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潜水艦の編集履歴

2016-07-20 02:08:26 バージョン

潜水艦

せんすいかん

水中を航行できる艦船。

潜水艦とは、水中を航行できる艦船のこと。


概要

主に軍事用である軍艦の呼び名であり、海底探査用のものや、民間の遊覧用のものは「潜水艇」と呼ぶ場合が多い。


隠密性と航続性能が特徴であり、魚雷対艦ミサイルを用いて敵の艦船を攻撃すること(攻撃型)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)で敵国を攻撃すること(戦略型)などを主任務とする。

20世紀前半での速度は水上最高速が最大18~20kt前後、水中最高速は最大8~10ktと御世辞にも高速とは言えず、敵の駆逐艦巡洋艦航空機に発見された場合の生還は難しかった。「ドン亀」などと揶揄されることも多く、高速性能の向上は涙滴型や葉巻型を待たねばならなかった。ちなみに、日本陸軍日本海軍に対抗してまるゆ三式潜航輸送艇)と呼ばれる潜水艦を造った。


歴史

大昔から水中を進める船は考えられ、古くは南北戦争南軍の潜水艇H・L・ハンリーが敵艦に外装水雷を仕掛けて撃沈している。水中に没する都合上、潜水艦の動力を内燃機関とした場合、消費する酸素の確保が問題となる。ハンリーの場合は七人の乗員による人力という脳筋すぎる解決策をとったが、流石に航続距離が乗員の体力が続くまでではあまりにも使い勝手が悪く、その後は電動機や圧縮空気を動力とした潜水艦が各国で試作された。発明家ジョン・フィリップ・ホランドが開発した「ホランドVI」が1900年にアメリカ海軍ホランド級として就役すると、世界中で販売され「ホランド」は潜水艦の代名詞となった。

ホランド級は水上を内燃機関で航走しつつバッテリーに充電し、潜水中は電気モーターを駆動した。水中での機動力は低く、航続距離も限られるが、隠密行動にはこれでも用が足りた。


ドイツ軍は第一次世界大戦第二次世界大戦Uボート(UnterseeBoot=水の下の船)を活用し、通商破壊に大いに活躍、その有用性を証明した。


日本海軍は第二次世界大戦で、漸減邀撃作戦に基き艦隊決戦に先立って米海軍の戦力を削る兵器として、水上速力と雷撃力に優れた海大型潜水艦、長大な航続距離を持ち水上機を搭載して索敵力に優れた巡潜型潜水艦を建造した。実際には艦隊決戦は起こらず、インド洋での通商破壊や南方への輸送任務など想定した用途と異なる作戦に投入され、米海軍艦艇の優秀な対潜兵器の前に多くの潜水艦を失う結果となった。

巡潜型から発展した潜特型は特殊攻撃機晴嵐×3機などを搭載する巨大な潜水艦で、給油なしで地球を1周半航行可能であった。


大西洋ではドイツ軍潜水艦が連合国側の艦船に対し大規模な通商破壊を実施し、第二次大戦前半には多大な戦果を挙げたが、後半はソナーや逆探知、航空機搭載レーダーなどの電子戦、護衛艦隊による護送船団護衛空母の艦載機による哨戒、陸上基地からの対潜哨戒機による攻撃、暗号の解読、スパイによる出航情報といった対策をとられ、新型対潜爆雷ヘッジホッグホーミング魚雷などの投入もあり、次々と撃沈され、潜水艦とその乗組員の損失は、743隻・3万人に上った。


太平洋ではアメリカ軍潜水艦が日本の艦船に対し大規模な通商破壊を実施し、シーレーン防衛を軽視していた日本海軍は効果的な対策を打ち出せず、商船のほとんどを沈められ、本土、前線共に飢餓の憂き目にあった。アメリカ軍は電子戦、航空機による通報、暗号解読などを有効に使用し、「海軍と一緒だと必ず沈められる」と、故意に護送船団から落伍する商船も出る始末だった。


冷戦期には原子力機関が実用化され、初の原子力潜水艦、米海軍のノーチラス号が就役した。潜水艦は給油も充電のための浮上も必要なくなり、食料や乗員の体力が続く限り水中に留まることが可能となった。更に、水中でも水上と同様に全速力で航行する事ができるようになり、飛躍的な機動力の向上をもたらした。

同時期、確実な核投射手段として核弾頭大陸間弾道ミサイルが東西両陣営で開発されていたが、発射前に基地を攻撃されてしまえばそれまでである。しかし、発射基地が広大な海中を移動し続ける場合、これを発射前に攻撃する事はほぼ不可能となる。浮上することなく水中を移動し続けることができる原子力潜水艦は、この基地として最適であった。かくして両陣営で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と、弾道ミサイル潜水艦(SSBN)が開発された。


原子力機関の採用は攻撃型潜水艦にも性能の向上をもたらし、かつて天敵であった駆逐艦すら返り討ちにするほどの戦闘能力を獲得し、主力艦種となった。

しかし、原子力潜水艦は通常潜水艦に対してあらゆる面で優位というわけではなく、騒音を発し隠密性に問題があるという重大な欠点がある。このため、原子力潜水艦を建造している国でも、通常の防衛用途には通常動力潜水艦が充てられる事が多い。


近年では非大気依存機関(AIP機関)の開発が進み、通常動力潜水艦でも1週間以上の潜航が可能となった。既にスターリングエンジンを搭載した海上自衛隊そうりゅう型潜水艦や、燃料電池を搭載したドイツ海軍212A型潜水艦等が就役している。ただ、これらは補助機関以上のものではなく、水中での機動力は従来の通常型潜水艦にも劣る。それでも、従来の通常動力潜水艦と同様に静粛性に優れ、なおかつ燃料が尽きるまで潜っていられるAIP機関の優位性は非常に大きく、これからの潜水艦の主力と目されている。


ちなみに、先の大戦で米潜水艦に多くの艦艇を沈められた教訓からか、海上自衛隊は対潜能力に特化している。冷戦期には近海に出没するソ連(現ロシア)の潜水艦に睨みを利かせていた。近年は中華人民共和国の潜水艦も頻繁に出没するようになったため、警戒体制が強まりつつある。


潜水艦勤務は閉鎖された狭い空間に長期間滞在という心理的に非常に過酷な環境のため、精神疾患に罹患しやすい。原子力潜水艦ならば理論上何年でも潜水できるが、その前に人間の心身の方が限界となるため、任務はせいぜい数ヶ月までとなっている。


関連タグ

海軍 兵器 ミリタリー 魚雷 甲標的 人間魚雷回天 潜水艇


艦種・艦名

伊号潜水艦 潜水空母伊400) Uボート ガトー級 シーライオン アルバコア スケート

ツタンカーメン級 IX型 ロサンゼルス級原子力潜水艦 オハイオ級原子力潜水艦

タイフーン級原子力潜水艦 アルファ級原子力潜水艦


関連創作

海底二万里 蒼き鋼のアルペジオ 終戦のローレライ フルメタル・パニック! 紺碧の艦隊

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ネタ

潜水艦道

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