概要
ポケモンのカントー地方の大都市、ヤマブキシティに本拠地を置く企業。英語名は「Silph Co.」。本社ビルはヤマブキの中心部にあり、全11階からなる。
ポケモン捕獲用のボール製造に着手し、モンスターボール・スーパーボール・ハイパーボールを開発。さらにモンスターボールという名称を商標登録している。
シルフが開発した3つのボールは現在登場するすべての地方で売られ、ヒット商品となった。ボールだけにとどまらずポケモンのHPを回復できるキズぐすり系、ほとんどのわざマシン、先頭のポケモンのレベル未満のポケモンが飛び出して来ないむしよけスプレー系、ダンジョンを脱出できるあなぬけのひもも作っており、これら商品も各地方で売られている。
その規模は国内だけにとどまらず海外地方でも商品が売られ、今や世界レベルの大企業にまでのし上がった。
その他、肉眼では正体を判別不可能なゆうれいをポケモンに可視化出来るシルフスコープ、(当時)初の人工種ポケモンポリゴンの開発にも成功している。また、金銀の世界ではポケギアを作ったのもこの会社。
ポリゴンがシルフ製とは公に明言されていないが、5Fのテープルに置かれたレポートにそれを示唆する内容がある。開発にはグレンタウンのポケモン研究所も携わっていた模様。公表していないのは後述の黒い噂があるからかもしれない。
同じくポケモン捕獲用ボールを開発しているホウエン地方のカナズミシティに本拠地を置くデボンコーポレーションとはライバル関係にある。一定条件で被捕獲率が上昇するデボン製と比べるとシルフ製は値段に応じて無条件で捕獲率が上昇するというオーソドックスな性能となっている。
また、ポケモンを100%捕獲できる究極の性能を持つボール・マスターボールの開発にも成功しており、少数ながら全国で出回っているようだ。
シオンタウンほどではないにしろ、BGMが聴いてて不安になる不穏な曲調でトラウマになっている人も多いとか。
作品ごとのシルフカンパニー
RGBP/FRLG
最初に来た時はすでにロケット団に乗っ取られており入り口を警備員に塞がれて入れない。一定のイベントをこなしてから来ると警備員が居眠りしているため中に入ることが出来る。
ロケット団との勝負はここでクライマックスになるだけに内部では大量のロケット団員とシルフを裏切った研究員(+モブ一名にさらにもう一名)から勝負を挑まれる。
また11Fの社長室へワープする前の場所で社員から社内で飼っていたというラプラスを貰える。
11Fの社長室に着くとサカキとバトルになり、勝利して追い払うことに成功すると社長からお礼のマスターボールを貰える。
今度こそサカキの野望を食い止め、これが最後の勝負になると思われたが…
GSC
2年前にロケット団に占拠された失敗からセキュリティがさらに厳重になり、2Fから上には行けない。代わりにポリゴンに持たせて通信交換でポリゴン2に通信進化させるための自社アイテムアップグレードを貰える。
HGSS
ダイゴが訪問しており、ここでホウエン御三家のうち一匹を貰うことができる。またフォレトスを探しているらしく、ダンバル(こうてつ)との交換を持ちかけられる。勿論親名はダイゴ。
基本的に2Fから上には行けないのはリメイク前と仕様が同じだが、ロトムを先頭に連れている時のみ建物内が無人になり、ロトムが勝手にエレベーターを動かして家電が5つある謎の部屋に主人公を連れていく。そう、プラチナでひみつのカギを入手していないと入れなかったひみつのへやとほぼ同じものである。どうやらロトムに関する研究はシルフでも行われていたようだ。
シルフと悪の組織の関係
表向きは大企業の顔を持つシルフカンパニーであるがその裏で黒い噂もある。
・ロケット団のシルフジャックにシルフの正社員も加担していた。
・ロケット団が本来なら初めて知ったはずのシルフの厳重なセキュリティ(カードキーによるロック、複雑なワープパネルなど)を初めから知っていたかのような発言をしている。それどころか主人公が絶対に社長室までたどり着けないだろうという余裕すら見せており、あたかも試すような発言もしている。
・ポリゴンはシルフ製のはずなのにロケット団が経営するゲームコーナーの景品になっている。そしてどのソフトもポリゴンが最も必要となるコインが多い。そもそもポリゴンがシルフ製である事、ゲームコーナーがロケット団経営である事はどちらも公にはされておらず、関係者を除けば主人公だけが知る事実である。
・ロケット団解散後もゲームコーナーは開いたままである。さらにその3年後に組織の壊滅が決定づいた後も経営はまだ続いている。
・生産数が限られているはずのマスターボールを確認できるだけでも四つの悪の組織が所有している。(厳密には前者は悪とは言いづらいが、それでも過激派集団であることに変わりはない)
…と、どう考えても悪の組織と何か関係を持っているとしか思えないような要素が目立つため。
あの時シルフカンパニーでサカキは何をしていたのか。
サカキ及びロケット団のセリフを見てみると
おれは いま シルフの しゃちょうと
しごとの はなしを してるんだ
おとなの せかいに
くちを はさまないで もらいたい
どうしても というなら
いたいめに あって もらうぞ!(サカキ)
がはは!
ボスは まえから
ここを ねらってたのだ(したっぱ)
ロケットだんは
シルフ カンパニーと
ていけい するのだ!(したっぱ)
サカキは以前からシルフカンパニーとロケット団の提携を狙っていた事が分かる。
だが、上述のポリゴンの例を見てもらえば分かる通り、実はロケット団はシルフにしかないはずのポリゴンを景品として仕入れている事で既に関係を持っているのだ。そしておそらくスロットの利益の一部はシルフに回っている。
これだけの前準備がありながら、単に企業提携のために仕事の話をつけに来ただけにしては、あれだけ多数のロケット団に会社内をジャックさせるのはいささか不自然で乱暴すぎではないだろうか?
おそらくロケット団が言う「シルフとの提携」とはシルフをロケット団の傘下に入れる事だったのだろう(今でいう○○グループ、○○ホールディングスのようなもの)。
それだけではない。上述したように企業を乗っ取ったロケット団の味方にはシルフカンパニーの正社員も混じっているのだ。
以下ははぐれけんきゅういんのセリフ
わたしは シルフの しゃいん
であると どうじに
ロケットだんいん でも あるのさ
わたしは
シルフ カンパニー より
ロケットだんに みかた する!
… なに
ロケットだんの れんちゅうが
おもう ぞんぶん
ポケモンの けんきゅうを
させて くれるって いったんでね
これらを見ると彼ら研究員はロケット団と関係を持ってく内に目先の利益に目が眩んだ裏切り者、もしくはシルフに送り込まれたロケット団のスパイとも考えられなくない。
そして、極め付けがこれ。
しゃちょうめー!
おれさまを ポナヤツングスカ してん
なんかに とばし やがるから
ロケットだんに ねらわれるのだ!
ポナヤツングスカ してん?
ああ……
ロシアの おくの ほうだよ
ポナヤツングスカの由来は不明だが、セリフからもこの社員はロシアのかなり不便なところに遠征され、社長からかなりこき使われていた事に不満を持っていた事が分かる。
つい最近の作品でどす黒い労働環境が赤裸々に書かれた企業の例があっただけに、シルフカンパニーもそっち系の企業なのかもしれない。
また、こじ付けかもしれないがロケット団が関係する施設特有の移動床とシルフのワープパネルの類似性。ロケット団側の研究員が技術を提供してワープパネルを作ったとも考えられなくはない。
総括すると、シルフカンパニーは以前からロケット団(場合によってはそれ以外の様々な悪の組織とも)と関係を持っていた。そしてサカキはシルフを乗っ取ろうと会社のやり方に不満を持ちロケット団の思想に興味を示し出した社員らを利用し、シルフカンパニーとの面会を装ったクーデターを起こしたのではないだろうか。
まだ会社が小さかった頃、研究費捻出のためにロケット団の風俗営業(ゲームコーナー)と業務提携。スロットの利益でシルフがトレーナーグッズを開発・発売しているとしたなら、そのグッズの恩恵を大いに受けた主人公達によって組織が解散、やがて壊滅させられるという何とも皮肉でどす黒い現実が浮き彫りになる。
さらにその後もゲームコーナーの営業は続いているため、組織解散後にゲームコーナーはシルフの子会社営業となり業務員はそこの会社の社員として続投された可能性が考えられる。これが正しければ皮肉にもロケット団の野望とは真逆にシルフ側のいいようにされた結末を歩んでしまった事となる。
名の知れた大企業ほど裏でヤ○ザと繋がっていた…というのは現実でもよくある話。実際ロケット団はポケモンを殺した確定的な前科もありヤ○ザのようなものである。
もちろんこれは推測にすぎない。だが、悪の組織と何らかの繋がりがあるのは間違いなさそうだ。
ギエピーでサカキがポリゴンを量産していた光景も強ち間違ってなかったのかもしれない。