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稗田阿礼

ひえだのあれ

稗田阿礼とは、日本史上の人物(画像は稗田阿礼のイメージ)である。男性と目されるが、女性であったとする説もあるなど、その人物像には謎が多い。
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タグの用法編集

pixivにおける「稗田阿礼」のタグには、2024年4月現在三種類の用法がある。

  1. 歴史上の人物「稗田阿礼」をイメージした作品。
  2. 上記の人物をモデルとした東方Projectに登場する「稗田阿礼」をイメージした作品。
  3. 上記の人物をモデルとしたFate/SamuraiRemnantに登場するキャラクター。

本記事では1.の用法について記述する。

2.の用法については稗田阿礼(東方Project)を参照。

3.の詳細についてはキャスター(Fate/SamuraiRemnant)を参照。


概要編集

古事記』の編纂に携わったとされる生没年・性別不詳の人物。

7世紀後半から8世紀初頭の人物と推察されている。


天武天皇の舎人(とねり。皇族や貴族に仕えた人々)の一人であり、元々は馬の世話や荷物運びをする身分だった。ところが記憶力が大変優れていたため、天武天皇に召喚されて歴史書『古事記』の変遷を行う誉を授かった。

しかしながら、記憶力が優れていても阿礼自身は歌や学に関する才能が全く無かったため、『帝紀』(皇室の系譜図をまとめたものなど)や『旧辞』(各氏族伝来の歴史書と目される書籍群)等の誦習(よみ習うこと)を命じられた。


こうして『古事記』の編纂を行っていた阿礼だったが、686年に天武天皇が崩御。

『古事記』編纂の長は持統天皇に引き継がれる事になったが、持統天皇文武天皇は朝廷内の安定や朝鮮からの攻撃に備え国力増強を進めたため、『古事記』の編纂は長期中断される事になった。


その後元明天皇(661年~721年。天武天皇と持統天皇の子である、草壁皇子の正妃)の時代に『古事記』の編纂に再び参加することを命じられ、稗田阿礼が読み上げる『帝紀』、『旧辞』を太安万侶(おおのやすまろ。?~723年)が筆録する形で『古事記』の編纂が進められた。


最終的に天武天皇の時代から編纂が始まった『古事記』は30年近く経過した元明天皇の時代に完成し、太安万侶によって献上された(712年3月9日)。

その後、阿礼の消息については不明。自慢の記憶力で元明天皇の娘である元正天皇にまで生涯仕えたという説や、『古事記』完成に伴って隠居したなど幾つもの説が挙げられている。

とはいえ献上時は50~60歳相当になっており、時代背景を考えればいつ没してもおかしくない年齢になっていたと考えられる。


人物像と諸説編集

稗田阿礼個人については資料が乏しく、藤原不比等説、女性説などもあり、その人物像には未だ未知の部分が多い。


なお元明天皇は大宝律令の運用に際し、藤原不比等を重用したという。

藤原不比等はその後の平城京への遷都の際に右大臣にまで昇格している。


近代の『古事記』編集

現在に至る『古事記』及び『古事記』などを通しての古代史・古代文化史研究に多大な影響を及ぼし、今なお研究文献として用いられているのが、江戸時代の研究者本居宣長(1730~1801)による『古事記伝』(1798年完成、1822年刊行。宣長没後。全44巻)である。


『古事記伝』は、主に宣長の時代には複数あった『古事記』の写本の同一点、相違点を校訂した上で注釈とともに記述したものである。文章や言葉の読み方などにも言及しており、その総合的な内容は日本における古代史及び古代文化史研究に関して後世に多大な影響を及ぼした他、現在でも基本的で重要な研究資料の一つともなっている。


なお、稗田阿礼が『古事記』の元となった『帝紀』や『旧辞』の暗誦を命ぜられたのが28歳頃、本居宣長が書店で『古事記』を購入したのが27歳の時であったとされている。

この時すでに宣長は『日本書紀』を手にしており、『日本書紀』から歴史をさかのぼる形でその直系の前身である『古事記』を手にしたことになる。


関連タグ編集

古事記 日本史 歴史

飛鳥時代 奈良時代


本居宣長 江戸時代


参考資料編集

広辞苑:稗田阿礼、本居宣長、古事記、古事記伝

百科事典マイぺディア:稗田阿礼、本居宣長、古事記、古事記伝、日本書紀

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