概要
前作『マクロスF』がシリーズの中心的要素をまとめた作風だったのに対して本作ではマクロスプラスとマクロス7の要素を掛けあわせた独特な作風が特徴。
タイトルのΔ(デルタ)は、「歌」「戦闘」「三角関係」というマクロスシリーズの3つの要素を忘れないよう敢えて付けられた物である。
世界観は「F」から8年後を舞台としているが、移民船の都市ユニットを舞台としてきた既存のテレビシリーズとは異なり、本作では可変戦闘機を自由に飛ばす目的で最初から移民が完了している「惑星ラグナ」を主な舞台とする。
また、本作では「ケイオス」と「空中騎士団」二つの勢力の衝突が描かれるが、キャラクターデザインを勢力によって変更するという試験的な試みも行われている。
外伝作品としてマガジンSPECIALに於いて本編の5年前を描いた「マクロスE(エクストラ)」が、コミックZERO-SUMに於いて空中騎士団の視点から描かれた「黒き翼の白騎士」の連載が行われている。
放送スケジュール等
放送時期は2016年春期。
2015年12月31日に本編第1話を含めた先行特番の放送を行ったTOKYOMXおよびこれまでのマクロスシリーズ3作全て放送した毎日放送に加え、BS11、さらにはテレビ東京系列3局において放送。また、dアニメストアでも配信される。
また、第1話の放送に先駆けて、劇場版マクロスF『イツワリノウタヒメ』・『サヨナラノツバサ』をTOKYOMXにおいて放送された。
本編第1話の先行特番で放送されたバージョンは「先取りエディション」としてバンダイチャンネル及びマクロスポータルサイトで配信、dアニメストアでも2016年1月7日に配信された。
3か月遅れだが、tvkでも放送が開始。放送は7月3日~。以降、毎週日曜深夜24時に放送される。
あらすじ
西暦2067年、人間が我を失い凶暴化する奇病「ヴァールシンドローム」が猛威を振るう銀河辺境の地。
対抗手段として結成された戦術音楽ユニット「ワルキューレ」は、「ヴァールシンドローム」の症状を歌で鎮めるため、星々を駆けめぐり、ライブ活動を展開していた。
一方、時を同じくして、「空中騎士団」と呼ばれる「風の王国」のバルキリー部隊が動き始め―。
プロトカルチャーの遺産の謎が絡み合い、星系を超える熱きチームワークと恋の物語が幕をあげる。
(公式サイトより)
登場人物
戦術音楽ユニット・ワルキューレ
本作のヒロインの一人。戦術音楽ユニット『ワルキューレ』に憧れる少女。
ボーカル担当。ヴァールシンドロームを沈静化する歌声を持つ謎多き少女。
元アイドルの経歴を持つワルキューレのリーダー。
ワルキューレメンバー。ケイオスのメカニックも担当する。
感情起伏が少ないハッカー。マキナとは仲が良く同棲している。
ケイオス
ハヤテ・インメルマン(CV:内田雄馬)
本作の主人公。職や住処を次々に変えてきた根無し草の少年。才能を見出したアーネストの誘いでΔ小隊へ。
本作のヒロインの一人。戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の護衛を任されるΔ小隊の紅一点。マクシミリアン・ジーナスの孫娘。
Δ小隊隊長。自らメンバーのスカウトも行っているが、何れも才能に恵まれるものの曲者ばかり。
チャック・マスタング(CV:川田紳司)
Δ小隊のムードメーカー。惑星ラグナ出身のラグナ人。平時は家族と共に「裸喰娘々」を切り盛りしている。
メッサー・イーレフェルト(CV:内山昂輝)
Δ小隊のエース。死神のパーソナルマークが描かれたVF-31Fを乗機とする。
アーネスト・ジョンソン(CV:石塚運昇)
ケイオス・ラグナ支部マクロス・エリシオンの艦長。ゼントラーディと地球人のハーフ。
ベス・マスカット(CV:沢井美優)
マクロス・エリシオンのオペレーター。紫の髪と眼鏡姿が特徴的な女性。
ミズキ・ユーリ(CV:金魚わかな)
マクロス・エリシオンのオペレーター。頭に乗ってるクラゲ型の髪飾りが特徴の女性。
ニナ・オブライエン(CV:辻美優)
マクロス・エリシオンのオペレーター。眼鏡をかけた赤毛の女性。
ガイ・ギルグッド(CV:佐々木義人)
マクロス・エリシオンの整備士。金色のメッシュが特徴のちょび髭の男性。
ハリー・タカスギ(CV:木村良平)
マクロス・エリシオンの整備士。ニット帽が特徴の若い男性。
ウィンダミア王国
ウィンダミア王国を治める王族の一人。空中騎士団のエース、キースの異母弟。
ウィンダミア王国国王。ハインツ、キースの父。
ウィンダミア王国宰相。眼鏡に強い拘りを持つ。
空中騎士団
キース・エアロ・ウィンダミア(CV:木村良平)
白騎士の異名を持つ孤高のエースパイロット。国王の庶子。
ザオの双子の兄。商家の出身。
ザオ・ユッシラ(CV:峰岸佳)
テオの双子の弟。兄に比べ好戦的な性格の持ち主。
ボーグ・コンファールト(CV:KENN)
部隊の最年少。5人の姉の下に生まれた末っ子。
ボーグの訓練生時代の教官。彼からは「マスター」と呼ばれている。
カシム・エーベルハルト(CV:拝真之介)
部隊メンバーの一人。厳つい顔が特徴。
イプシロン財団
ベルガー・ストーン(CV:藤原啓治)
ウィンダミア王国に装備や技術を提供するイプシロン財団の一員。
登場メカニック
ケイオス/新統合軍
マクロス・エリシオン
グァンタナモ級宇宙空母
ウラガ級護衛宇宙空母
ノーザンプトン級ステルスフリゲート
ステルスクルーザー宇宙巡洋艦
スヴァール・サラン
ウィンダミア王国
Sv-154
シグル・バレンス
専門用語
- ヴァールシンドローム
発症すると自我を喪失し、破壊衝動に突き動かされた暴徒となる謎の奇病。予防・鎮圧にはワルキューレによる生体フォールド波を伴った生の歌声が必須となる。
人体の細胞に寄生するフォールド細菌が、「セイズノール」と呼ばれる物質の作用により増殖する事で発症する。
ウィンダミア王国はこの奇病を研究し、高濃度セイズノールの精製法と発症者のコントロール方法を確立。統合政府に宣戦布告すると共にその戦略の中心に据えられた。
- ケイオス
戦術音楽ユニット「ワルキューレ」を有し、ヴァール感染者の鎮圧を主任務とする民間企業複合体。
詳細はケイオスを参照。
- ワルキューレ
ヴァールシンドローム治療を模索する目的で結成された戦術音楽ユニット。
詳細はワルキューレの項目を参照。
- Δ小隊
ワルキューレの護衛を担うケイオス所属の可変戦闘機部隊。
詳細はΔ小隊を参照。
- ウィンダミア王国
ブリージンガル球状星団の惑星ウィンダミアを主星とする王政国家。風の王国とも呼ばれる。
詳細はウィンダミア王国を参照。
- 空中騎士団
Sv-262ドラケンⅢを主力としたウィンダミア王国の精鋭部隊。
詳細は空中騎士団の項目を参照。
- イプシロン財団
ウィンダミア王国に装備・技術の提供を行う一団。
ブリージンガル球状星団に点在するプロトカルチャー遺跡の解析も行っている。
- 惑星ラグナ
銀河辺境域ブリージンガル球状星団に位置する惑星。豊かな海産資源に恵まれた海の惑星。
首都である港湾都市バレッタシティにはケイオスのラグナ支部であるマクロス・エリシオンが直立している。
海の神を称える「クラゲ祭り」や死者の魂を海へと返す「クラゲ送り」など、海とクラゲに関する信仰や行事で有名。
バレッタシティの飲食店「裸喰娘々(らぐにゃんにゃん)」はラグナ支部の男子寮も兼ねており、Δ小隊のチャック・マスタングとその家族が切り盛りしている。
- 惑星ウィンダミア
惑星ラグナから800光年離れた場所に位置するウィンダミア王国の主星。
周囲宙域をフォールド断層に囲まれている為、安易に渡航出来ないが、その一方でウィンダミア・アップルなどの産出が行われている。
地表には西暦2052年のウィンダミア独立戦争で用いられた次元兵器の爪痕が残っている。
- 地球外人類
地球外惑星に現住し、地球と外交を結ぶ異星人。同様のケースとして惑星ゾラのゾラ人などが確認されている。
プロトカルチャーによる遺伝子操作によってその星の原生生物から生み出された為、外見は地球人類に似通っているが、生態や文化などで差異を見る事が出来る。
- ウィンダミア人
ウィンダミア星を母星とする地球外人類。頭に「ルン」と呼ばれる触角状の器官を持ち、感情に合わせて起伏・発光する他、ルンを介してフォールド波を読み取り、周辺の気配を探る事も出来る。
その性質上ルンから感情を読み解かれる事も多く、これを凝視されたり、触られたりする事を嫌う。また、みだりに光らせる事は恥ずべき事とされる。
身体能力に優れる種族であるがその反面寿命が短く、平均寿命は30年前後。身体の速度成長は20代までは地球人と変わり無いが、それ以降急激に身体が衰えていく。その為身体能力で劣りながらもウィンダミア人と比較して長寿な他星人類に複雑な感情を抱く者も多い。
また、他種族と比較して早婚の傾向が強く、十代半ばで家庭を築くのが常識となっている。
- ラグナ人
ラグナ星を母星とする地球外人類。海の多いラグナ星の環境に適応し、水中での生活能力を持つ種族であり、浅黒い肌や天然パーマ気味の頭髪の他、エラや水かきなど水生生物としての特徴も持ち合わせる。