ、2021年7月より成人向け電子雑誌アナンガ・ランガにて連載が開始された。
そして、2022年4月10日からヤンマガwebにて全年齢版の連載が決定されたことを発表した。作画はあおむし氏。
成人漫画版
エロCG集であった原作に忠実に漫画化した内容となっている。しかしながら「原作ファンのみならず初めて搾精病棟に触れる人でも夢中になれるように」との亀山しるこ氏の考えから毎話を前後編にしての非常に丁寧な作画と各キャラの掘り下げを交え、原作初期のホラーで陰鬱な雰囲気を強く前面に出した内容となっており、それぞれのナースの特徴的な「怖さ」がよく分かるように描かれている。こちらは原作者はあまり関わっていないようで、単行本の描き下ろしサイドストーリーなどを含め「自分よりキャラの理解度が高い、スピンオフを描いてほしい」と言うほど絶賛している。
全年齢版
原作のぶっ飛んだ要素を濃厚抽出した上で、全年齢化に当たり搾精要素をかなりオミットしている。その分実際の医療要素をふんだんに入れ(原作者いわく数十冊の医術本を読んだり現職ナースに取材したりとかなり本格的)、ナース達視点のストーリーを中心としたほぼ別作品とも言える内容となっており、ぶっとんだギャグや原作後半のようなエンタメ的な作劇が魅力となっている。また原作には登場しない小説版のみのキャラやオリジナルキャラが多数登場し、原作を知っていてもまったく先が読めない展開が繰り広げられて続けている。こちらは原作者自らネームを切っており、全年齢の名に恥じないレベルでお色気シーンが無い(乳首ひとつ出ておらず、同誌の他の連載のほうが過激なほど)。尚、描かれているのは途中まででありマコ一味との決戦までは描かれてはいない。
またこの全年齢版において、原作では明らかになっていなかった本作のナース達が勤務する病院の名前が「ペシミズム厭世病院」であることが判明した。
これは、同じく全年齢版で原作:搾精研究所 作画:丈山雄為のコンビで連載されている変態人妻アクション漫画『淫獄団地』の21話が初発で、敵対勢力の一人である変態人妻の勤務先にして主人公とその父親が入院している病院と紹介されていたが、後々本作全年齢版の11話でも同名の病院であることから両作品の世界が同一であることが判明した。加えて、第13話ではアマミヤ先生、第21話ではヤマグチ、第23話では前編でモチヅキ、中編でクロカワが友情出演している。
更に2022年10月21日では、全年齢版コミックス1巻発売記念のコラボ漫画が公開されている。
そして第29話で敵対勢力のトップ2名が本作の2名と同一人物である事が確定している。
その他メディアミックス
2021年4月30日にエロゲ版も発売予定。タイトルは『搾精病棟~性格最悪のナースしかいない病院で射精管理生活~』(予告ツイート)
また同日にピンクパイナップルより荒木英樹監督の18禁OVA(『搾精病棟 THE ANIMATION ~タチバナ編~)』が発売。
2023年にはエロゲ版を翻訳したものが「Nope Nope Nope Nurses」として、Steamで発売されている。
2023年11月には2D格闘ゲーム『搾精病棟ファイターズ ~性格最悪のナースしかいない病院で格闘生活~』を配信予定。
「矢野格闘」(矢野ともゆき)とのコラボ作品。
逸話など
見事な伏線回収や破綻のない設定・展開など、ストーリーが評価されることが多い本作だが、最終話発売後に公開されたブログの後書き記事(現在でも記事自体は閲覧可能、筆者が賢者タイムで本編を振り返っている)では
「私は占いというか、儀式というか、ダウジングのような方法でいつもストーリーを決定しています。質問したことにYES、NOでしか返ってこないため、万能ではありませんが、とても役立つ方法です。」
と言及されている。
また、ストーリーの展開は制作中に少しずつ変化していったことも明かしている。
作者は制作中自律神経が乱れて体調が悪く、特にアマミヤ先生の出てくるあたりは不眠に悩まされていたため、彼女のハイテンションな台詞回しで変なテンションになっていたと振り返っている。10話の作業が終わったあたりはかなりよくなり、サウナと水風呂が効いたという。
関連動画
作者インタビュー
春とヒコーキ・ぐんぴぃの個人チャンネル『バキ童チャンネル』より
関連タグ
オトギフロンティア(FANZAGAMESのオンラインゲームで、2023年8月13日に期間限定でコラボイベントをしている)