「まあ~可哀想に怖かったでちゅね~♡いい子いい子♡ママにいっぱい甘えんぼしてオッパイちゅうちゅうしまちょうね~♡」
概要
「バニシング排斥婦人会」のメンバー。通称「母性魔」。
フルネームは「アイゼン ホノカ」。
婦人会の前会長であり、母性魔だけにかなりの巨乳の持ち主で、歩くたびに「ボインボイン」という効果音が流れる。
正月には露店でベビーカステラを売っており、本人曰く「愛情たっぷりベビーカステラ♡」とのこと。
普段はペシミズム厭世病院で看護師として勤務している。
一見すると自身を「グレートマザー」と自称し、穏やかで母性のあふれる優しい女性なため、ヨシダの父からも「婦人会唯一の善人」として見られているが、「愛」という言葉を盾に自分を正当化しようとしている一面がある。
また、自分と歳が近いであろう初対面の人妻であるサナモリにいきなり上記の台詞で迫ってくるのだから、相応にヤバイ人である。そもそも、他の婦人会メンバーが目の前でサナモリを虐待してるのを普通にスルーしているのだから善人なわけがないが。
その裏の顔は、自分や自分の思想に従順なものは全力で保護し甘やかすが、反対に自分の言いつけに背いた人間や自分の思想に反している行為・作品全般に対しては激しい怒りと共に攻撃し排除しようとする「モンペババア」。
そのヒステリーは常軌を逸しており、会長時代の仲間が寝取られ作品が好きだとカミングアウトしただけで彼女を異端として追放したり、アイゼン曰く「教育に悪い有害アニメ」「サタンアニメ」である『ドジうさポロリ』のぬいぐるみで遊んでいる余所の子供たちを見かけるや否や憤怒の形相で駆けつけぬいぐるみを力任せで引き裂くほど(自分の子の持ち物ならまだしも、他人の子の持ち物に対してやっているので普通に器物損壊罪である)。
ついでに、以前はその怒りのままに寝取られ作品や『ドジうさポロリ』そのものを潰そうと抗議デモを主導する一面もあった。
怒りのままに暴れ周囲を攻撃する自分に疑問を抱く様子は全くなく、文字通りのモンスターである。
また、息子であるケンスケを「外は不浄の世界だから出てはいけません」と部屋(玄関ではない)に鎖と南京錠で厳重に隔離し、テレビやネットは禁止、誰とも触れ合わせずひたすら勉強させ、ずっと二人で一緒にいることで真の良い子にすると、その教育方針は明らかに歪んでいる。
本編以前には夫がいたが、息子に自由奔放な教育をさせようとしたため強制的に別居に追い込んだらしい。
「愛」を説くだけあってケンスケに対して直接暴力を振るうことはないが、これはこれで行き過ぎた潔癖思想からくる洗脳行為と言える。
こんな調子なので相当なエゴイストだと思いそうだが、意外にも「自分自身の利益」のために行動する場面は少なく、「自分やケンスケの敵(だと彼女が思いこんでいるもの)」に対して激しく怒り感情のままにぶつかっていくのが主な悪事。いわば本来の意味の確信犯。
正義を建前としていじめを行い自分の嗜虐欲を満たす”正義魔”ショウダとは一見すると似ているが細かい部分で様々な違いがあり、アイゼン本人もショウダやその上司たちとは距離を置いている。
とはいえ「子供なんて無知で無力で悪に堕ちる畜生」であると、子供をヒトではなくケダモノとしか見ていないという母親としてあるまじき台詞を吐き捨てたことによりヨシダから「自分より弱いと見下した者を侍らせて優越感と万能感に浸りたいだけ」と看破され、母性を笠に着た『修羅』であると結論づけられた(そして図星であったのか、アイゼンは反論することなくヨシダの肩の骨を外した)。
上記の通りショウダやキリタニたちとは距離を置いていたアイゼンだが、結局のところそれは弱者への対応を巡る解釈違いによる対立でしかなく、本質を見れば同類に過ぎなかった。
人間が最も残酷になるのは、自らの正しさを確信したときなのである。
そのドス黒い彼女の本質たるや、普段は温厚で何度も変態人妻と対峙してきても、飽くまで住人に対する団地管理人としての立場を崩さず、敵意を抱くことはなかったヨシダですら初めて激怒・敵意剥き出しに罵声を浴びせて拒絶する程。
そしてそんな危険思想の持ち主となったのは、自身も幼いころに母親から医者になることを強要され、勉強しなければ暴力を振るわれるという虐待を受けていた過去が原因であった。それはまさに毒親に育てられた子供が新たな毒親になるという負の連鎖を現したような人物であった。
母性魔たる彼女の実態というのはまともな母親からの愛情を受けずに育った結果、暴力的なやり方が母親として正しい姿という誤った解釈を抱え込んだままそれを母性として周囲に振り撒く人間になってしまったということ。
実際の彼女が母親の希望通りの医者ではなくナースと思われる事もまた、自分の母親と同様の過度な期待・教育を息子に寄せる理由なのだろう。なんとも皮肉な人生を歩んで来たといえよう。
アイゼン ケンスケ
彼女の息子で第2話『ばら撒き魔』にて初登場しており、捨てられたエロ本を隠れて読んでいた少年である。
将来は文部科学省事務次官になるように言い聞かされ、普段は母親に自分の部屋に隔離……というより、もはや監禁されながら勉強をしているが、時折避難はしごを使って外出もとい脱出していた。
外ではエロ本を隠れ読みするほか、イチノセから一方的に絆を感じられ、彼女がばら撒いた自撮りエロ写真を収拾し、これらを溜め込んでいる。
(『ばら撒き魔』編にてかつて母が行ったようにこれらの「お宝」は焚書されている)
家では親子関係が冷えているだけでなく周りの外ですら不健全なモノを手に入れ易いという環境なため色々と将来が心配な少年である。
皮肉にもアイゼンの「外は不浄の世界」という主張だけはあながち間違ってはいない事になるが、イチノセらの主張しているような「抑圧からの反動」という面も否定はできないだろう。
能力
彼女の所持するプレミアムリビドークロス「グレート・マザー」は愛染明王、あるいはヨシダが本質とみなした阿修羅(「修羅」は阿修羅の略称でもある)をイメージしたようなクロス。被っている冠に記された梵字(※)は「愛染明王」を意味するもの。
天女を思わせる羽衣らしきものを身に纏い、搾乳機と後述する〝お薬〟のタンクに接続された哺乳瓶、布団叩きを持ったサブアームが2対取り付けられている。
このサブアームを駆使したマタニティ柔術や、6つの布団叩きを用いて相手を叩き伏せる「人妻無双六刀流」を必殺技とする。
哺乳瓶には自身の母乳と優しさで出来たお薬を混ぜた禍々しいピンク色をした「おりこうミルク」なる謎の液体が容れられており、拘束して飲ませるだけでなく、哺乳瓶を握りつぶして発射する「マタニティ・レーザー」による遠距離攻撃も可能。これを飲ませた相手を洗脳してしまうが、一定時間が過ぎれば正気に戻る模様。
また、いないいないばあっで血の涙を流す鬼のような『躾』の形相と普段の穏やかな笑みをした『慈悲』の形相の2つの顔を持ち、瞬時に切り替えることができる。某悪魔超人かな?
通常状態で胸が完全に露出してしまっており、これまで登場してきたクロスの中でもトップクラスの卑猥さを持つ。数々の変態人妻に襲われた読者からも「最早服ですら無い」「只の布」「ヨシダはよく服だと分かったな」とドン引きの声が上がった。
「性癖第二解放」は暗黒聖母。解放前よりも露出度が増加し、素肌に紋様が浮き出た釈迦如来のような姿になり、体には黒い蓮の花と蓮の実が付いた触手が生え、どす黒い笑みを浮かべた『修羅』の形相を露わにする。
また、冠の梵字が「鬼子母神」の物へと変化している。
必殺技は触手の先端についた蓮の実から筋弛緩剤を含んだ黒い雨を降らせる「ポイズンマタニティレイン」。
ただし、対象の動きを封じる事ではなく、解毒剤である「命のママ〜」をちらつかせ、自分に助けを求め縋りつかせることこそが真の目的である。
マタニティ柔術は本人の技能であるため、サブアームを失った状態はもちろん、クロス非着用時でも使用可能。
本編で披露されたのは対象を拘束後、服などを引き裂く「トイトレ・ホールド」と相手を引き寄せ地面に押し倒す「パンパースクリュー」、ハイバラに対して使用するも不発に終わった「とどめはお母さん」。
※ちなみに、梵字は第22話でヨシダをあやした際にも登場しているが、こちらは「大日如来」を意味する。日本では「万物の慈母」ともされ、この時点ではまだ正体を隠していた……
と、思いきや同じ文字でヨシダが看破した「阿修羅」を示す事もあるようである。また、背負っている「優しさで出来たお薬」のタンクにも記されている。
活躍
- 第9話 バニシング執行部隊
怯えるサナモリに優しい言葉で迫るが、本心は不明。
- 第20話 復讐魔&被虐魔⑥
これまでのキリタニたちの行いを見て「愛がない」と涙ながらに訴える。ヨシダが退院したらまた婦人会に噛みついてくるだろうということで自身が彼を愛をもって教育すると宣言するのだった。
- 第21話 母性魔①
ペシミズム厭世病院にてヨシダ父を誘惑して骨抜きにしていた。
前回のアンドウ、ツジサキ戦で重傷を負い、入院していたヨシダに父と引き離されるが、夜中にヨシダの元を訪れ、行方不明になった母の代わりに愛してあげると迫る。
- 第22話 母性魔②
ヨシダを堕とした後、すでに患者たちも洗脳完了していた。一方「あんなダメ人間製造機に管理人を任せていいの?」と疑問を抱くヌマジリにキリタニはアイゼンの本性について語る。
彼女の本性、それは「自分の思想に反するものはすべて排除する危険人物」であると明かす。
アイゼンは団地の子供たちが自分が毛嫌いしている『ドジうさポロリ』のぬいぐるみで遊んだり、テーマ曲を歌っている姿を見るや否や、それを「地獄のような光景」と称し、団地に愛を取り戻すためと子供たちのぬいぐるみを破壊したり、子供たちに躾をし直す等と迫るのだった。
しかもそれはまだ彼女が婦人会の会長だったころからで、出版社への討ち入り、エロ本の焚書、『ドジうさポロリ』の放送中止を求める抗議デモなどに発展し、不健全だとみなしたコンテンツに激しい憎悪を向ける。それは婦人会のメンバーでも例外ではなく、寝取りものの昼ドラを見たと言う理由等で処罰した為に次第に孤立。そのままキリタニとヌマジリに乗っ取られた挙げ句に「婦人会最高顧問」という名ばかりの地位を与えられ、実質政権を二人に掌握されてしまう。
しかしその後も諦めず、裏で会長の座を奪還しようとしていたらしく、ヨシダたちを懐柔し婦人会に対抗するための新たな組織を立ち上げようとしていたようであった。
第23話 母性魔③
息子を部屋に隔離し勤務先であるペシミズム厭世病院に向かっていたが、その途中ハセガワによりケンスケが脱走してエロ本を読んでいたことを知らされ、彼の元に向かうとケンスケに迫ろうとしていたイチノセを目撃し、彼女を素の状態で血祭りにあげた後怒り狂いながら怯える息子に迫るとハセガワの策略でケンスケにエロ本を与えたのはヨシダだと思い込み発狂。プレミアムリビドークロス「グレートマザー」を装着し、ヨシダに迫る。
彼が『ドジうさポロリ』のぬいぐるみを持っていたのを目撃すると激高し、「トイトレ・ホールド」で拘束した後怪しげな液体を飲ませようとするが、そこにヨシダ父がかつてカンザキに20万で無理矢理購入させられた剣、「ボルタックソード」を持ってかけつける。
必殺技の「レジテンスセイバー」で止めを刺そうとするがたまたまそこにいたナースを盾にして防いだ上、「人妻無双六刀流」でフルボッコにし、先の謎の液体「おりこうミルク」を飲ませ、ヨシダ父だけでなく他の患者たちも洗脳していく。地獄絵図となった病院内を逃げ回るヨシダに息子を唆したと怒りながら迫り、その歪んだ愛情を明らかにしヨシダをドン引きさせる。そして彼の目の前で母からもらった『ドジうさポロリ』のぬいぐるみを引き裂いてしまう。
第24話 母性魔④
母からもらった思い出の『ドジうさポロリ』のぬいぐるみを破壊しただけでなく、その愛を「虐待」「悪魔」として侮辱する発言に激怒したヨシダがいつの間にか持ってきていたボルタックアーム&フィストを装備し立ち向かうもそれを拘束して「おりこうミルク」を飲ませるが、ヨシダはカタギリが持ってきていたコンドームを口に中に仕込むことで防いでおり、そのまま怒りのボルタックフィストを食らってしまう。
逆上し反撃しようとするもボルタックアームでサブアームをすべて破壊され、家族を侮辱され怒るヨシダに倒された…
かに思われたが、いつの間にか性癖第二開放を発動させ暗黒聖母に進化。「ポイズンマタニティレイン」をまき散らし、ヨシダと「おりこうミルク」による洗脳から正気に戻ったヨシダ父に迫る。
第25話 母性魔⑤
性癖第二開放によって自身の心の闇までもが開放され、完全に正気を失ってしまった。
「ポイズンマタニティレイン」で苦しむ患者や看護師が自分に助けを求める姿を見てハイになる姿を見たヨシダに「修羅」呼ばわりされ、それをなじるかのように彼の肩の骨を外してしまう。
彼が力を求め自分も変態人妻になる覚悟を決め、ぬいぐるみの中に隠されていた共振石に手を伸ばしたところにオメガリビドークロス「HYPNOS(ヒュプノス)」を持ったハイバラが立ちはだかった。
人妻危険度リストでいうならばS級人妻であると名乗り、クロスを装備した彼女に「ケンスケちゃんの汚らわしい記憶」を消去することを要求するが、団地外でのあまりのやらかしに自身が「仕置き」の対象である事を通告される。その言葉と人妻の本能が警告する格の違いに一度はたじろぐも、「マタニティ柔術 とどめはおかあさん」で反撃した瞬間にいなされ、ヒュプノスの能力によって忌まわしい過去がフラッシュバックする。
それは彼女が息子であるケンスケや近所の子供たちにしていたように、自身もまた母親から教育・躾の名の元に虐待されていたというものであり、さらにとどめとして最愛のケンスケに見捨てられるという幻覚を見せられ精神崩壊を起こして気絶、共振石も砕け散ってリビドークロスも消滅した。
第42話 レギオン(人妻の軍勢)後編
前回のヨシダとの戦いの後、ハイバラの能力の影響で完全に精神崩壊してしまったせいか、あれだけ嫌っていたはずのドジうさポロリにすっかりハマってしまい、夫や息子をドン引きさせていた。
しかし、ネザコのオメガリビドークロスによる人妻インフェルノで暴走するA級人妻やB級人妻たちの中にアイゼンの姿はなかった。
音声化
2022年7月29日、ASMR化された。
作中ではトラックにはねられた『坊や』を介抱してくれるのだが…。
余談
- 彼女の原形となったのは原作者の過去作「無限射精拷問」に登場するT2000というキャラクターである。ネームの段階ではそのまんまモデル通りの容姿だったが本編では下記の様に現在のスーパークリーク寄りの外見になっている。婦人会メンバーの中で容姿そのものが変わったのは彼女のみであり、なぜこの様な措置が取られたのかは明らかになっていない。
- 推測すると過去作を知っている読者からすれば容姿そのものがキャラクター像に関するネタバレになるのではないかと思われる。
- もっとも、婦人会トップ二人は名前・見た目・性格も過去作と一致するのだが。(これに関しては原作者自身が「搾精病棟」だけのキャラに終わらせるには惜しいという理由で本作にて続投する予定だったとのことで、彼女らは同一人物であるとTwitterやブログで明言している。T2000の場合はあくまで本作より未来の世界のキャラであるため同一人物と設定するには無理がある。)
- 彼女の勤務先及びヨシダとの対決の地となったペシミズム厭世病院は「搾精病棟」の舞台でもある。ただし、この名前は原作ではなく全年齢版コミックスで明かされたもの。
- 教育虐待の被害者である彼女自身が親となった今、自分の息子に対して教育虐待を行うという負の連鎖を起こし、それが潜在意識に刷り込まれた願望が性癖第二開放の能力にも現れていることから、単行本のリビドークロス図鑑においても外道と言えるがある意味悲しい犠牲者なのかもしれないと記述されている。
関連タグ
ペシミズム厭世病院:勤務先
母性 母性愛 溢れる母性 母を名乗る不審者 グレートマザー 毒親 モンスターペアレント 独善 毒親の被害者 アダルトチルドレン
スーパークリーク(ウマ娘)…外見的に似たようなキャラクターである上、ASMR化で声優が優木かなになったのでネットでは当初アイゼンを話題にする際しばしば挙げられていた。しかし本編で彼女の人物像が掘り下げられるにつれ余りに凄惨な人間性のため似て非なるどころではないとして次第に呼ばれなくなった。