森谷帝二

もりやていじ

森谷帝二は劇場版『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のゲストキャラクターである。

概要

CV：石田太郎

建築家。東都大学建築学科教授。47歳。

イギリス古典建築のシンメトリー（左右対称）を愛し、シンメトリー建築の仕事を手掛ける芸術家肌の建築家。あまりにシンメトリーに心酔しすぎたため、本来の自身の名前すら改名してシンメトリーにしている（森谷貞治→森谷帝二）。コナンいわく「ほとんど病気」とのこと。余談だが「帝」の字にははねがある為、厳密に言うとシンメトリーではない。

ガーデンパーティを開いて工藤新一を招待している（代わりに来たのはコナンと毛利家）。ちなみに料理は森谷本人の手作り。紳士的な雰囲気を漂わせているが、美意識については激しく語るタイプで、「今の若い建築家は美意識が低い」と語っている。

本作で相次いだ連続爆破事件の中で、森谷の建築が爆破の対象として狙われていることが判明し、警察と小五郎たちから話を聞かれることとなるが……

意外にも、劇場版のダジャレクイズ出題者第1号だったりする（阿笠博士が担当するのは3作目から）。

関連項目

名探偵コナン　江戸川コナン　工藤新一　毛利蘭　時計じかけの摩天楼　劇場版名探偵コナン

天国へのカウントダウン：劇場版5作目。彼の弟子・風間英彦がゲストキャラクターとして登場している他、都市計画拠点である西多摩市が舞台。序盤でも少しだけ彼と事件に触れられている。

以下、ネタバレ注意

「建築に愛は必要ない……人生にもな……」

その本性は、過去の自分の建築物を破壊するために連続爆弾事件を引き起こした冷酷な凶悪犯。つまり、本作における犯人である。

破壊する理由も、「建て主の注文や法律（建築基準法）、予算などの都合により完全なシンメトリーにできず、自分の美意識に反しているから」という建築家としての拘りやプライドを通り越した身勝手極まりないものであった。さらに爆弾事件と並行して、同じくシンメトリーに出来ず納得していない住宅への連続放火も起こしている

また1年前、西多摩市の都市計画（ニュータウン建設）の設計も手掛けることになっていたが、その計画を推進していた当時の市長が交通事故を引き起こしてしまう（市長が運転する車に撥ねられた被害者の女性が死亡）。事故発生時に助手席に同乗していた市長の息子が、父の市長としての立場を慮るあまり身代わりを買って出たのだが、工藤新一に見破られて市長本人が運転していたことを突き止められる。結果、死亡事故を起こした上に容疑者隠蔽のための偽装工作も行っていたことが発覚した市長は逮捕されて失脚。西多摩市のニュータウン建設も中止になってしまった。このことで新一を逆恨みし、高校生探偵としての彼の名声を貶めることで復讐することを決意した。

これらの理由から、コナンが解決した幾多の事件の中でも身勝手な動機の筆頭として何度も挙げられている。

新一（の声で推理したコナン）によって犯行を暴かれ警察に逮捕された森谷だったが、最後にちょうど蘭がいた米花シティービルを爆破目標として残しており、爆弾の回路図を奪って蘭のもとに向かうコナンに工藤新一への伝言として「時間を作ってやった」と伝える。

その後、爆破されたビル現場に連行されてくるも最後に仕込んでいた爆弾のトラップに自信をもって笑みを浮かべていた森谷だった。しかし、蘭が正しいコードを切ったことで爆発は起きず、敗北した際は驚きの表情に変わっていた。

劇場版第5作に登場した彼の弟子・風間英彦は師匠が起こしたとんでもない犯罪を受けて心底軽蔑したらしく、森谷と違って作品へのこだわりは殆ど見られないまともな人格者であった。

モデル

名探偵コナンの劇場版第一作の犯人にふさわしく、名前は名探偵・シャーロック・ホームズの宿敵、ジェームズ・モリアーティ教授のもじり。それに気づいて、登場と同時に怪しいと思った人も多いのではないだろうか。

というか当初のシナリオでは森谷しか怪しい人物が存在せず、他の容疑者候補として作られたキャラクターが白鳥任三郎であった。

なお、元ネタであるジェームズ・モリアーティは「自らがその頂点に立って犯罪を立案し指示するだけで、その手を汚さずに犯罪を成功させ報酬を得る」という人物だが、名探偵コナンでは基本的に単独犯である事がほとんどであり、その結末を考えると彼に該当するポジションは非常に登場しにくいものと思われる。